シニスターミニスター産駒の特徴と傾向

投稿者: | 2020年1月31日

日本では昔から相性の良くないボールドルーラー系種牡馬

今回はダート種牡馬として渋い活躍をしているシニスターミニスター(Sinister Minister)を取り上げてみたいと思います。

シニスターミニスターはエーピーインディ(A.P.Indy)を介してシアトルスルー(Seattle Slew)、さらに遡るとボールドルーラー(Bold Ruler)に辿り着く系統となりますが、現在この系統はタピットなどを通じて北米でのみ発展している系統です。日本でもたまにダート重賞を勝つ馬はいるものの、決して相性がいいとは言えないでしょう。

芝に限れば、タイキブリザードやシンボリインディなどが出た程度です。

かつては80年代にボールドルーラー系と同じく日本に持ち込まれたネイティブダンサー系も、当時は結果を残せていなかったんですが、最近はミスタープロスペクターの系統からキングマンボ、キングカメハメハを通じて今はサンデーサイレンスに次ぐ一大勢力となっているのは対称的と言えますね。

現在でも日本では傍流の系統となるシニスターミニスターですが、どういった産駒を送り出しているのか分析してみたいと思います。

 

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シニスターミニスターの血統

Sinister Minister 2003年 アメリカ産

Old Trieste
1995 栗毛

父の父

A.P.Indy
1989 黒鹿毛

Seattle Slew Bold Reasoning
My Charmer
Weekend Surprise Secretariat
Lassie Dear
父の母

Lovlier Linda
1980 芦毛

Vigors Grey Dawn
Relifordie
Linda Summers Crozier
Queenly Gift

Sweet Minister
1997 鹿毛

母の父

The Prime Minister
1987 鹿毛

Deputy Minister Vice Regent
Mint Copy
Stick to Beauty Illustrious
Hail to Beauty
母の母

Sweet Blue
1985 黒鹿毛

Hurry Up Blue Mr.Leader
Blue Baroness
Sugar Gold Mr.Prospector
Miss Ironside

まず本場の曾祖父であるシアトルスルーはアメリカ史上、無敗で三冠馬となった初めての馬になります。(三冠馬としては十頭目)

種牡馬入り後は安定した成績を残しますが、産駒の中でも競走馬として一番活躍したエーピーインディが、種牡馬としても競走成績と同様に成功して、その血を広げるのに貢献しています。そのエーピーインディがシニスターミニスターの祖父でもあります。

ただ、シアトルスルー系は現在アメリカでもタピット(Tapit)を中心にしてたくさんの活躍馬をコンスタントに出ているものの、あくまで残っているのはエーピーインディの系統にとどまります。他のシアトルスルー系の種牡馬は母系に追いやられている状況です。

そしてシニスターミニスターの父であるオールドトリエステ(Old Trieste)は14戦6勝ながらGⅡを三勝した程度の成績となります。多数の活躍馬がいるエーピーインディ産駒の中では競走馬としては中級馬ですね。

GⅠはケンタッキーダービーとBCクラシックに挑戦しているものの、それぞれ十着と八着に敗れており、全く通用していません。それを表すようにいずれも十番人気だったようです。

オールドトリエステは種牡馬入り後、シニスターミニスターの他に目立った産駒ではBCスプリントを勝ったシルバートレイン(Silver Train)を出した程度で他に目立った産駒を出していません。

シニスターミニスターの母系に目をやると目立った活躍馬はいないようですが、デピュティミニスター系×ヘイルトゥリーズン系×ミスタープロスペクターという配合ということからも、”THEアメリカ型”のイケイケ配合と言えますね。

おそらく1979年頃に三代母であるシュガーゴールドに当時のトップ種牡馬ミスタープロスペクターがつけられているので、そこそこの牝系であることは推測できるのですが、全体的なイメージとしては中距離のダート馬という感じで、スプリント戦でブイブイ言わせるほどの爆発的なスピードを武器としている感じではないように思えます。

現役時代

2005年の二歳時に未勝利戦でデビューし、通算13戦2勝(2-2-2-6)。

四戦目となるカルフォルニアダービー(重賞格付けなし、ダート8.5F)で二着に入った後、初挑戦となったGⅠレースであるブルーグラスS(GⅠ、ダート9F)では二着に十二馬身4分の3差をつける圧勝劇で勝利を飾っています。

そのレース内容が評価され、大一番ケンタッキーダービーは五番人気で迎えていますが、20頭立ての16着に大敗しています。

その後リステッドレースを中心に七戦していますが、見せ場は作るものの結局その後は未勝利のまま引退しています。

結果的には父親のオールドトリエステと同じような中途半端な活躍ぶりだったようです。

種牡馬入り後

2007年の引退後はGⅠは勝っていたものの、父オールドトリエステをはじめとして地味な血統・成績ということもあり、すぐに日本に輸入されアロースタッドで種牡馬入りしています。

確認できたところでは2010年の種付け料は150万円だったようですが、2012年には70万円、2013年には50万円に下がった後、2014年に80万円に盛り返し2017年までその金額だったようです。

しかしながら近年インカンテーションなど産駒が活躍し始めたことにより2018年からは200万円にまで上がっており、その評価はあがっているようです。2016年からは百頭以上に種付けがされています。

2020年現在種付け料は200万円、まだこの記事を書いているのは二月ですがすでに種付けは満口となるなど、生産者には大人気のようです。

産駒成績

2011年に産駒がデビューしていますが2016年までは40位前後をウロウロしていたものの、インカンテーションなどの活躍もあり、2017年は20位、2018年は25位まで上がってきており、中堅種牡馬としての地位を築きつつあります。

注目は地方での活躍で、2016年には16位に入ったあと、2017年は5位、2018年は9位まで上がってきており、地方限定だと勝ち馬率はなんと7割9分を超えており、もはや無視できない種牡馬となってきています。

人気の原因はやはり地方競馬での抜群の実績のせいでしょう。

2019年・・・中央31位、地方4位
2018年・・・中央25位、地方9位
2017年・・・中央20位、地方5位
2016年・・・中央44位、地方16位
2015年・・・中央53位、地方21位

主な産駒

インカンテーション

母の父:Machiavellian 主な戦績:フェブラリーステークス(GⅠ)2着、レパードSなどGⅢを5勝。JRAでは32戦10勝(10-3-4-15)、地方遠征では4戦1勝(1-1-1-1)の成績をのこしており、通算36戦11勝。

2010年産。

GⅠには七回出走し、五歳時にフェブラリーステークスで2着、七歳時に同レースで3着に入っているものの、その他のレースでは勝ち馬から離された大敗が目立つように戦績はどちらかと言えば好走か凡走のどちらかの馬ですね。

人気している時はしっかりと結果を残しているのも特徴ですし、好調時と不調時の比較的はっきりした馬でしたね。

2018年で引退しイーストスタッドで種牡馬入り。初年度の種付け料は受胎条件で30万円、出生条件で40万円に設定されています。

キングズガード

母の父:キングヘイロー 主な戦績:プロキオンS(GⅢ)。JRAでは36戦8勝(8-7-9-12)、地方では5戦0勝(0-3-2-0)の成績で2019年7月5日現在通算41戦8勝。

地方では凡走はしていないものの、盛岡マイルチャンピオンシップ南部杯(JpnⅠ)以外は名古屋と高知のGⅢレースであまり強い相手ではありませんでした。

脚質的に後ろから行くせいか好走しているように見えるものの、勝ちきれないだけで重賞は六歳時のプロキオンSの一勝のみ。

JRA競馬場で行われたの重賞に限定すると馬券に絡んだのは12戦中三回のみで、壁に跳ね返されていますが、面白いのは一戦を除いてこれまでのレースのうち勝ち馬から離された最大秒数はすべて1秒以内に収まっており、実は大崩れはしていません。

 

産駒の特徴と傾向

ダートの上級条件で活躍

まずシニスターミニスター産駒で特徴的とも言えるのがダート系種牡馬の中では非常に高いアーニングインデックス(EI:一頭当たりの賞金獲得額の指標。1が平均)をほこる点です。

ゴールドアリュール(父サンデーサイレンス)は別格としてもヨハネスブルグ(ヘネシー)に次ぐ成績であり、他のダート系種牡馬のように勝ち馬率は高いものの下級条件で賞金を稼ぐのではなく、2勝クラス、3勝クラスに昇級して、勝ち負けしている馬が多いのが特徴と言えます。

ダート系種牡馬のアーニングインデックス

  • ゴールドアリュール・・・1.16(出走頭数1031頭)
  • ヨハネスブルグ・・・1.02(265頭)
  • シニスターミニスター・・・0.95(276頭)
  • サウスヴィグラス・・・0.89(646頭)
  • エンパイアメイカー・・・0.83(495頭)
  • ヘニーヒューズ・・・0.77(289頭)
  • カネヒキリ・・・0.77(248頭)
  • ケイムホーム・・・0.71(306頭)
  • パイロ・・・0.70(356頭)
  • カジノドライヴ・・・0.68(200頭)
  • アイルハヴアナザー・・・0.52(281頭)

※2020年1月31日現在

古馬になってもしっかりと走るが・・・

ヨハネスブルグやヘニーヒューズなどのストームキャット系の種牡馬が早い段階で賞金を稼いで、4歳の秋あたりには一気に老け込んでいくのに対して、シニスターミニスター産駒は古馬になってもしっかりと勝っているという点は見逃せません。

ただハーツクライやステイゴールドのように三歳の秋以降に急激な成長を見せるというよりは、長く同じ走りをしているという印象で、タフな競走馬が多い感じですね。

そして見逃せないのが、重賞など相手が強くなると存在感がなくなる点です。

ある程度重賞の壁にあったと感じるような馬はスパッと切りやすくはなりますね。爆発的なスピードで勝負をするようなタイプではないので、比較的人気どおりに走るタイプだと思います。

東京競馬場の成績が極端に悪い

シニスターミニスター産駒の競馬場別、距離別の成績を見ていくと、特に目立って成績のいい条件があるわけではないのですが、逆の意味で目立つのが東京競馬場での成績の悪さです。

中山競馬場も決して得意としているわけではないのですが、勝率、連対率、複勝率のすべてで悪い数字をたたき出しているのが東京で、単勝は6%台(中山は連対率、複勝率は悪いものの9%近くある)で、連対率は15%、複勝率が20%台前半というのは非常に気になります。

またダート1600mの成績は約150回出走して、勝率、連対率、複勝率がそれぞれ3%、9%、16%というのは苦手としか言えません。当然この距離なので東京競馬場でしょう。(某サイトによると1600mの成績はこの記事を書いている段階で5-8-12-128)

代表産駒であるインカンテーションは東京競馬場の1600mで好走(武蔵野S勝ち、フェブラリーSで2着、3着が一回ずつ)していますが、これは例外的とも言え、この数字を除くとさらに成績が落ちるので目も当てられません。

負けるときはしっかりと負ける単勝型種牡馬

あわせて競馬場別の成績で目立つのが複勝率が若干低い点です。

どの種牡馬も競馬場別や距離別に成績を見ていくと、複勝率で30%を超える条件がいくつか出てくるものなんですが、なんとシニスターミニスター産駒の場合札幌競馬場で唯一30%近くあるだけです。

競馬場別で見るとそのほとんどが20%台前半なのですが、これは僕が見てきた種牡馬の中では非常に珍しいデータとなります。またこれは距離でも同じような傾向を示しています。

逆に、面白いのが複勝率が高くないのに対して、勝率は他の種牡馬と変わらない点で、大体8~10%なのは平均的とも言えます。

ヘニーヒューズなどは未勝利戦や1勝クラスで2着、3着を繰り返して賞金を稼いでいるのに対して、シニスターミニスター産駒は掲示板前後をうろうろしながら、徐々に勝ち上がっていくタイプが多いせいだと思われます。

こうなると買い時としては非常に難しい種牡馬なのですが、総合的には単勝の回収率がダートに限定すると100%を超えているそうなので狙うなら単勝や一着固定で狙うべきと言えます。

距離別だと1400m以下よりは1401m以上のほうが回収率は高いようです。

 

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