ルーラーシップ産駒の特徴と傾向

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2017年に産駒がデビューした種牡馬ルーラーシップ(父キングカメハメハ)に関する記事となります。

現在の種牡馬ランキングにおいて絶対王者ディープインパクトの影響力と遺伝力には父サンデーサイレンス以上のものを感じますが、そのディープインパクトの後ろを控え目に追走するのがルーラーシップの父キングカメハメハです。

控え目と言ってもこれまでの日本競馬界の歴史を考えれば大成功といってもいいぐらいの成功ですね。

ただこの種牡馬の歴史もある程度競馬に接してきた方ならご存知のように、後継馬が現れなければあっという間に直系が途絶えてしまう世界ですが、このキングカメハメハの第一世代として活躍したルーラーシップが思いのほか成功しているので今回はこの種牡馬がどのような特徴の産駒を送り出しているのか分析してみたいと思います。

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ルーラーシップの血統

キングカメハメハ
2001 鹿毛

父の父

Kingmambo
1990 鹿毛

Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
父の母

*マンファス
Manfath
1991 黒鹿毛

*ラストタイクーン
Last Tycoon
*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer

エアグルーヴ
1993 鹿毛

母の父

*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛

*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
母の母

ダイナカール
1980 鹿毛

*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイフェザー *ガーサント
*パロクサイド

父キングカメハメハは現役時代NHKマイルカップを制した快速馬でありながら、それまでの常識を打ち破って日本ダービーまで勝ってしまった名実ともに最強馬の一頭に数えられる馬でした。

キングカメハメハの母系に特に目立ったものはありませんが、その父Kingmambo(キングマンボ)はその母が20世紀の名牝の一頭である快速馬ミエスクであり、自身も含めて兄弟も大活躍した快速血統です。キングマンボは現役時代ヨーロッパで活躍しましたが、産駒はアメリカや日本など芝レースであれば場所を問わず活躍しており、かなり潜在能力の高い種牡馬といえます。

母エアグループは日本最大の生産グループの一つである社台ファームを支えた牝系の出身であり、オークスだけでなく、まだ牡馬に比べて牝馬の活躍があまり見られなかった時代に天皇賞・秋を制した牝馬であり、現役時代は先行策から鋭い決め手と勝負根性を発揮するなど、距離不問で牡馬相手にも同じように活躍した女傑です。

ご存知のようにエアグルーヴは引退後も安定した繁殖成績を残しており、産駒の新馬戦の勝ち上がり率も高く、初仔のアドマイヤグルーヴはエリザベス女王を、今回取り上げるルーラーシップはクイーンエリザベス2世カップ(香港)を制するなど二頭のGⅠホースを送り出した他、孫のドゥラメンテ(母アドマイヤグルーヴ)は日本ダービーを制するなど一大牝系を築こうとしています。

エアグルーヴの母ダイナカールもオークス馬であり、母の姉の子にはオレハマッテルゼやエガオヲミセテなどがおり、近親には多数の活躍馬が存在します。

母の父トニービンはノーザーンテーストの後釜として期待され社台ファームに導入された種牡馬であり、初年度ながら期待に応えウイニングチケットやベガなど多数の活躍馬を送り出しましたが、すぐ後に産駒がデビューしたサンデーサイレンスなどの台頭に押され、初年度ほどインパクトのある活躍馬をその後送り出すことは出来ませんでした。

ただ、社台ファームの中ではかなり成功した部類の種牡馬であり、産駒は東京コースに抜群の適性を示し、大レースに強い馬を多く送り出しています。

また代をへてトニービンの血を引く馬は長距離レースで活躍する馬が多く、決め手の他にスタミナも伝える傾向が見られます。

現役時代

通算成績は20戦8勝(8-2-4-6)。

ルーラーシップは2007年生まれであり、ローズキングダムやエイシンフラッシュ世代となります。

2歳時に新馬勝ちした後、3歳になるとクラシックへの出走を目指してローテーションが組まれましたが、皐月賞は賞金不足で回避。大目標の日本ダービーはトライアルのプリンシパルステークスを制して良血馬ということも手伝い四番人気で挑みましたがエイシンフラッシュの5着に沈んでいます。その後金鯱賞を制し、結局3歳時は7戦3勝2着1回。

古馬になった後は重賞戦線の主役の一頭として活躍し、日経新春杯やAJCCや金鯱賞なども制します。

ピークは5歳時で香港で行われたクイーンエリザベス2世ステークス(芝2000m)を制してついにGⅠホースの仲間入りをしたり、年末の大一番天皇賞・秋、ジャパンカップ、有馬記念ではそれぞれ3着に入り実力を示します。

タイプ的には高い身体能力を感じさせたものの、GⅠでの決め手にはどうしても欠け、良血馬にありがちな詰めの甘さを感じさせる競走馬でした。

予想する側としてはGⅠでは切りやすく買いやすい馬でしたが、掲示板を外したのが掲示板を外したのが3歳時の有馬記念のみ(6着)ということで、勝ち馬から1秒以上離されたことがなく、かなり能力の高い馬であることは間違いありませんでした。

ちなみに当時のPOGではローズキングダムの他にこの馬を上位指名していましたがウェーバー制の指名方法だったため取れなかった馬です。

種牡馬成績

2016年にデビューした産駒が最初の世代であり、現在クラシック戦線を二世代が走っています。2018年に入りすでに重賞を2勝しており、今年はトップテン入りが予想されますね。

2016年 65位(重賞0勝)
2017年 12位(菊花賞:キセキ、阪神JF2着:リリーノーブル、皐月賞3着:ダンビュライト)

主な産駒

キセキ

母の父:ディープインパクト 母の母の父:ドクターデヴィアス
主な戦績:菊花賞(GⅠ)、神戸新聞杯(GⅡ)2着、毎日杯(GⅢ)3着

第一世代からいきなりのクラッシックホース誕生となりましたが、勝ったのはいまだかつて見たことないような不良馬場の菊花賞ということで少し信用しずらい面はありますね。

まだ4歳になったばかりですが、父ルーラーシップと同様3歳春先のピリッとしなかった時期から成長を見せており、似たような成績を残しています。

末脚はしっかりしていますが、イメージ的にはGⅠだと少し足らなかった父親に似ている感じがします。

32秒台の末脚を記録したこともあり時計勝負には対応できそうですが、重賞クラスでヨーイドンの競馬は歓迎できませんね。

祖母はあの快速馬ロンドンブリッジです。

ダンビュライト

母の父:サンデーサイレンス 母の母の父:Riverman
主な戦績:アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)、皐月賞3着、弥生賞(GⅡ)3着、きさらぎ賞(GⅢ)3着など

2歳の早い段階からデビューし朝日杯フューチュリティステークスこそサトノアレスの13着と大敗しましたが、クラシック戦線は皆勤し、皐月賞3着、日本ダービー6着、菊花賞5着と善戦しました。

そのせいか善戦マンの印象もあったのですが、サンタクロースステークス(1600万以下)、AJCC杯(GⅡ)を連勝しており、2018年を盛り上げる一頭として期待されます。

どのレースも最終コーナー付近で早めの仕掛け目立つのでスピードの持続力はありそうですが、他馬を置き去りにするような鋭い脚がないので、決め手勝負・切れ味勝負になると分が悪そうなのは明らかですね。

サンリヴァル

母の父:アグネスタキオン 母の母の父:サクラユタカオー
主な参戦機:皐月賞(GⅠ)2着、ホープフルステークス(GⅠ)4着

粒ぞろいと言われた2018年牡馬戦線の中でダノンプレミアムに次ぐ安定感を誇っているのがサンリヴァルです。

特徴は先行力とゴール前での粘りですが、他のルーラーシップ同様、勝負所で突き放す脚がないのが善戦どまりに終わっているという印象があります。

祖母はオークス馬ウメノファイバーで日本ダービーへの距離適性はかなり高そうな印象ですね。

リリーノーブル

母の父:クロフネ 母の母の父:サンデーサイレンス
主な戦績:阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)2着、桜花賞(GⅠ)3着、チューリップ賞(GⅡ)3着

まだ3歳になったばかりの牝馬ですが、まだ底を見せておらず2018年の牝馬クラシック戦線でもそこそこ人気することが予想されます。→桜花賞は3着

レースぶりを見ていると牝馬らしい小気味いいスピードと決め手を感じますが、勝ったラッキーライラックなど一流馬と比べると勝負所での加速力に違いを感じ、GⅠで決め手勝負になると厳しそうな印象があります。

どうも父と同じく善戦マンになりそうですね。

テトラドラクマ

母の父:ファルブラヴ 母の母の父:サンデーサイレンス
主な戦績:クイーンカップ(GⅢ)

この馬もリリーノーブルと同じ3歳牝馬となりますが、2018年はすでに二頭が賞金的にクラシック戦線への出走を確定しており、ルーラーシップの種牡馬としてのクオリティの高さを感じますね。

フェアリーステークスは一番人気ながら平均ペースを好位につけていたものの、見どころなく6着になりましたが、クイーンカップは一転して千メートルの通過が57秒台のハイペースを二番手追走して押し切るなど高いスピード能力を漂わせています。

スタッツ的には決め手に優れたタイプではないようですね。

期待されたNHKマイルカップは三番人気に推されたものの14着に大敗していますが、母系にスプリント系の血がなく、もしかしたらマイルのGⅠというのは若干距離が足らなかったのかもしれません。

レジェンドセラー

母の父:スペシャルウィーク 母の母の父:ヘクタープロテクター
主な戦績:なし(AJCC杯7着、オープン馬)

祖母はメジロドーベルやキョウエイマーチ世代(僕が競馬場でよく見ていた世代です)で活躍したプロモーションです。

まだオープンにあがったばかりで、AJCC杯は7着、ダイヤモンドステークスは10着に敗れており、オープンクラスの壁にぶつかっていますね。

AJCC杯では4番目に早い上りで走ったりするなど一定の末脚はもっているようですが、一流どころに入ると決め手不足なのは明らかで、もう一皮むける必要を感じます。

3歳の夏までは500万以下を中々抜け出さずにいましたが、秋ごろから力をつけているのが目を引きます。ダートでは一度大敗していますね。

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産駒の特徴と傾向

まだ二世代しか走っていないので判断は難しいところですが、一世代目がクラシック戦線を走り切った上での2017年の種牡馬ランキング12位という成績は非常に驚きました。

同時期にデビューしたディープブリランテなどが29位だったことを考えるとかなり成功の部類に入り、僕もここまで上位に来るとは思いませんでした。

2018年も現時点(2018年3月8日)で6位という好位置につけており、昨年と同様、もしくはそれ以上の結果が予想されます。

産駒の全体的な成績を見て見ると、昨年の出走馬の勝ち馬率が約3割(.304)、アーニングインデックス(EI:一頭当たりの馬が稼いだ賞金偏差値:1だと平均)が1をちょっとこえる(1.06)ぐらいですが、種付けされている牝馬の質などを見ると、社台ファームで繋養されているとはいえそこまで恵まれているとは思えず、今年の結果を見て牝馬の質も上がるでしょうし、中々の結果と言えます。

スプリント戦は苦手

産駒の勝ち上がり傾向を見てみると平均勝ち馬距離はランキング上位馬の中では特に高く、長距離適正を示しています。実際にこの三年間で1200m以下の勝利が一回しかないので、前半が忙しくなりそうなレースは少し割り引いて考えておいたほうがいいかもしれませんね。

芝向きの種牡馬

ダートレースのこれまでの成績を見てみると面白く、約400回程度の出走で約30勝していますが、2018年3月の時点でなんと新馬戦でのダートでの勝利がありません。おそらくスピード不足の馬がダートにまわって勝っていると考えられます。

血統的にもKingmamboの系統やルーラーシップの母の父トニービンがかなりダートを苦手としていた種牡馬なのでこのあたりの影響を受けているのではないでしょうか。

決め手には欠けるが意外と底力はある

今後新たな活躍馬を送り出してくるでしょうが、ルーラーシップ自身の成績やキセキ、ダンビュライトの走りっぷりを見ると、爆発的な末脚を持った馬が登場するとは考えにくく、一瞬いい脚を使うものの肝心なところで我慢できない産駒が多くなるような気がします。

ルーラーシップの父であるキングカメハメハも似たような傾向がありますが、勝負どころでは動けるものの直線一気で決めるタイプではなく、あくまで道中の機動力で立ち回るタイプなのでしょう。

ただ二世代でいきなりGⅠホースを出してきたことを考えるとある程度の底力を備えており、油断しているとサクッと勝たれるような気がします。

超大物を送り出すタイプではないでしょうが、スローで前残りの展開になったり、雨が降って有力馬の切れ味が殺されれば台頭してくる種牡馬ですね。

三歳の夏以降が勝負

ここまでの活躍馬を見るとやはり二歳戦よりも三歳戦での活躍のほうが目立ちます。

現在もオープンは数頭しかいない状況ですが、総じて三歳の夏ごろから良化の兆しを見せているので、ダービーやオークスの時期は少し割り引いて考えておいたほうがいいのかもしれません。

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