Raven’s Pass(レイヴンズパス)産駒の特徴と傾向

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前回の記事では前から気になっていたGone West(ゴーンウェスト)系の現状と特徴を調べてみましたが、2018年の有力馬の一頭にこの系統の血を引くタワーオブロンドンがいるということで、その父Raven’s Pass(レイヴンズパス)についてまとめてみたいと思います。

昨年は京王杯2歳ステークス(GⅡ、東京競馬場、芝1400m)でカシアス(父キンシャサノキセキ)以下を退けたあと、2歳チャンピオンを決める朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、中山競馬場、芝1600m)ではダノンプレミアム(父ディープインパクト)の圧倒的な走りの前に3着に沈みましたが、これからどういった走りをするか予想する意味でもどういった馬なのか注目です。

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Raven’s Passの血統

Elusive Quality
1993 鹿毛

父の父

Gone West
1984 鹿毛

Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Secrettame Secretariat
Tamerett
父の母

Touch of Greatness
1986 鹿毛

Heros Honor Northern Dancer
Glowing Tribute
Ivory Wand Sir Ivor
Natashka

Ascutney
1994 黒鹿毛

母の父

Lord at War
1980 鹿毛

General Brigadier Gerard
Mercuriale
Luna de Miel Con Brio
Good Will
母の母

Right Word
1982 鹿毛

Verbatim Speak John
Well Kept
Oratorio Fleet Nasrullah
Classicist

Raven’s Pass(レイヴンズパス)は2005年にアメリカで生産されヨーロッパで走った競走馬となります。

まず父系について見ていくと、父Elusive Quality(イルーシヴクオリティ)はGone West系の中では最も成功している種牡馬となりますが現役時代は20戦9勝の成績ながらほとんどが中級のレースで勝ったのみでGⅠに限ると決して上級レースとは言えないウッドバインマイルの4着が最高にとどまり、競走馬としては二線級でした。

ただ1998年のポーカーハンデ(GⅢ、芝1600m)では当時の芝1600mの世界レコードとなる1分31秒63を記録しており、高いスピード能力があったことを示しています。反面マイルのレースになると大崩れすることもあり、距離に対してある程度壁があったようです。

このイルーシヴクオリティ産駒の活躍馬として何と言っても有名なのがSmarty Jones(スマーティジョーンズ)でありアメリカ三冠レースの最後のベルモントステークスで2着に敗れるまで連勝を重ね、8戦7勝(ケンタッキーダービー、プリークネスステークスなどを勝利)という素晴らしい成績を残しています。

そしてヨーロッパで活躍した馬がこのレイヴンズパスとなりますが、イルーシヴクオリティ産駒は総じてマイル前後の距離を中心にアメリカだけでなくヨーロッパでも適性を示しており、他のゴーンウェスト系種牡馬や父の現役時代の成績に比べて多少ですが底力を感じさせる馬が出ています。また2歳戦から3歳戦にかけて活躍している馬が多く見受けられます。

母系を見てみると母Ascutney(アスカットニー)は現役時代アメリカで走り11戦2勝でミエスクステークス(GⅢ)勝ちがある程度の中級馬であり近親に目立った活躍馬は見当たりません。

母の父Load at War(ロードアットウォー)はかつてイギリスで国人的人気を誇った名馬Brigadier Gerard(ブリガディアジェラード)にさかのぼる最近では珍しい血統ですが、アルゼンチンで生まれてしばらく走ったあとアメリカで競争生活を送っており、マイルから中距離を得意としていた(17戦10勝で主な勝鞍にサンタアニタH(GⅠ)など)ようですが、フェアトライアル系×リボー系という配合などからスタミナと底力型という印象を受けますね。

更に母系をさかのぼるとVerbatim(ヴァーベイテム)という見慣れない種牡馬の名前がありますが、どうやらプリンスキロ系種牡馬のようでPrincess Rooney(プリンセスルーニー)というアメリカ殿堂入りしたほどの名牝を出していますが、総じて異系色が強い母系と言えます。あくまで個人的なイメージですがこの系統は母系に入って輝き底力と丈夫さを兼ねそなえているという印象です(ただ最近はほとんど見なくなり少し古い感じがしますね)。

父系がスピードの主張の強いタイプで母系が異系色が強くたまに大物を出す意外性のある血統ということになりますが、全体的な印象としては父系、母系ともに母系に入って存在感のあるタイプであり、こういったタイプは総じて父系として発展しないあくまで身体能力を基盤としたタイプなのではないかと推測されます。

競走成績

レイヴンズパスはアメリカ産馬ながら2歳時にイギリスでデビューを迎えますが、当初は期待されていなかったもののデビューから3連勝を飾ります。その後ヨーロッパの2歳王者決定戦デュハーストステークス(芝1400m)ではNew Approach(ニューアプローチ、父Galileo)の3着に敗れています。

明けて3歳になってからはこの年の英・愛2000ギニーの両方を勝利することとなるHenry the Navigator(ヘンリーザナビゲーター、父Kingmambo)の前にマイル戦で3度敗れますが、ヨーロッパ最後のレースとなるクイーンエリザベス2世ステークス(芝1600m)では見事雪辱し、GⅠ初勝利を収めています。

そしてその年の最後のレースに選んだのがアメリカ競馬の最高峰とも言えるレースであるブリーダーズカップ・クラシック(この年はダートではなくオールウェザーの2,000m)に参戦し、前述のヘンリーザナビゲーターだけでなく、前年の同レースの勝ち馬であり本命馬であったCurlin(カーリン、父Smart Strike)を破っています。ヨーロッパ調教馬のBCクラシックはアルカング以来15年ぶり二回目だったとのことで快挙と言えますね。

このレースで現役生活を引退し、アイルランドで種牡馬入となり現在に至ります。

主な産駒

2009年から供用が開始されていますが・・・、なんと大物がいません。困ったぞ(笑)。

種牡馬入りして最初の種付け価格は約500万円だったことを考えると、全く期待されていないということはないと思うのですが、今までGⅠを勝った勝ち馬がいないようです。

Steeler(スティーラー)

母の父:Darshaan

12戦3勝で2歳時にロイヤルロッジステークス(GⅡ、芝1600m)に勝利してGⅠのレーシングポストトロフィーは3着に入っていますが、長期休養明けの4歳以降は6戦0勝とまったくいいところがなく、2歳の時に6戦3勝2着二回3着一回と活躍しただけの馬です。

しかしながらこの馬がレイヴンズパスの現時点でのヨーロッパでの最大の活躍馬ということであり、大失敗と言えます。

馬主はタワーオブロンドンと同じくあのシェイクモハメド殿下であり、母系も同じShirley Heights(シャーリーハイツ)の系統です。

タワーオブロンドン

母の父:Dalakhani

主な勝鞍は京王杯2歳ステークスで朝日杯FSはダノンプレミアムの3着。

このイルーシヴクオリティの直系の失敗ぶりを見ると少し成長力に疑問はありますが、この馬の場合近親に名馬ジェネラスやオースミタイクーンなどがおり、かなりの良血と言えます。まだ完全に底を見せたわけではないので見切るのは早いですが、血統的にはマイル前後がベストでしょうね。

調子のいいうちはまだ大きいところを勝つ可能性はありますが、一旦調子が落ちるとつらい感じがします。

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“Raven’s Pass(レイヴンズパス)産駒の特徴と傾向” への2件の返信

    • タワーオブロンドンはおそらく血統的に今がピークであり、段々と尻すぼみになっていくのでしょうが、どこまで追いかけるかの判断は重要ですね。

      今回はメンバー的にもチャンスだと思うので、ここを勝って種牡馬入りを目指したいところですね。

      そうなるとお父さんの輸入もあり得るような気がしますね。

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