2018年もすでに三月が近づいており、早くもクラシックか近づいてきました.が、今週は牡馬クラシックのトライアルレースの中でも一番重要とも言えるレースである弥生賞です。
今年の弥生賞はかなりの有力馬が揃っていると言われていますが、昨年の朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ、芝1600m、中山競馬場)では先行しながら最速の上りで勝利するなど、近年でもかなり強い勝ちかたダノンプレミアムの他、大器と言われまだまだ底を見せていないワグネリアン。そして僕がペパーオーナーゲーム(POG)でも筆頭指名しており、快速牝馬ビリーブの仔としてもしられるジャンダルムなどの出走が予定されており、かなりレベルの高い面子になったと言われています。
あまりにも登録馬のレベルが高すぎるため出走を回避した馬が多いと言われる今回の弥生賞ですが、登録馬の中に日本ではまだ珍しいOrb(オーブ)を父にもつニシノトランザムがいたので、こんかいはこのオーブ産駒の傾向について調べてみたいと思います。
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現役時代
二歳の八月に未勝利戦でデビューしたもの中々勝ちきれず、四戦目で初勝利をあげています。いずれも東海岸で走り二歳時は4戦1勝。
三歳になり本格化。ケンタッキーダービーの前哨戦であるフロリダダービーまで三連勝し、連勝を四に伸ばします。
大一番ケンタッキーダービー(ダート10F)は一番人気で迎えますが、見事人気に応え勝利し、これで五連勝となりました。
その後三冠レースのプリークネスS、ベルモントステークスは、いずれも一番人気ながらそれぞれ四着と三着に終わっています。
この年は8戦4勝で引退レースとなったジョッキークラブ金杯のみ八着と掲示板を外しています。
通算成績は12戦5勝(5-0-3-4)で三歳で引退。
Orb(オーブ)の血統
2010年 アメリカ産
父
Malibu Moon |
父の父
A.P. Indy |
Seattle Slew | Bold Reasoning | |
My Charmer | ||||
Weekend Surprise | Secretariat | |||
Lassie Dear | ||||
父の母
Macoumba |
Mr.Prospector | Raise a Native | ||
Gold Digger | ||||
Maximova | Green Dancer | |||
Baracala | ||||
母
Lady Liberty 1999 |
母の父
Unbridled |
Fappiano | Mr.Prospector | |
Killaloe | ||||
Gana Facil | Le Fabuleux | |||
Charedi | ||||
母の母
Mesabi Maiden |
Cox’s Ridge | Best Turn | ||
Our Martha | ||||
Steel Maiden | Damascus | |||
Laughter |
父Malibu Moon(マリブムーン)はA.P.Indy(エーピーインディ)産駒の良血馬ながら現役時代は故障もあり2戦1勝の成績で早々と引退しました。産駒は牝馬の活躍馬が多いものの2017年の種牡馬ランキングは8位、2016年も13位(2015年10位、2014年は13位)とアメリカのダート競馬でも実績のある種牡馬と言えます。
ただ、芝限定の北米種牡馬ランキングで見ると2017年は29位、2016年に至っては58位と、賞金構成の8割以上がダートに集中しておりかなりダート寄りの種牡馬であると推測できます。
以前とりあげたA.P.Indyの系統について見てもらうと分かりますが、GⅠをいくつも勝つような超大物を出すというタイプではなく、どちらかといえばそこそこの活躍馬をコツコツ送り出す系統と言えます。その中では父マリブムーンは比較的格の高いレースを勝っている産駒を出していますね。
父 Malibu Moon(マリブムーン)の主な産駒
Orb※本馬・・・ケンタッキーダービー、フロリダダービー
Devil May Care(デビルメイケア)※牝馬・・・マザーグースS、CCAオークス(牝馬三冠レース)などGⅠ2勝
Funny Moon(ファニームーン)※牝馬・・・CCAオークス
Carina Mia(カリナミア)※牝馬・・・エイコーンS(牝馬三冠レースのひとつ)
Declan’s Moon(デクランズムーン)・・・ハリウッドヒューチュリティ(二歳GⅠ)※2004年北米2歳チャンピオン
母系
近親には母の従兄弟にトラヴァーズステークスなどGⅠを勝利したCoronado’s Quest(コロナドズクエスト:父フォーティーナイナー)がいますがこの馬ぐらいですね。
母の父Unbridled(アンブライドルド)はFappiano(ファピアノ)が産み出したケンタッキーダービー馬であり、産駒も三冠レースをはじめとした大きなGⅠレースを勝利しており、Mr Prospector系の中でもかなり底力を持った種牡馬ですね。
Cox’s RidgeやDamascusも母系に入って活躍馬を送り出しているスピードと底力を兼ね備えたタイプですが直系は発展していません。
こうして見ると母系に関してはかなり底力の高そうなかなり良質な印象を受けます。
全体的な血統的印象としては母系がスピードのある底力タイプなのですが、大物を出しにくい父系が配合されているので、父系の流れをくんでコツコツと結果を出していくようなタイプになるのではないでしょうか。
産駒の特徴と傾向
こういった牝馬に活躍馬が目立ったり平均的に産駒が走る血統の場合、身体能力を身上とする馬が多い傾向があります。
身体能力の高さは遺伝するものなので例え現役時代にパッとしなくても母系に入って残ったり母の父として大物を出すのは日本の種牡馬で言うとメジロマックイーンなどが似た例となりますが、同じように直仔となると、決め手不足で大物はどうしても出にくいのではないかと推測されます。
決して底力はないとは言えないので、上級馬はここ一番のGⅠでは勝利はするものの超大物は出にくく、あくまで条件が上手いこと重なって勝つようなタイプを送り出すでしょう。
一般的に調子のいいうちは好走するもののやや決め手に欠け2着3着は多くなるでしょうし、気性で走るタイプではないので突然馬が化けるようなタイプではないと思います。
大物は芝もこなしてくるタイプも出てくるでしょうが、あくまで一般的なアメリカ系種牡馬として捉えておいて大丈夫で、マイル前後のダートが主戦場になるでしょう。
タイプとしては強い馬相手でもそこそこ走るけど、弱い相手にもうっかり取りこぼすようなタイプであり、人気馬はちょっと怪しい感じがします。逆に大きなレースは調子のいい時や、底を見せていない馬はあくまで押さえ程度の認識で十分な感じがします。
2017年から産駒がアメリカを中心にデビューしていますが、今のところ大物が出ておらずランキングも100位前後と苦戦しています。
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