“成り上がり”Into Mischief(イントゥミスチーフ)が記録的勝利数で初のリーディングに輝く
2019年のアメリカの種牡馬の成績を例年のように振り返ってみたいと思います。
すでにご存知の方も多いと思いますが、2019年はInto Mischief(イントゥミスチーフ:父Harlan’s Holiday)が北米種牡馬で史上初の年間200勝以上(218勝)を達成し、初のリーディング種牡馬となりました。
前年4位だったイントゥミスチーフですが、このサイトで
ミスタープロスペクターの血もあまり濃くないのでアメリカだと配合しやすい種牡馬ですし、いずれリーディングサイアーもありえますね。
と書いたら、いきなり翌年にリーディング種牡馬となってしまい、僕もちょっとビックリ(笑)なんですが、今年もランキングを見ながら、アメリカ競馬界の現状と、将来を予想していきたいと思います。
※このサイトではBlood Hose社の種牡馬ランキングの順位を参考にしています。そのため対象レースや勝利数、賞金額等は北米のレース以外も対象になっていることをご了承ください。(北米とその他の地域では賞金額のカウント方式が違うようです)
Contents
- 1 “成り上がり”Into Mischief(イントゥミスチーフ)が記録的勝利数で初のリーディングに輝く
- 2 2019年北米種牡馬総合ランキング
- 2.1 1位 Into Mischief(イントゥーミスチーフ)
- 2.2 2位 Curlin(カーリン)
- 2.3 3位 Tapit(タピット)
- 2.4 4位 Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)
- 2.5 5位 Quality Road(クオリティロード)
- 2.6 6位 Hard Spun(ハードスパン)
- 2.7 7位 Medaglia d’Oro(メダグリアドーロ)
- 2.8 8位 Speightstown(スパイツタウン)
- 2.9 9位 Street Sense(ストリートセンス)
- 2.10 10位 Kitten’s Joy(キトゥンズジョイ)
- 2.11 11位 Uncle Mo(アンクルモ―)
- 2.12 12位 Candy Ride(キャンディライド)
- 2.13 13位 Scat Daddy(スキャットダディ)
- 2.14 14位 The Factor(ザファクター)
- 2.15 15位 Twirling Candy(トゥワーリングキャンディ)
- 2.16 16位 Ghostzapper(ゴーストザッパー)
- 2.17 17位 More Than Ready(モアザンレディ)
- 2.18 18位 Malibu Moon(マリブムーン)
- 2.19 19位 City Zip(シティジップ)
- 2.20 20位 English Channel(イングリッシュチャンネル)
- 3 芝限定ランキング
- 4 過去の順位
2019年北米種牡馬総合ランキング
1位 Into Mischief(イントゥーミスチーフ)
賞金総額:1,892万ドル 活躍馬:Covfefe(BCフィリー&メアスプリント、テストSとGⅠを二勝)、Mia Mischief(ヒュマナディスタフS)
ストームキャット系のHarlan’s Holiday(ハーランズホリデー)産駒となります。
昨年四位だったイントゥミスチーフですが、北米にいる馬で年間二百勝を達成したのは史上初とのことです。
2009年の種牡馬入り当初は1万2,500ドルと言われた種付け料が、2019年は15万ドル(2020年は17万5000ドル)まで上がっており、見事下克上を達成しています。元々は名牝Beholder(ビホルダー:父ヘニーヒューズ)の半弟に過ぎなかった馬ですが、最近はかなりの繁殖牝馬を集めていることもあり、長期政権となるかもしれませんね。
2019年、一番賞金を稼いだのがCovfefe(コヴフェフェ)の約105万ドルでした。
GⅠを勝った馬も二頭に過ぎないということで、2018年と同様超大物が出ているわけではないのが特徴ですが、日本のストームキャット系同様、勝ち馬率が高く、コツコツと勝利数と賞金を稼いだ結果のようです。ちなみに勝ち馬頭数77頭はThe Factor(ザファクター)と同数で1位でした。
ただ2017年から種付け頭数が250頭近くまで増えたそうなので2020年にはかなりの頭数と良血馬が出てくるので、超大物が出てくる可能性は十分あります。おそらくいずれクラシックを勝つ馬も出てくるのではないのでしょうか。
また他の傾向として芝では50勝近くしながら300万ドルしか稼いでおらず、ダートの賞金が88%を占めているので、相変わらずダート系の種牡馬のようです。北米のレース限定ども1位でしたが、芝限定では13位でした。
日本に子供が入ってきた場合はおそらくヘニーヒューズあたりのイメージでおそらく大丈夫でしょう。
産駒は主にマイル以下で活躍しており、今のところ中距離で活躍しているような感じはないですね。やはり血統的に距離延長はマイナスでしょう。
2019年の主な重賞勝ち馬
- Covfefe(コヴフェフェ):BCフィリー&メアスプリント(GⅠ、ダート7F)、テストS(GⅠ、ダート6F)、ミスプリークネスS(GⅢ)
- Mia Mischief(ミアミスチーフ):ヒュマナディスタフS(GⅠ、ダート7F)
- Engage(エンゲージ):オグデンフェニックスS(GⅡ、ダート6F)
- Owendale(オーウェンデール):レキシントンS(GⅢ、ダート8.5F)、オハイオダービー(GⅢ、ダート9F)、オクラホマダービー(GⅢ、ダート9F)、(3着)プリークネスS(GⅠ、ダート9.5F)
- Go Google Yourself(ゴーグーグルユアセルフ):ローカストグルーヴS(GⅢ、ダート8.5F)
- Comical(コミカル):シュイラーヴィルS(GⅢ、ダート6F)
ランキングの推移
総合:34位(2016年)→11位(2017年)→4位(2018年)
芝:57位(2016年)→22位(2017年)→18位(2018年)
2位 Curlin(カーリン)
賞金総額:1,540万ドル 活躍馬:Vino Rosso(BCクラシック、サンタアニタ金杯などGⅠ二勝)
名競走馬だったカーリンが再び2位にまで上がってきました。父はあのミスタープロスペクター直仔で名種牡馬としても知られるSmart Strike(スマートストライク)です。
Vino Rosso(ヴィーノロッソ)がBCクラシックなでGⅠを二勝するなど一頭で396万ドルを稼いではいますが、2019年は他にGⅠを勝った馬はいません。
ただ、重賞の勝ち馬は十一頭とTapit(タピット)の十三頭に続く数字であり、粒ぞろいなのは間違いありません。
ヴィーノロッソは前年の2018年にはGⅡを一勝しただけでイマイチ詰め切れないレースが続きましたが、2019年は一転して勝負強さを見せており、他のカーリン産駒と同様大舞台での強さと成長力はさすがという感じはしますね。
ただ、ここぞという時には負けてしまうのがカーリン産駒なので過信も禁物ではあります。このあたりはステイゴールドみたいなもんでしょうか。
芝限定だと31位まで落ち(賞金割合14%)、相変わらず強いダート志向を示しています。
イントゥ―ミスチーフよりは距離は持つほうですが、スマートストライクの系統はケンタッキーダービーと非常に相性が良く、カーリン産駒も2018年(Good Magic)と2016年(Exaggerator)に二着に入っています。これは覚えておいたほうがいいでしょう。
2019年の主な重賞勝ち馬
- Vino Rosso(ヴィーノロッソ):BCクラシック(GⅠ、ダート10F)、サンタアニタ金杯(GⅠ、ダート10F)、(2着)ジョッキークラブ金杯(GⅠ、10F、※1着入線から降着)、(3着)ホイットニーS(GⅠ、ダート9F)
- Lady Apple(レディアップル):ファンタジーS(GⅢ、ダート8.5F)、アイオワオークス(GⅢ、8.5F)、レミントンパークオークス(GⅢ、8.5F)、(3着)ケンタッキーオークス(GⅠ、ダート9F)
- Mylady Curlin(マイレディカーリン):フォールズシティハンデキャップ(GⅡ、ダート9F)、ディスタフS(GⅢ、ダート9F)
- Point of Honor(ポイントオブオナー):ブラックアイドスーザンS(GⅢ、ダート9F)
- Campaign(キャンペーン):トウキョウシティカップS(GⅢ、12F)、クーガー2世ハンデキャップ(GⅢ、12F)
- Tenfold(テンフォールド):ピムリコスペシャルS(GⅢ、ダート10F)
- Sally’s Curlin(サリースカーリン);チルッキS(GⅢ、ダート9F)
- Electric Forest(エレクトリックフォレスト):ダブルドッグデアS(GⅢ、ダート8.5F)
- Gradiator King(グラディエーターキング):ハッチソンS(GⅢ、ダート6F)
- Global Campaign(グローバルキャンペーン):ピーターパンS(GⅢ、ダート9F)
- Curlin Voyage(カーリンボヤージュ):マザーリンS(カナダGⅢ、AW8.5F)
ランキングの推移
総合:6位(2015年)→2位(2016年)→7位(2017年)→6位(2018年)
芝:33位(2015年)→47位(2016年)→68位(2017年)→45位(2018年)
3位 Tapit(タピット)
賞金総額:1,433万ドル 活躍馬:Tacitus(ベルモントS2着、トラヴァーズS2着、ケンタッキーダービー3着、ウッドメモリアルS:GⅡなどGⅡを二勝)
A.P.Indy(Seattle Slew)系のPulpitの子供です。
昨年、一昨年の5位から順位を上げてきました。さすが2014年~2016年のリーディングサイアーということで安定感は抜群です。
今年もベルモントSへの相性の良さを見せ、Tacitus(タシトゥス)が2着に入るなど、クラッシック戦線で活躍して賞金を稼ぎましたが、今年は残念ながらGⅠを勝つ馬がいませんでした。
GⅠでは好走するもののどうも大舞台で勝ちきれない馬が多く、牡馬ではTonalist(トーナリスト)に続く超大物が出てこないのは相変わらずという感じですね。
ただし重賞の勝ち馬十三頭はトップであり、種付け料(22万⒌000ドル:2020年は20万ドルに低下)に見合う結果は残しているようです。
気性が激しく日本ではアメリカの活躍を考えると、直系がパッとしない印象ですが、グランアレグリア(桜花賞)やサラス(マーメイドS)の母の父として最近存在感を放ちはじめました。このあたりはストームキャットとよく似ています。
芝限定だと2019年は14位と、近年では振るいませんでしたが毎年トップ10入りはしており、イントゥ―ミスチーフやカーリンよりは芝にも適性を見せる馬が多いですね。芝の重賞勝ち馬も目立ちます。
イマイチ大舞台で勝ちきれない牡馬に比べて牝馬に大物が多いのも特徴です。
今年19歳なので種牡馬としては晩年になってきました。
2019年の主な重賞勝ち馬
- Tacitus(タシトゥス):タンパベイダービー(GⅡ、ダート8.5F)、ウッドメモリアルS(GⅡ、ダート9F)、(2着)ベルモントS(GⅠ、ダート12F)、トラヴァーズS(GⅠ、ダート10F)、(3着)ケンタッキーダービー(GⅠ、ダート10F)
- Marconi(マルコーニ):ブルックリン招待S(GⅡ、ダート12F)
- Lake Avenue(レイクアベニュー):デモワゼルS(GⅡ、ダート9F)
- Synchrony(シンクロニー):キングエドワードS(カナダGⅡ、芝8F)、フェアグラウンズハンデC(GⅢ、芝9F)
- Souper Tapit(スーパータピット);エクリプスS(カナダGⅡ、AW8.5F)
- Silver Dust(シルヴァーダスト):マインシャフトハンデC(GⅢ、ダート8.5F)、ウェストヴァージニアガバナーズS(GⅢ、ダート8.5F)
- Dream Pauline(ドリームポーリン):ハリケーンバーティ―S(GⅢ、ダート7F)
- New York Central:メリーランドスプリントS(GⅢ、ダート6F)
- Bellavais(ベラベイ):マーシュアズリバーS(GⅢ、芝8.5F)
- Kingly(キングリー):ラホヤハンデC(GⅢ、芝8.5F)
- Wissahickon(ウィサヒコン):ウィンターダービー(英GⅢ、AW10F)
ランキングの推移
総合:1位(2015年)→1位(2016年)→5位(2017年)→5位(2018年)
芝:8位(2015年)→6位(2016年)→10位(2017年)→9位(2018年)
4位 Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)
賞金総額:1,325万ドル 活躍馬:Bricks and Mortar(BCターフ、ペガサスワールドCターフ、アーリントンミリオン、マンハッタンS、ターフクラシックS)
主にヨーロッパで走り活躍した超一流の競走馬であり、大種牡馬ストームキャットの代表産駒です。
2018年に21歳で死亡(1997- 2018)していますが、最後の最後に出てきた超大物Bricks and Mortar(ブリックスアンドモルタル;日本で種牡馬入り)がペガサスワールドカップターフなど芝のGⅠを5勝(一頭で673万ドルを稼いでいます)したことにより、前年の19位から一気にランクアップしてきました。
芝限定だとアメリカが誇る芝のトップ種牡馬Kitten’s Joy(キトゥンズジョイ)を押しのけて2019年の1位です。
直系がアメリカ国内で活躍することの多いストームキャット系の中ではヨーロッパで通用するタフさを持ち合わせており、距離に対する融通性を持ち合わせます。
2019年こそ芝で稼いでいますが、元々は条件や地域を問わずダートでもGⅠホースも出しています。
日本だと他のストームキャット系種牡馬に比べるとスピード感が薄れてスタミナに寄っているような気がしますね。
2009年、2010年にはリーディングに輝いたことがあり、種牡馬としても超一流でした。
5位 Quality Road(クオリティロード)
賞金総額:1,321万ドル 活躍馬:City of Light(ペガサスワールドC)、Bellafina(サンタアニタオークス)、Road Ster(サンタアニタダービー)、Dumbar Road(アラバマS)
Gone West(Mr Prospector)系のElusive Quality(イルーシヴクオリティ)産駒となります。
2018年の7位から自己最高の5位に順位が上がりました。
2006年生まれと、アメリカの上位種牡馬の中では比較的若い種牡馬ですが、種付け料がすでにトップ種牡馬として実績のあるタピットと同じ20万ドルというエリート種牡馬です。
四頭がGⅠを勝利していますが、2019年では単独1位となります。例年のスタッツを見てもGⅠホースの排出率は非常に高い部類です。
産駒はGone West(ゴーンウエスト)系らしく、スピード馬が多いのが特徴で、7F~9Fあたりで活躍していますね。
また特徴としては成績が非常に安定しており、GⅠを勝ちはするもののどちらかと言えば二着三着の多い善戦タイプです。この血が入っている産駒は日本に入ってくるとより顕著な傾向になっていますね。
昔からイルーシヴクオリティの血が入ると、父系母系に関わらず、日本ではGⅠを勝ちきるまでの底力に欠ける馬が多いですね。
6位 Hard Spun(ハードスパン)
GⅠホースが三頭でたことにより2018年の22位から一気に自身最高の6位に入りました。2019年はSpun to Run(スパントゥラン)がBCダートマイルを勝利しています。
勝ち馬頭数の72頭は総合では3位に入り高い勝ち馬率が目立ちますが、これは例年の傾向のようです。
ダンジグ×ゴーンウエストという配合がしめすとおり短距離馬が多いです。
2014年に一年だけ日本で供用されています。
7位 Medaglia d’Oro(メダグリアドーロ)
ダートをこなせるサドラーズウェルズ系種牡馬として珍しいメダグリアドーロですが、今年も7位に入り、その実力を示しています。
2019年はHigher PowerがBCクラシックで3着(他にパシフィッククラシックS勝ち)、Cambier ParcがGⅠ二勝するなど活躍しました。
7位(2015年)→2位(2016年)→4位(2017年)→12位(2018年)と毎年安定していますが、圧倒的に牝馬に大物が多いですね。
同じエルプラド産駒のキトゥンズジョイと同様、祖父のサドラーズウェルズぽさを感じないので、別物と考えておいたほうがいいでしょう。
8位 Speightstown(スパイツタウン)
Gone Westの直仔。
2018年は15位も2015年の以来の一けた順位です。
高い勝ち馬率が持ち味ですが、これはアメリカのスピード型種牡馬には多い傾向ですね。
アメリカでは中距離をこなす馬がいますが、日本ではリエノテソーロ、マテラスカイ、モズスーパーフレアという面子を見て分かるようにスプリンター型に出ています。
ただ時計勝負というよりも少し力がいる馬場が得意のようです。
毎回力を出し切りますが、実力以上の走りはしないタイプですね。
9位 Street Sense(ストリートセンス)
アメリカでは珍しいMachavellian(マキャベリアン)の系統です。
2019年McKinzie(マッキンジー)の活躍により2018位の16位からトップ10入りしてきました。
マッキンジーははGⅠ勝ちがホイットニーSのみながらBCクラシック(2着)も含めてすべてのレースで一番人気となっておりアメリカ競馬の中心にいた馬で約220万ドルを稼いでいます。
2013年の一年だけ日本で供用されていますが、自身も含めて全体的にはここぞという時に勝ちきれないという感じですね。
最近僕が非常に注目している種牡馬です。
10位 Kitten’s Joy(キトゥンズジョイ)
前年のリーディング種牡馬(2013年にも首位に輝いている)で、アメリカでの芝系種牡馬として圧倒的な成績を誇るキトゥンズジョイですが2019年は10位に終わっています。
2018年はロアリングライオン(Roaring Lion)、ホークビル(Hawk Bill)という大物がいたんですが、2019年は一番稼いだのがHenley’s Joy(ヘンリーズジョイ)の約72万ドルというのが痛かったですね。
超大物というよりもコンスタントに粒ぞろいの馬を送り出すタイプなので、大崩れがないのが特徴です。
ただ、後継と目されていた大物ロアリングライオンが供用一年で亡くなったというニュースは非常にショックでした。
個人的には日本に非常に合う種牡馬だと僕は思っています。
イメージとしては直系のサドラーズウェルズというよりも母系にあるロベルトのイメージで買うとしっくりくるタイプの馬が多いですね。
メダグリアドーロと同じサドラーズウェルズ系のエルプラド産駒です。
11位 Uncle Mo(アンクルモ―)
カロ(グレイソブリン)系の種牡馬。
2015年に産駒がデビューした比較的若い種牡馬ですが、2018年の13位からさらに順位を上げてきました。(ちなみに2016年はナイキストという超大物のおかげで3位に入っています)
Mo Forza(モーフォルツァ)がハリウッドダービー(GⅠ)、Bast(バスト)が二歳GⅠを三勝していますが、ナイキストも含めて考えると勝率が何となく高い種牡馬ですね。
さすが好調時は圧倒的な強さを見せるグレイソブリン系といったところでしょうか。
2018年は13位。種付け料は12万⒌000ドルの有力種牡馬です。
12位 Candy Ride(キャンディライド)
Fappiano(Mr Prospector)系。
2018年の2位から急降下も、この年はGun Runner(ガンランナー)が賞金の4割近くを稼いでいたのでしかたないですね。
ダート型の種牡馬です。
GⅠの勝ち馬は一頭のみでしたが、重賞を九頭が制しています。
13位 Scat Daddy(スキャットダディ)
ストームキャット系。
この馬も2018年は3位と上位でしたが、Justify(ジャスティファイ)など超一流馬の引退により下降しています。
すでに2015年に亡くなっていますが、ヨーロッパで産駒が活躍するなど万能性があります。
2019年は重賞の勝ち馬が八頭います。
14位 The Factor(ザファクター)
ダンジグ系のWar Front(ウォーフロント)産駒。
2018年の29位から一気に順位を上げてた新進気鋭の種牡馬です。
重賞を勝った馬は二頭しかしませんでしたが、勝ち馬頭数77頭はイントゥ―ミスチーフと同数の1位でした。
2018年に一年だけ日本にリース(種付け料200万円)されていますが、100頭近く産駒がデビューを控えています。
2020年1月現在、日本に持ち込まれた産駒が四頭いますがうち三頭が複数勝利を挙げ、残り一頭は中央未勝利ながら地方にいって7勝を挙げている面白そうな種牡馬です。
個人的にはサウスヴィグラスやヘニーヒューズみたいなタイプに出るのでではないかと思います。
ダート6Fで1分6秒98という記録を持っているスピード馬です。
15位 Twirling Candy(トゥワーリングキャンディ)
12位に入っているキャンディライド産駒です。
ザファクターと同様2017年の48位、2018年の46位から順位をあげてきました。
芝限定だと10位ですがConcrete Rose(コンクリートローズ)が一頭で100万ドルを稼いでいるので基本的にはダート系の種牡馬だと思われます。
2007年生まれの比較的若い種牡馬です。
16位 Ghostzapper(ゴーストザッパー)
Vice Regent(ヴァイスリージェント)系のAwesome Again(オーサムアゲイン)産駒。2018年は14位。
2000年生まれの種牡馬です。兄City Zip(シティジップ)も種牡馬として活躍しました。
2004年のBCクラシックをレコード勝ちし、その年のエクリプス賞(北米)年度代表馬に輝いた名馬です。十一戦してGⅠ四勝を含む九勝を挙げていますが、いずれも圧勝しておりかなりインパクトのある勝ち方をしています。
ただ現役時代ほどの種牡馬成績はあげられず、当初20万ドルだった種付け料は5万ドルまで下降したこともあり、現在は8万⒌千ドルのようですね。悪くはないのですが、期待が大きかっただけこの順位では成功したとは言いにくいですね。
ヴァイスリージェント系なだけに母の父としては成功すると思いますが、実際に三冠馬ジャスティファイの母の父となっています。
日本ではギベオン(中日新聞杯、NHKマイルC二着)の母の父です。
17位 More Than Ready(モアザンレディ)
父は日本でも一年だけ供用されたことのあるサザンヘイロー(父Halo)です。
2018年の8位から順位を落としてきましたが、ヘイロー系らしく芝のレースも走れる種牡馬ですね。
ただ日本ではサザンヘイローの系統から結果があまり出ていません。
18位 Malibu Moon(マリブムーン)
名種牡馬A.P.Indy(エーピーインディ)の直仔です。
1997年生まれの高齢馬ですが、2017年の8位、2018年の11位からいまだに20位以内に踏みとどまっています。しかもこの年は重賞の勝ち馬が一頭のみなのでさすがの安打製造機ぶりです。
良血馬ですが、現役時代は1勝したのみで種付け料は3000ドルスタートしたというエピソードの持ち主です。
2020年も6万ドルの種付け料というアナウンスがあるので種牡馬としてはまだ現役のようです。
19位 City Zip(シティジップ)
ミスタープロスペクター直仔のCarson City(カーソンシティ)産駒で16位のゴーストザッパーの二つ年上の兄。
競走馬としては弟のほうが上でしたが、種牡馬実績としてはこちらのほうが上です。
2018年は18位ですが、2017年にすでに亡くなっています。
20位 English Channel(イングリッシュチャンネル)
カーリンと同じスマートストライク産駒です。
カーリンと同じく現役時代は大活躍した名競走馬ですが、産駒は自身と同様芝のレースを得意(カーリンは逆にダートが主体)としています。
数年前は芝限定ランキングでのみ上位にくる種牡馬だったんですが、2018年に続いて20位に入ってきました(2018年は17位)。
芝限定ランキング
芝レースに限定すると以下のとおりになります。
1位 Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)
総合4位。芝の賞金比率は81%でしたが、芝のGⅠを5勝したブリックスアンドモルタルが芝の賞金の七割近くを稼いでいます。
2位 Kitten’s Joy(キトゥンズジョイ)
毎年芝レースでは圧倒的だったキトゥンズジョイも2019年は2位に陥落しました。
総合10位。芝の賞金比率は78%ですが、やはり完全な芝型の種牡馬です。
3位 English Channel(イングリッシュチャンネル)
総合20位も芝ランキングでは3位に浮上してきました。
賞金比率でも84%と完全に芝レース向きですね。
4位 More Than Ready(モアザンレディ)
総合17位。芝比率は63%。
5位 Scat Daddy(スキャットダディ)
総合13位。芝比率は63%。