2018年アメリカ(北米)種牡馬ランキング

投稿者: | 2019年2月2日


2018年の日本の競馬界(JRA)の種牡馬事情を振り返ると、相変わらずディープインパクトを中心にまわったわけですが、ロードカナロアが初年度産駒から”新たなる怪物牝馬”アーモンドアイやステルヴィオなどのGⅠホースを送り出し、ハービンジャーも昨年以上に存在感を発揮するなど、次世代のリーディングサイアー候補も少しづつ現れ始めた状況でしたね。

かたや海外に目を向けるとヨーロッパはガリレオが圧倒的強さを誇っていますが、賞金額に格差の大きいアメリカでは相変わらずの混戦模様でした。

昨年もアメリカ(北米)の種牡馬ランキングを振り返ってみましたが、今年も2018年のアメリカ種牡馬事情を振り返ってみたいと思います。

※アメリカ(北米)の種牡馬ランキングには様々な基準やカウント方法が存在しますが、このサイトではBLOOD HORSE(※)の総合ランキングのデータをベースにお送りします。:アメリカのレースだけでなく世界中のレースがカウント対象になっており、アメリカで繋養されている種牡馬(アメリカでの生産馬)なら世界中のレースが対象(ただ国よって係数が存在)となっています。アメリカ以外で繋養されている種牡馬であれば、北米のレースに出走したものが対象となっているようです。(すみません正確ではないかもしれませんが、確かこんな感じだったはずです)

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Contents

2018年種牡馬北米総合ランキング

1位 Kitten’s Joy(キトゥンズジョイ)

賞金総額:1,865万ドル 活躍馬:Roaring Lion(ロアリングライオン:2018年ヨーロッパ年度代表馬、クイーンエリザベス2世Sなど英GⅠを4勝)、Hawkbill(ホークビル:ドバイシーマクラシック)

El Prado(Sadllers Wells)の系統。2017年は総合3位(芝1位)

芝のレースでは抜群の安定感を誇る堅実派

2018年の北米リーディングサイアーは昨年3位(芝限定だと1位)だったKitten’s Joy(キトゥンズジョイ)が接戦を制して、2013年以来の二度目となる首位となりました。

稼いだ賞金のうち約8割が芝でのレースというのは相変わらずなんですが、芝限定だと2013年から連続の1位になります。

また実際は2018年のヨーロッパの年度代表馬(カルティエ賞)に輝いたロアリングライオンやホークビルなどヨーロッパ(ドバイも含む)での獲得賞金が800万ドルがカウントされるなどアメリカ大陸以外での活躍も目立ち、北米のレース限定だと9位まで順位が落ちます

ただ、これはどんな条件でも芝のレースであればどこでも走るということですので、この万能性こそがこの種牡馬の魅力でしょう。

日本ではジャンダルムとダッシングブレイズが走ってましたね。

このブログでも分析したように超大物というよりも1着かサクっと負けるかはっきりとしたレース結果になるというのはやはり産駒全体を見ても共通していました。

Kitten’s Joy(キトゥンズ ジョイ)産駒の特徴と傾向

ホームラン(大物)タイプというよりもどの馬も安定して走る安打製造機という感じの種牡馬ですね。勝つべくレースにしっかりと勝って、相手が強いときっちり負けてくれる馬券的には美味しい馬ですね。

サドラーズウェルズの系統なんですが、産駒の傾向などを見ると個人的には母の父ロベルトの影響が強いのかな?と思います。そう考えると妙にしっくりくる馬が多くいます。

2018年の稼ぎ頭はホークビルで一頭で390万ドル稼ぎ出しています。

2位 Candy Ride(キャンディライド)

賞金総額:1,797万ドル 活躍馬:Gun Runner(ガンランナー:ペガサスワールドカップ)、Game Winner(ゲームウィナー:BCジュヴナイルなど二歳GⅠを計三勝)

Fappiano(Mr Prospector)の系統。2017年は総合2位(芝12位)

2位は昨年と同様キャンディライドですが、2018年もガンランナーの影響が大きかったと言えます。

ペガサスワールドカップ一戦のみでの賞金が700万ドルなので、この馬を取り除くと一気に順位が低下していますが、2015年、2016年はいずれも一けた順位だったので2019年はどこまで踏ん張れるかは注目です。

二歳チャンピオンとなったゲームウィナーがいるので2019年はこの馬がどこまで頑張ってくれるかもポイントになりそうですね。

産駒の傾向を調べるとダートの賞金構成率が九割近くを占め、芝への対応力は少し疑問が残ります。

元々キャンディライド自身はアルゼンチンの生産馬であり、優れたスピードを持っていた馬のようです。

産駒も同様に1800m以下での実績が目立ちますね。

3位 Scat Daddy(スキャットダディ)

賞金総額:1,571万ドル 活躍馬:Justify(米クラシック三冠)、Mendelssohn(UAEダービー:GⅡ)

父は日本で繋養されているヨハネスブルグでStorm Cat(ストームキャット)の系統。2017年は総合6位(芝2位)

大物感には欠けるものの日本で安定した成績を残しているヨハネスブルグがアメリカ時代に残してきた種牡馬です。残念ながら2015年に11歳の若さで急死しています

2018年は無敗の米三冠馬Justify(ジャスティファイ)を送り出しましたが、この年のケンタッキーダービーにはUAEダービーを圧勝したMendelssohn(メンデルスゾーン)も含めた計四頭の産駒を送り込むなど存在感を放ちました。

ヨハネスブルグの系統らしく2歳時から強さを見せますが、芝でのランキングでも4位(賞金額の38%)に入り、ヨーロッパでも結果を残すなど、オールラウンド型の種牡馬と言えます。

4位 Into Mischief(イントゥーミスチーフ)

賞金総額:1,388万ドル 活躍馬:Audible(フロリダダービー)

ストームキャット系のHarlan’s Holiday(ハーランズホリデー)の直仔になり、妹にGⅠ11勝の名牝Beholder(ビホルダー:父ヘニーヒューズ)、弟はUAEダービーを勝ったMendelssohn(メンデルスゾーン:父スキャットダディ)がいる良血馬です。

現役時代は故障もあり六戦三勝(3-3-0-0)の成績でしたがGⅠ(キャッシュコールヒューチュリティ:現在はGⅡに格下げ)を勝っています。

代表産駒にはBCマイルを二連覇したGoldencents(ゴールデンセンツ)がいますが、2018年はAudible(オーディブル)がフロリダダービーで唯一GⅠを勝利したのみにとどまり(ケンタッキーダービーは三着)、今のところいまいち大物感には欠けます

しかしながら稼ぎ頭のオーディブルが110万ドルしか稼いでいないのに4位に入るなど産駒は粒ぞろいであり、勝ち馬にはたくさんのステークスウィナーがいます。(この頃に種付けされた馬たちはそれほど種付け料が高くなかったのでしょうがないかもしれません)

安定した産駒を送り出したことや父ハーランズホリデーが死亡した影響もあり、種牡馬入り当初は7500ドルだった種付け料はなんと2019年には15万ドルまで高騰しています。

芝のランキングだと18位まで落ち込み(賞金割合だと17%)、ダート型の種牡馬となりますが、産駒はスプリントやマイル戦で結果を残しており、距離が長くなると詰めが甘くなる傾向にあるようです。

種付け頭数は年々増え続け、2016年は34位、2017年は11位と順調に順位を上げていますが、牝馬の質が上がってきた今後は超大物が出てくる可能性は十分あります

ミスタープロスペクターの血もあまり濃くないのでアメリカだと配合しやすい種牡馬ですし、いずれリーディングサイアーもありえますね。

5位 Tapit(タピット)

賞金総額:1,286万ドル 活躍馬:Unique Bella(ビホルダーステークスなどGⅠ二勝、2018年チャンピオン古馬牝馬)

A.P.Indy(Seattle Slew)系のPulpitの子供です。

昨年と同様5位でしたが、30万ドルと言われた種付け料はさすがに22万⒌000ドルに下がっているようです。

かつてのリーディングサイアーであり産駒はよく走るんでしょうが、実績的には超がつく大物があまりおらず少しディープインパクトのような感じにはなっていますね。

今年も粒ぞろいではあったようですが、クラッシックやブリーダーズカップなど一線級のレースで勝つ馬がだせず、個人的には評価の難しい馬だと思います。

武豊騎手などによるとこの馬の血を引く子供はかなり気性が激しいとコメントしていますね。

ベルモントステークスとの相性がいいようです。

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6位 Curlin(カーリン)

Smart Strike(Mr Prospector)の系統。

2015年は6位、2016年は総合2位、2017年は7位で今年もトップテン入りを果たしましたが、現役時代の戦績(ドバイワールドカップやプリークネスSなどGⅠ七勝。2007、2008年の年度代表馬)を考えるとこれぐらいでは満足できないところですね。

芝限定だと45位まで順位が落ちます(賞金割合は全体の12%)が2017年も芝限定だと68位だったように、自身と同様ダート向き種牡馬なのかもしれません。

Smart Strike(スマートストライク)の系統はケンタッキーダービーとの相性がいいことで有名なのでそのうち勝つ馬も出てくるかもしれませんね。

2018年はGood Magic(グッドマジック)がケンタッキーダービーで二着に入った他、ハスケス招待S(GⅠ)を制しています。

今のところ大舞台になるとコロッと負ける産駒が多い印象がありますね。

7位 Quality Road(クオリティロード)

Gone West(Mr Prospector系)のElusive Quality(イルーシヴクオリティ)の子供。

2017年は10位でしたが2018年は一けた順位に上げてきました。

2018年にBCマイルを勝ったCity of Light(シティオブライト)が2019年に入りいきなりペガサスワールドカップに勝利するなど、さらなる上位入りが予想されます。

2018年は他に二歳牝馬のBellafina(ベラフィナ)がGⅠを二勝しています。

8位 More Than Ready(モアザンレディ)

サザンヘイロー(Halo)の系統です。

Roy Hが二年連続チャンピオンスプリンターに選ばれる活躍をするなど、2017年の15位から順位を上げてきました。

他にもCatholic Boy(カトリックボーイ)は芝(ベルモントダービー)とダート(トラヴァーズステークス)の両方でGⅠに勝っています。

9位 Lookin At Lucky(ルッキンアットラッキー)

Smart Strike(Mr Prospector)の系統

2016年は52位、2017年は25位から一気に順位を上げてきましたが、理由は明白、Accelerate(アクセラレイト)がGⅠを5勝して賞金の半分近い500万ドルを稼いだせいです。

この馬もスマートストライクの系統なのでケンタッキーダービーなどでは注意が必要です。

10位 Flatter(フラッター)

A.P.Indyの直仔でありSeattle Slew系になります。

2016年は17位、2017年は21位でしたがトップテン入りをしてきました。

ただ、代表産駒のWest Coast(ウエストコースト)が賞金の四割近くを稼いでいる(と言っても2018年は未勝利。ペガサスワールドカップとドバイワールドカップの二着の賞金がデカい!)もののGⅠの勝ち馬はいませんでした。

おそらく2019年は落ちてくるような気がしますね。

11位 Malibu Moon(マリブムーン)

A.P Indyの直仔ですがすでに22歳と高齢です。

2017年は8位、2016年は13位、2015年は10位と毎年安定した成績を残しています。

12位 Medaglia d’Oro(メダグリアドーロ)

キトゥンズジョイと同じくEl Prado(Saddlers Wells)の血をひくMedaglia d’Oroです。

2016年は総合7位、2015年は2位の大物種牡馬ですが、昨年は4位(芝限定でも4位)のあと、2018年はトップテンから陥落してしまいましたね。

芝限定でも17位と今年は大舞台での活躍があまり見られませんでした。

元々牝馬に大物が多い種牡馬です。

キトゥンズジョイよりはダートへの適性が見られます

13位 Uncle Mo(アンクルモ―)

最近のアメリカの上位種牡馬には珍しいカロ(Grey Sovereign系)の血を引く種牡馬となります。

2015年に産駒がデビューしたあと第一世代のなかからNyquist(ナイキスト)が出て、2016年いきなりの3位。2017年はナイキストが引退していたため17位に落ちましたが、2018年は順位を戻してきました。

ナイキストに続く大物の出現が待たれますが、アメリカ国内では非主流血統(シアトルスルーやミスプロ系)を持たない種牡馬として期待されているようです。

14位 Ghostzapper(ゴーストザッパー)

Deputy Minister(Vice Regent)の系統であり、名馬Awesome Againの仔。

2017年は9位でしたが、2016年20位、2015年17位であったようにこのあたりのランキングの種牡馬ですね。

当初は20万ドルと言われた期待された種牡馬ですが、今は完全に中堅の種牡馬ですね。

この系統らしく牝馬に活躍馬が目立ちますね。

15位 Speightstown(スパイツタウン)

Gone West(Mr Prospector)系種牡馬。

ここ三、四年は15位から20位あたりをウロウロしている種牡馬ですが、2013年は2位に入るなど上位に行くポテンシャルのある種牡馬です。

自身も一流のスプリンターだったように、産駒もスピードを武器としている馬が多く、日本で走るリエノテソーロやマテラスカイを見ていると大体のイメージが想像できるかと思います。

勝ち上がり率が優秀で、おそらくは単純なスピードを一番の武器にしているタイプなんでしょうね。

こういったタイプは下級条件で勝って、一流のレースで消してうま味のある種牡馬ですね。

16位 Street Sense(ストリートセンス)

父はStreet CryでMachiavellian(マキャベリアン)の系統。

2014年に一年だけ日本で供用されましたが、産駒がアメリカで活躍したことによりすぐにアメリカに帰っていきました。

ただ、2017年は37位、2016年は32位にとどまっておりアメリカに帰ってからの成績はパッとしないようです。

17位 English Channel(イングリッシュチャンネル)

2017年は33位、2106年は53位。

18位 City Zip(シティジップ)

2017年は13位、2016年は11位で少しづつ順位を下げています。

2017年死亡。

19位 Giant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)

ストームキャットの代表産駒であり、ヨーロッパでGⅠ六勝しただけでなく引退レースのBCクラシックでも二着に入った名馬です。

2017年は16位、2016年は10位でしたが、2009年と2010年にアメリカのリーディングサイアーになったように種牡馬としても地域を問わず活躍馬を送り出し、大成功しました。

2018年に21歳で死亡しています。

20位 Midnight Lute(ミッドナイトリュート)

2007年の最優秀スプリンター。

2017年は39位からジャンプアップしています。2016年は54位。

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芝限定ランキング

1位 キトゥンズジョイ

総合ランキング1位のKitten’s Joyが芝でも1位でした。芝レースが占める賞金比率も81%と相変わらず高いですね。

2位に250万ドル近く差をつけており、芝だと圧倒的な存在ですね。

2018年はアメリカでSaddlers Joy(サドラーズジョイ)やOscar Performance(オスカーパフォーマンス)、ヨーロッパ・ドバイでHawkBill(ホークビル)が活躍していますね。

2位 イングリッシュチャンネル

2017年は芝限定では5位(総合33位)だったイングリッシュチャンネルが2位に来ています。総合でも17位と昨年より順位を上げていますね。

ちなみに芝の賞金割合は76%となっています。

カーリンなどを送り出したスマートストライクの系統です。

3位 モアザンレディ

総合でも8位(2017年は15位)だったMore Than Rreadyが3位(同6位)に来ていますが、芝レースの割合は48%となっています。

芝のレースではCatholic Boy(ちなみにダートGⅠであるトラヴァーズSも勝っている)とUni(ユニ)がGⅠを勝っていますね。

4位 スキャットダディ

総合ランキングでも3位だったスキャットダディが芝限定でも4位に入っています。芝レースの割合は38%。

ストームキャット系。

5位 War Front(ウォーフロント)

総合ランキングでは23位でしたが、芝の割合が80%を占めるように芝限定ランキングだと5位まで上がってきています。

2017年の芝ランキングでも3位(総合14位、芝の割合は88%)に入っているように芝系の種牡馬ですね。

ダンジグ直仔。

6位 ジャイアンツコーズウェイ

総合19位。芝の割合は47%。

7位 The Factor(ザファクター)

総合29位。芝の割合は49%。

2008年産の若い種牡馬となります。

現役時代はマリブSなどGⅠを二勝。マイル以上では凡走しており、短距離馬でした。

ダンジグ系ウォーフロント産駒で父と同じく芝系の種牡馬になりそうですね。

2018年はリース種牡馬として日本でも種付けを行っています。種付け料は200万円。

2017年は総合83位(芝48位)だったのでかなりのジャンプアップですね。

8位 シティジップ

総合18位。芝の割合は40%。

9位 タピット

総合5位。芝の割合は25%。

シアトルスルー系。

10位 Artie Schiller(アーティーシラー)

総合54位(2017年は89位)。芝の割合は60%。

キトゥンズジョイと同じくサドラーズウェルズ系のエルプラド産駒です。

2005年のBCマイルを制しています。(GⅠは一勝のみ)

2017年は芝限定だと24位でした。

2017年のランキング

2017年アメリカ(北米)種牡馬ランキング

 

 

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