Gone West(ゴーンウェスト)系の種牡馬の現状

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日本に持ち込まれる外国産の馬などを見ていると、個人的に最近特に気なるのがGone West(ゴーンウェスト)の系統です。

ゴーンウェストはMr Prospector(ミスタープロスペクター)の子であり、Raise a Native(レイズアネイティヴ)、Native Dancer(ネイティブダンサー)とさかのぼるわけですが、20年前だとネイティヴダンサーやミスタープロスペクターという名前を聞くだけで、早熟の単調なスピードタイプという括りで片づけられましたが、最近は日本競馬のレースの質もかわったり種牡馬も代を経ることでその傾向も変わっています。

かつて長距離レースの権化ともいうべき実績を誇っていたSaddlers Well(サドラーズウェルズ)の系統が、マイルのレースやアメリカ競馬に対応しているのがいい例ですが、今回はゴーンウェストの系統が現在どのような発展を遂げ、どのような産駒の傾向を示しているのか調べてみることにしました。

 

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Gone Westの血統

Mr.Prospector
1970 鹿毛

父の父

Raise a Native
1961 栗毛

Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
父の母

Gold Digger
1962 鹿毛

Nashua Nasrullah
Segula
Sequence Count Fleet
Miss Dogwood

Secrettame
1978 栗毛

母の父

Secretariat
1970 栗毛

Bold Ruler Nasrullah
Miss Disco
Somethingroyal Princequillo
Imperatrice
母の母

Tamerett
1962 黒鹿毛

Tim Tam Tom Fool
Two Lea
Mixed Marriage Tudor Minstrel
Persian Maid

父は言わずと知れた大種牡馬ミスタープロスペクターで、産駒は主にアメリカで大活躍しており、優れたスピードとパワーで世界中でその血は発展しています。アメリカ競馬史上でも最高と言っていい種牡馬でしょう。Miswaki(ミスワキ)のように長距離を得意としている系統もありますが、基本的には2000m以下でスピードを活かしたレースを得意とする産駒が多いですね。

母系はアメリカの三冠馬Secretariat(セクレタリアト)にTom Fool(トムフール)系のTim Tam(ティムタム)という配合ですが、どちらも名がつく競走馬だったものの、自身の現役時代のような産駒に恵まれておらず、直系として成功はしていません。

しかしながらセクレタリアトは母系に入って底力とスタミナを感じさせる産駒が出しており、どちらかと言えば失敗と思われた種牡馬生活も時間がたち評価されています。母の母の父ティムタムは聞きなじみがありませんが、ケンタッキーダービーとプリークネスステークスを制しベルモントステークスに2着に入ったほどの名馬であり、ゴーンウェストの母は当時で言えばかなりの良血扱いだったことでしょう。

総合すると父からは優れたスピードとパワー、母系は現代的なスピードには少し欠けますが、圧倒的な底力とスタミナを受け継いでおり、日本向きとは言い難いもののバランスの良さは感じます。

競走成績

通算17戦6勝(6-4-2-5)。三冠レースはベルモントステークスのみ出走しており6着に入っていますが、それまでのレースはマイルから9Fのレースを使われており、マイラーと見られていたことが分かります。主なGⅠ勝鞍はドワイヤーステークス(ダート9F)のみであり、一般競走を除くと大崩れはないものの12戦3勝とパッとせず、一流馬とは言えなかったようです。

この成績で種牡馬入りできたのもやはりミスタープロスペクター産駒としてのブランド力があってのものでしょうね。

代表産駒とその後継馬の状況

Zafonic(ザフォニック)

母の父:The Minstrel(その父Northern Dancer) 1990年産

1992年のカルティエ賞(ヨーロッパ最優秀)2歳牡馬。英2000ギニーを勝利しており6戦4勝。初年度産駒からXaar(ザール:ディハーストステークス勝ちなど)を出したが、日本で走ったザカリヤ(ニュージーランドT4歳S)、ルゼル(青葉賞)などと同様3歳の春以降はパッとしない産駒が多いですね。

Mr Gleeley(ミスターグリーリー)

母の父:Reviewer(その父Bold Ruler) 1992年産

アメリカで走り17戦6勝2着二回。日本ではベストウォーリア(父マジェスティックウォリアー)の母の父として有名ながら、直系は活躍馬が出せていません。海外でも英・愛1000ギニーを制したフィンスシアル ビオがいるぐらいであまり大物がいませんね。現役時代はBCスプリントで2着に入ったことがあるもののG3を勝っただけです。

母系は母の父がBold Ruler系のReviewerにダンサーズイメージという配合で父Gone Westと似たような配合になっています。

Elusive Quality(イルーシヴクオリティ)

母の父:Hero’s Honor(その父Northern Dancer)1993年産

現在のゴーンウェスト系を支える種牡馬の代表であり2004年には北米リーディングに輝いています。

現役時代は20戦9勝2着三回といった成績ですが、GⅠでは通用せずGⅢ勝ちが二回あるのみで、ダートから芝レースに方針転換してから成績を残し始めています。距離に対してはあまり融通性がなかったようで、負ける時は大敗しているようですが、当時の芝1600mの世界レコードをたたき出しており、その才能の片りんは見せていたようです。

産駒にはタワーオブロンドンの父であるRaven’s Pass(BCクラシック、クイーンエリザベス2世S)やSmarty Jones(ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、2着ベルモントステークス)など超大物などの他、多数の活躍馬を送り出しています。

当初は1万ドルだった種付け料も全盛期は10万ドルまで値上がりしたそうです。距離は短いほうがいいようですが、一流馬はある程度距離をこなせていますね。

しかしながら気になる情報としてこのイルーシヴクオリティの代表産駒であるSmarty Jonesは種牡馬入り後はパッとせず、お父さんとは逆に10万ドルでスタートした種付け料が7500ドルまで落ち込んでいます。またヨーロッパ組のRaven’s Passは日本でタワーオブロンドン(京王杯2歳ステークス、3着:朝日杯FS)を出しているもののGⅠを勝つような大物がおらず底力に欠ける印象ですね。

現在はフロリダダービーなどGⅠを4勝したQuality Road(母系はNijinsky系)が種牡馬として活躍しており、アメリカのみならず直系はこの馬がいかに大物を出すかにかかりますね。

Zamindar(ザミンダール)

母の父:The Minstrel 1993年産。

前述のZafonicの全弟になりますが、通算成績は7戦2勝でGⅢ勝ちと英2000ギニーの6着が目立つぐらいです。

ただ種牡馬としての成績はこちらのほうがよくフランス1000ギニーの勝ち馬を三頭も出しており、かなり存在感を放ちます。特に代表産駒Zarkava(ザルカヴァ)は凱旋門賞などを勝ち2008年のヨーロッパの年度代表馬にも輝いています。よく距離がもったなという感じはしますが、この馬の母系はNijinsky系とMill Reef系が配合されており、さすがにスタミナが補完されていますね。

Speightstown(スパイツタウン)

母の父:Storm Cat 1998年産

2004年のBCスプリントの勝ち馬であり、その年のエクリプス賞(北米)チャンピオンスプリンターに選ばれています。通算成績はほぼ7F以下を走り16戦10勝(ただし、GⅠは二回しか走ってない)。この系統にしてはめずらしく5歳まで走り安定した成績を残しています。

2017年の種付け料は10万ドルと一定の評価はされているようです。BCマイルの勝ち馬を出すなど、ミスターグリーリーより少し距離がもって底力もあるようですね。2013年の芝ランキングではめずらしく2位に来ていますが基本的にダートのほうが得意のようですね。

主な産駒

アメリカではマイル以下のダートを中心にして活躍する馬を輩出していますが、一線級から少し落ちるレースへの出走が目立ちますね。

Tamarkuz(タマークズ)・・・BCマイル(GⅠ、ダート1600m)、Benner Island・・・エイトベルズS(GⅢ、ダート1400m)、3着 エイコーンステークス(GⅠ、ダート1600m)、リエノテソーロ・・・全日本2歳優駿

まとめ

今回ゴーンウェストの系統について改めて調べてみましたが、印象としては当初の予想通り底力に欠ける早熟傾向の馬が多いことを確認しました。

また他に気になった点としては思ったより距離が持たないなという印象です。一流馬は距離がこなせる傾向にあるようですが、総じて言えることは母系の距離適性を反映している馬が多いということです。元々ゴーンウェスト自身がノーザンダンサーの血を持たないため、ノーザンダンサー系の種牡馬との相性がよく、基本的には距離が持たないものの母系にスタミナの血があればこなせる場合もあるという認識程度で大丈夫でしょう。

時に大物が出てくるものの、基本的に産駒は3歳春まで、距離は1400m前後がベストでGⅠでは足らないGⅢまでの馬というのが結論となります。

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