Galileo(ガリレオ)産駒の特徴と傾向

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今週行われる第37回ジャパンカップではアイルランドのオブライエン厩舎からIdaho(アイダホ)が参戦します。そこで今回はこのIdahoの父である世界的な種牡馬Galileoがどんな産駒を送り出しているのか考察してみたいと思います。

父Sadler’s Wells、祖父Northern Dancerを超える大種牡馬

Idahoの父Galileoは、今やヨーロッパでも不動のリーディングサイヤー(イギリス・アイルランド種牡馬ランキングで昨年まで7年連続1位!)ですが、今年の凱旋門賞の出走馬を見ても18頭(サトノダイアモンドなど日本馬が二頭いたので実質16頭)中6頭がGalileoの子供ということで、僕も驚きました。

かつてGalileoの父であるSadler’s Wellsや祖父のNorthern Dancerもヨーロッパを中心に活躍馬を送り出し大種牡馬となりましたが、二頭とも地元の英・愛種牡馬ランキングではリーディングをとったのは意外なことに4回だそうです。

下級レースでの賞金が低い海外の競馬ではいかにGⅠホースを出すかがポイントにはなりますが、7連連続でリーディングをとる(恐らく今年も1位なんで8年連続になるのでしょうが)ことがいかにすごいことかは、父や祖父が4回止まりだったことを考えると一目瞭然でしょう。

つまりは歴史的にもすでに語り継がれる種牡馬になっているわけです。

Galileoの血統

Sadler’s Wells
1981 鹿毛

父の父

Northern Dancer
1961 鹿毛

Nearctic Nearco
Lady Angela
Natalma Native Dancer
Almahmoud
父の母

Fairy Bridge
1975 鹿毛

Bold Reason Hail to Reason
Lalun
Special Forli
Thong

Urban Sea
1989 栗毛

母の父

Miswaki
1978 栗毛

Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Hopespringseternal Buckpasser
Rose Bower
母の母

Allegretta
1978 栗毛

Lombard Agio
Promised Lady
Anatevka Espresso
Almyra F-No.9-h

(Wikipediaより)

父Sadler’s Wellsは現在Galileoの他にも後継の種牡馬が活躍しており、祖父Northern Dancerの中でも一番成功した種牡馬ですが、産駒の特徴は何と言ってもヨーロッパ向きの豊富なスタミナと決め手であり、逆にアメリカや日本などのスピードが要求される馬場やダートを苦手としています。

ただ、近親には短距離からクラシックディスタンスまで対応できるスピードとスタミナ、底力を備えた名種牡馬Nureyev(ヌレイエフ)がおり、潜在的にスピードも持っているとは言えますし、最近は代を経てFrankel(父Galileo)がソウルスターリングを送り出したり、前回の記事で取り上げたKitten’s Joy(父El Prado)がアメリカで大成功するなど、ヨーロッパ以外でも順応しつつあります。

母Urban Sea(アーバンシー)は牝馬ながら凱旋門賞を制した女傑(当時は牝馬の勝利はかなり久々だったはずです)ですが、レガシーワールドが勝利した1993年のジャパンカップにも出走(結果は8着)しており、僕も初めて見たジャパンカップだったのでよく覚えています。通算成績は24戦して凱旋門賞を始めとして8勝していますが、競争成績同様繁殖成績が素晴らしく、今回のGalileoの他にイギリスのダービーをはじめとしてGⅠを6勝したSea the Stars(シーザスターズ)を送り出しています。

Urban Seaの父Miswakiはスピードを身上とするMr Prospector系の中でも珍しく距離をこなせるタイプであり、日本ではマーベラスクラウンがジャパンカップを制したり、母の父としてサイレンススズカ(宝塚記念)やザッツザプレンティ(菊花賞)を送り出すなど中長距離を中心にゴール前でのひと踏ん張りが特徴の馬が多いですね。母系はアホヌーラなどの血がありますがドイツの系統のようで異系色が強くなっています。

競走成績

産駒の傾向を知る意味でGalileoの競走成績を簡単におさらいしておきますと、

2歳時

未勝利戦(芝8f) 1着

3歳時

条件戦 (芝10f)1着
ダービートライアル(芝10f) 1着
英ダービー (芝12f10y)1着
愛ダービー (芝12f)1着
キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス (芝12f)1着
愛チャンピオンステークス(芝10f) 2着(勝ち馬ファンタスティックライト)
ブリーダーズカップクラシック(ダート10f) 6着(勝ち馬Tiznow)

愛チャンピオンステークスはキングジョージで下したファンタスティックライト(父Rahy)との再戦で叩き合いの末敗れていますが、この馬が2つ上だったことを考えるとしょうがない感じもしますね。ちなみにファンタスティックライトは日本に輸入されて失敗しています。BCクラシックは完全に馬場が合わなかったんでしょうが、アメリカダート最高峰のレースで6着だと逆によく走ったほうだなと感じますね。

主な産駒成績

11年種牡馬生活で1年目から4位、リーディングにはすでに8回ついておりとてもじゃないが書ききれません。主だったところだけ書きます。

Found(ファウンド)

母の父:Intikhab(Roberto系)

2016年の凱旋門賞を4歳時に制した牝馬ですが、この年は2着と3着もGalileo産駒でした(スゴイ!)。非常に2着が多かった(6-11-3-1)馬ですがブリーダーズカップターフも制しており軽い芝コースに対応できるスピードも備えていたことが分かります。凱旋門賞を制した時のタイムも2分23秒6という物凄いタイムです。(2012年産)

Highland Reel(ハイランドリール)

母の父:Danehill(Danzig系)

今回ジャパンカップに出走するIdahoの全兄ですが、BCターフを制するなど実績では完全にこちらが上です。2016年の凱旋門賞でも2着に入った他、アメリカのセクレタリアトステークスを制したり、香港の香港ヴァーズも制するなどヨーロッパ以外の芝レースにも対応しておりスピードレースにも対応できることが分かります。(2012年産)

Frankel(フランケル)

母の父:Danehill

ソウルスターリングやミスエルテの父として日本でもすっかり有名になったFrankelですが、現役時代は英2000ギニーや英チャンピオンステークスなど14戦14勝と2000m以下で無敗のまま引退した名馬であり、レイティングでも高い評価を受け、歴史的名馬の一頭に数えられています。

ヨーロッパでも第一世代からGⅠホースが誕生(Cracksman、英チャンピオンステークス)しており、Galileo系の後継種牡馬として期待されています。(2008年産)

New Approach(ニューアプローチ)

母の父:Ahonoora(クラリオン系)

今年の菊花賞に出走して13着だったベストアプローチ(青葉賞2着)の父ですが、現役時代は英ダービーをGalileo産駒として初めて制すなど11戦8勝(2着2回3着1回)するなど活躍しました。引退レースとなり勝利した英チャンピオンステークスでは10ハロンを2分00秒13のレコードタイムで制しています。(2005年度産)

Australia(オーストラリア)

母の父:Cape Cross(Danzig系)

イギリスとアイルランドのダービーを制した他、英インターナショナルステークスを制するなど8戦5勝で引退しています。母はイギリス産の名牝Ouija Boardでありジャパンカップでも3着に来たことがあります。(2011年産)

産駒の特徴と傾向

目立つ母系のスピード血統

さてすべての活躍馬を追っていくと膨大な量になりそうなので、他の馬はまた今度追記するとして、傾向を探っていきたいと思います。まず僕も活躍馬の成績を一通りチェックしてみて感じたのは、母系にDanehillがはいっている活躍馬が目立つことですね。

また似たようなことになりますが、母系は軒並みスピード血統が目立つことと、同じ系統のNorthern Dancer系の馬が多いということですね。おそらくインブリードなどを意識してこのような配合になっているのかもしれませんが、Galileoとスピード系種牡馬の母系との相性はかなりいいように感じます。まぁこれは日本も同じですね。

凱旋門賞は1勝のみ

次に気になった点としては凱旋門賞との相性が悪いという点です。実際の所上位には来ているので相性は悪くないとも言えますが、英ダービーや各国のオークス、ブリーダーズカップなどの大きなGⅠを勝っている割に1勝しかできていないというのは、もしかしたらスピードよりの配合になり過ぎて若干決め手が甘くなっている可能性も感じます。かつてはスタミナの権化のようなSadler’s Wellsの系統でしたが、代を経て若干スピード寄りになってきているのかもしれません。

仕上がりは早く成長力もある

活躍馬の戦績を見てみるときょうつうして言えるのは早い段階から活躍していることですね。ヨーロッパの馬は最近古馬になってから活躍する馬も少なくなりましたが、大体の一流馬は早い段階から素質を見せ始め、古馬になってからも安定した成績を残しているようです。また全体的に成績の安定している馬が多くあまり大敗している馬もいないような気がします。

激走型というよりもレースに行って力をしっかりと出し切るタイプだと思いますので、調子や体調の見極めは大切でしょう。本命馬が人気に応えて勝つタイプなので人気薄は馬券から切っても大丈夫な感じがします。

Sadler’s WellsのイメージではなくNureyevのイメージが合うかも

最後にこのGalileoという種牡馬をどう判断するかですが、昔はSadler’s Wells系の産駒と言えば、日本に来るとかなりモッサリしていて、完全にスピードに欠ける感じでしたが、アメリカなどの芝レースでもしっかり結果を残していることを考えると痛い目を喰らうような気がします。

またダービーに勝つような馬は2000ギニーなどのマイル戦でもほぼ好走しているので、日本の馬場でもパンパンの良馬場でない限り対応できるような気がします。また距離も場合によってはクラッシックディスタンスに対応できるのでるので、近親のNureyevぽいというのがイメージしては想像しやすいのかもしれませんね。

ジャパンカップでも少々時計がかかるようならあっさり勝つ馬も出てくるでしょう。

 

 

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