ディープインパクト産駒の特徴と傾向

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ディープインパクト

今や日本だけでなく海外でも産駒がGⅠを勝利するなど、全世界で活躍する馬を送り出し始めたディープインパクトですが、その産駒の特徴と傾向を個人的な分析を交えてながら書き留めていきたいと思います。

特徴などについては主に重賞などに出走している上級馬などに主に当てはまるものとなりますし、下に書いた特徴に当てはまらない馬は、母系の血が強く出ていると考えられます。

問答無用のリーディングサイアー

14戦12勝という圧倒的な成績を残した後、生まれ故郷である社台ファームで供用が開始され始めましたが、2010年に第一世代がデビュー後は二年目の2011年が2歳、3歳世代のみで2位。2012年以降は2017年まで6年連続で日本のリーディングサイアーに輝いています。

ディープインパクトの種牡馬ランキング変遷

2010年 2歳馬がデビューして2歳馬のみで全体で35位(新種牡馬ではぶっちぎりでの1位。2位はハーツクライ)
2011年 2年目を迎えてクラシック戦線で産駒が走り始め、2008年に産駒がデビューしたキングカメハメハの2位
2012年から2017年まで年間50億円から70億円の賞金を稼ぎだすなどぶっちぎりのリーディングサイアー

 

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血統

*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ

父の父

Halo 1969
黒鹿毛 アメリカ

Hail to Reason 1958 Turn-to
Nothirdchance
Cosmah 1953 Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母

Wishing Well 1975
鹿毛 アメリカ

Understanding 1963 Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower 1964 Montparnasse
Edelweiss

*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair 1991
鹿毛 アイルランド

母の父

Alzao 1980
鹿毛 アメリカ

Lyphard 1969 Northern Dancer
Goofed
Lady Rebecca 1971 Sir Ivor
Pocahontas
母の母

Burghclere 1977
鹿毛 イギリス

Busted 1963 Crepello
Sans Le Sou
Highclere 1971 Queen’s Hussar
Highlight

(Wikipedia 「ディープインパクト」より)

母ウインドインハーヘアは英オークスで二着に入るなどヨーロッパで活躍した一流馬。ディープインパクトの全兄にはGl未勝利ながら近年でも最強馬の一頭に数えられるほどになったキタサンブラックを送り出したブラックタイドがいます。

父サンデーサイレンスは言わずと知れたスピードと底力に優れた大種牡馬。

母系を見るとAlzao(現役時代はGⅢを勝ったのみ)とスタミナお化けのBustedの配合で血統上スタミナは十分には感じます。

ただAlzaoの父Lhyphardの系統はスピードとスタミナ両方に優れた総合力の高い種牡馬であるものの、得意な展開や距離が極端に出ることが多く、日本ではマイル前後を得意とする馬を多く出ています。一般的に揉まれ弱い産駒が多く脚質的に極端馬が多いのも特徴ですね。

ディープインパクトはこのあたりの血が強く出ているのではないかと個人的には感じますが、牝馬に一流馬が多いのもそっくりです。

現役時代

通算14戦12勝(国内13戦12勝)でGⅠ7勝。

日本国内に限っては3歳時の有馬記念でハーツクライの2着に敗れたのみで無敵の強さを誇りました。

脚質はスタートが遅く、ほぼ追い込みで出走したすべてのレースで最速の上りを記録しています。

海外のレースは2006年の凱旋門賞に出走したものの3着入線ながら、帰国後禁止薬物が検出され失格扱いとなりました。このレースでは日本でのレースでは未経験の先行策を取る形となりましたが、直線で本来の鋭い末脚を見ることができず、初めて後ろから来た馬に差されるという屈辱のレースとなりました。

基本的な特徴

最大スピードは全種牡馬中最強(最速)

スピードが最強という表現は日本語的にはおかしい(笑)のですが、なんと言っても脚をためると爆発的に伸びます。

ただ後ろから行く馬が多いため展開に左右される場合が多くなります。

スタミナのロスが大きい

ただ反面、テン(序盤)からとばすようなスプリント戦を得意としていたり、逃げ先行からの粘りを得意とする馬がほとんどおらず、消耗戦は苦手としています。

前半で貯金を作れない場合、爆発力が影を潜めますが、ジェンティルドンナやダノンプレミアムのように前目の位置からしっかりと伸びるタイプはポテンシャルの高さを判断するのにはいい材料なのかもしれません。

気性がよくも悪くも素直

元々父のサンデーサイレンスと言えば激しい気性が特徴であり、その煩さがレースに行って前向きに出て好結果を残しました。

ステイゴールドなどをはじめとする多くのサンデー産駒には同じような激しい気性が伝わりましたが、ディープインパクト産駒に関しては、自身と同じように素直で我慢のできる馬が多くこれがレース終盤での爆発的な末脚に繋がっていると言えます。

ただこの気性的な素直さが影響しているのかマッチレースになると若干勝負弱く、人気のわりに取りこぼしの多い馬が目立ちます。

僕の記憶では、かつての名ジョッキーとして活躍していた現解説者の岡部幸雄さんが、ディープインパクトを倒すのであればシンボリルドルフなどでレースの最初から最後までマークしてればいいというような趣旨の発言をされてきました。(それだけディープインパクトは乗るのが難しい馬であり、武豊抜きではあそこまで勝てなかったというようなニュアンスでした)

こういったレースに行っての消極さがスプリント戦でマイナスに働いている可能性があります。

代表産駒

ジェンティルドンナ

主な勝ち鞍:牝馬三冠、ジャパンカップ二回、有馬記念、ドバイシーマクラシック(Gl)など海外を含めて19戦10勝。

母の父はDanzig産駒の中級馬Bertolini(24戦2勝で代表産駒はジェンティルドンナの母)。

後方待機策の多いディープインパクトの中では比較的前目でも勝負ができるのが特徴。

九回の敗戦のうち三回は阪神競馬場であり休み明けに敗戦が目立つなど、他のディープインパクト産駒とは少し異なる傾向を示した。

サトノダイヤモンド

主な勝ち鞍:菊花賞、有馬記念(Gl)

母の父はジェンティルドンナと同じくDanzig(の孫)系のOrpen。

三歳時の有馬記念で最強馬キタサンブラックに勝利したのが最大の功績とも言えますが、古馬になってからは他のディープ産駒同様活躍が地味になってきました。

他のディープ産駒に比べて切れ味というよりも重厚な末脚という感じがしますが、海外遠征で凡走するなど、精神的な面も含めて思ったほどスタミナはないのかもしれません。

そう考えると、自分から動いてレースを作る勝者の競馬をするよりも、あくまで自分のレースに徹する方がいいのかもしれませんね。

他多数

2017年に活躍したディープインパクト産駒

サトノアラジン

安田記念(GⅠ)を勝利し、毎日王冠(GⅡ)は二着ですが他の4戦が負けすぎですね。この馬の場合馬場が渋ると全く結果が残せておらず、実力はあるのですが好走するには条件が多い馬ですね。母の父はStorm Cat、母の母の父はFappianoです。典型的なディープ産駒とも言えますね。

アルアイン

この年の皐月賞馬ですが他に毎日杯を勝ちましたし、日本ダービーは5着、菊花賞は7着と一年を通してこの年一番頑張ったように感じます。ディープ産駒にしては珍しい好位追走型ですが、母の父にPulpit(Seattle Slew)系のEssence of Dubaiが入っている影響もあるのかもしれませんね。ディープ産駒にしては過剰人気にならないのは勝ち方が地味なせいでしょうか。

ダノンプレミアム

2歳馬ですが、3戦3勝で朝日杯フューチュリティステークスを制しました。先行しながら最速の上りで決めるなど衝撃的な勝ち方でしたが、3歳になってどの路線に進むのか注目です。母系がRoberto系のIntikhabにディンヒルの配合ですが、走りっぷりを見ると、いかにも母系が強く出要る感じがしますね。今のところ懸念事項はちょっとスピードがあり過ぎるといったところで、やっぱり2000mまでの馬のような気がします。

 

ディープインパクト産駒の傾向と個人的まとめ

二歳戦からクラシックまでは買い

ディープインパクトと言えば二歳戦から夏のクラシックあたりで活躍している馬が多く、牝馬に活躍馬が目立つ反面、特に牡馬は古馬になると少し大物感に欠けてくる印象があります。

実はこのあたりは個人的に答えは出ていて、ポイントは上でも書いたとおりスタミナの消耗率の高さです。

古馬のレースや牡馬のレース、グレードの高いレースになるとペースがどうしても早くなるため、自慢の末脚が鈍ると仮定すれば、ディープインパクト産駒の古馬になっての尻すぼみ感の説明がつきます。

もちろん基本的な能力の高さに間違いはないのですが、恐らく潜在的なスタミナには欠けるのでしょう。

つまり相手が若かったり、弱いと距離がこなせるものの、同じぐらいの総合力の馬が相手になると途端に弱味を見せるタイプであり、人気薄の激走はグレードが高くなるほど少なくなるでしょうね。

昨年は別ブログで主にGlを中心に予想をしてきたのですが秋以降に古馬のGlレースにディープインパクト産駒の出てくる割合が減ったのは面白い傾向でした。

このような点から人気馬が信用できるのは三歳の夏までとなります。

古馬はマイルまで、クラシックは信頼できる

古馬のGlを勝ったのは下のとおりとなります。

  • マリアライト(エリザベス女王杯、宝塚記念)
  • トーセンラー(マイルチャンピオンシップ)
  • ダノンシャーク(マイルチャンピオンシップ)
  • リアルインパクト(安田記念)
  • スピルバーグ(天皇賞秋)
  • ショウナンパンドラ(ジャパンカップ) ※他に秋華賞勝ち
  • ミッキーアイル(マイルチャンピオンシップ)※他にNHKマイルカップ
  • サトノアラジン(安田記念)

現在のところ古馬の混合Glを複数回制したのはマリアライトのみとなります。

またクラシックを制した馬たちの古馬になってからの活躍は早熟とは言えないものの不振とも言えるレベルであり、古馬のGlで活躍しているのは三歳の秋以降に本格化してきた新興勢力が多く、マイルがほとんどとなります。

全体的に共通しているのは距離が持たないというよりも距離が伸びると普通の馬になってしまうという印象ですね。スマートレイアーやミッキークイーンなんかも今になって考えると、力はあるもののGⅠではいまいち足らないなどあくうまでGⅡどまりの馬と判断すると馬券は買いやすかったのかもしれません。

  • マルセリーナ(2011年桜花賞)
  • ジェンティルドンナ(2012年牝馬三冠)
  • ディープブリランテ(2012年日本ダービー)
  • アユサン(2013年桜花賞)
  • キズナ(2013年日本ダービー)
  • ハープスター(2014年桜花賞)
  • ショウナンパンドラ(2014年秋華賞)
  • ミッキークイーン(2015年オークス、秋華賞)
  • シンハライト(2016年オークス)
  • ヴィブロス(2016年秋華賞)
  • ディーマジェスティ(2016年皐月賞)
  • マカヒキ(2016年日本ダービー)
  • サトノダイヤモンド(2016年菊花賞)
  • アルアイン(2017年皐月賞)

東京競馬場と阪神競馬場で目立つ好走

クラシック戦線、特に日本ダービーやオークスでの好走が目立ちますが、やはり東京競馬場は脚質上相性がいいようです。またマイル重賞出の活躍も目立ちますが桜花賞でも好走例が多いように阪神競馬場も走るイメージがありますね。逆に中山競馬場では距離が伸びるとイマイチな感じがしますし、ローカル競馬場ではペースが乱ペースになったり、小回りになるせいもあってか凡走が多いように見えます。

ただ、ローカルに回るような馬は二線級が多いという見方もできます。

鋭い差し脚に騙されて過剰人気になる傾向

ディープインパクト産駒の馬券的特徴してよく見られるのが実力以上の人気を背負う場合が多いことです。

特に2歳から3歳にかけてのオープンクラスでの傾向は明らかで、前走新馬戦や未勝利などを33秒台前半で上がるとどの馬も一気に”クラシック戦線に名乗りを上げた”などと持ち上げられます。

しかしながらレース内容を調べてみると前半の1000m通過が1分4秒とか極端なスローで直線だけの競馬になっていることがほとんどで、このあたりはしっかりとしたレース分析が必要だと考えられます。

もちろん鋭い末脚は才能の証で、あくまで冷静な判断が求められンス。

ディープインパクト産駒の見極めのポイント

ディープ産駒の取捨選択に関しては簡単です。

勝ち馬率は高く、どの馬も毎レース、手を抜かずしっかりと走るのが特徴ですが、溜めて末脚を爆発させるタイプばかりなので、馬同士の比較が容易となります。

同じレースに出走していた場合、同じような位置からどちらの方が鋭く伸びたのか、また同じレースに出ていない場合は、前半どれぐらいのラップを走っていたかを分析すると、どの程度のクラスの馬なのかははっきりします。

勝つときは派手め目に映るタイプなので、ディープ産駒はレーススタッツを中心に分析した方が正しい姿がとらえやすくなるでしょう。

下級条件や長距離レースで前にいけない馬はレースのグレードが上がったり、距離短縮で前に行ける筈がなく、つまりはそれほど大物ではないと言えます。

展開のあやや不利がない場合、敗因は実力不足となります。

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