弥生賞2018 展望と登録馬の血統分析

今週の日曜日(2018年3月4日)には中山競馬場にて第55回報知杯弥生賞が開催されます。

弥生賞と言えば数あるクラシックレースのトライアルレースの中でも本番と同条件で行われるせいか、出走馬のレベルが高く非常に面白いレースとなります。

個人的によく覚えているのはサンデーサイレンスの第一世代にして最高傑作とも呼ばれたフジキセキの最後のレースとなった弥生賞なのですが、あのレースは大器と言われたフジキセキが涼しい顔をしてこともなげに横綱相撲で勝ったレースであり、非常に強い印象を残しました。

その後幾多の馬がこのレースを勝ってきましたが、着差以上に強さを感じさせた馬はフジキセキの他には数えるほどしかいません。

そんな中、今年は個人的にはフジキセキクラスではないかと思っているダノンプレミアムが出走を予定しています。

果たして2歳チャンピオンはクラシックレースの主役として本番に挑める器なのか分析してみたいと思います。

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過去10年の弥生賞の傾向

勝ち馬とその父馬

2017年 カデナ(父ディープインパクト)
2016年 マカヒキ(父ディープインパクト)
2015年 サトノクラウン(父Marju)
2014年 トゥザワールド(父キングカメハメハ)
2013年 カミノタサハラ(父ディープインパクト)
2012年 コスモオオゾラ(父ロージズインメイ)
2011年 サダムパテック(父フジキセキ)
2010年 ヴィクトワールピサ(父ネオユニヴァース)
2009年 ロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)
2008年 マイネルチャールズ(父ブライアンズタイム)

傾向

ここ10年に限ると全体的に前に行った馬が勝っており、この条件にはずれるのは2016年に追い込んで勝ったマカヒキのみになっています。

何頭か3コーナーまで中団待機だった馬がいるものの4コーナーでは五番手以内まで進出しており、先行力並びに機動力・操作性は重要なファクターになるでしょう。

血統面で言うとやはり目立つのはディープインパクトを中心としたサンデーサイレンス系の強さですね。さらに言うとノーザンダンサー系のサトノクラウンとミスタープロスペクター系のトゥザワールドを除くと10頭中8頭がHail to Reason(ヘイルトゥーリーズン)の血を引いているのも面白いデータと言えます。

登録馬の血統と寸評

アサクサスポット

父:ワークフォース 母の父:エルコンドルパサー

まだダートの新馬戦を勝っただけの一勝馬で全く注目していなかったのですが、血統は中々面白いですね。

父ワークフォースはイギリスダービー馬や凱旋門賞馬ということで若干スピード面は気になりますが、その父はダービー馬エイシンフラッシュを送り出したKings Bestでありその父は日本でも相性のいいKingmamboでスピードは内在していますね。母系は素晴らしく社台ファームの代表牝系とも言えるダイナアクトレスの系統で3歳時に活躍したプライムステージが祖母でありそこにエルコンドルパサーが配合されています。

どちらもKingmambo系で3×3というかなり特徴的な配合なのですが、日本を代表する牝系にスタミナタイプのKingmamboどおしが配合されており、この弥生賞の内容次第では今後も楽しみな血統です。

血統的には決め手に優れたタイプには思えませんが、大舞台に強い激走タイプであり、調子次第ではかなり面白い存在です。距離は当然長いほうがいいでしょう。

アラウン

父:オルフェーヴル 母の父:Flying Spur(Danehill系)

5戦1勝の馬ですが、大敗も多くその1勝も地方であげたものであり、実力不足は明らかです。

父オルフェーヴルは期待の種牡馬であり将来のリーディング候補ですが、その父ステイゴールドと同様当たりはずれの多い種牡馬であり、残念ながらこの馬は後者のような気がします。

母系はオーストラリアの血で構成されており、サートリストラムやデインヒルといった豪州のリーディング種牡馬が配合されていますが、日本向きの軽さが優れているわけでもなく、潜在的にも難しいという印象を受けます。

オブセッション

父:ディープインパクト 母の父:Smoke Glacken(Mr Prospector系)

まず血統面ですが母系は聞きなれない種牡馬であるSmoke Glacken(スモークグラッケン)という馬が母の父にいますが、現役時代はマイル以下を中心に活躍しており、1997年の北米チャンピオンスプリンターに輝いていますね。それほど強い馬とは対戦していませんが14戦10勝の成績と2歳時にホープフルステークス(GⅠ、ダート7F)を9馬身差で圧勝するなど、現役時代は中々の馬だったようです。

母Persistently(パーシステントリー)はスモークグラッケンの代表産駒のようで16戦4勝のうち重賞勝ちはパーソナルエンスンS(GⅠ、ダート10F)のみながら、BCジュベナイルフィリーズやBCレディースクラシックに出走する(結果は5着と7着)など実力はトップクラスだったようです。

血統面のバランスについては少しスピードよりであまりよくは感じないのですがDeputy MinisterやSeeking the Goldの名前もあり爆発力や日本競馬への相性がいい血が多いですね。

戦績に関しては前走シクラメン賞(500万以下)の内容がいいですね。通常ディープインパクト産駒が過剰人気する傾向として多いのが1ハロンあたり12秒を下回るかなり緩めのレースを追走して上りだけの競馬で目立つケースが多いのですが、シクラメン賞は平均12秒で進んだ澱みのない流れを追走して最速の33秒5で上がって四馬身差をつけており、心肺機能の高さを見せつけています。

藤沢和雄きゅう舎ということでまだまだ完全に仕上げては来ていないでしょうが、前走の内容と血統面から素質面ではかなり期待はできます。

サンリヴァル

父:ルーラーシップ 母の父:アグネスタキオン

3戦2勝ホープフルステークスは4着に終わりましたが、先行馬がかなり不利な点な中唯一上位に残ったことはかなり評価ができます。

恐らく先行することになるのでしょうが、決め手という部分でどこまで通用するかが今後の課題になるでしょう。

血統面は祖母が僕もよく知っているウメノファイバー(父サクラユタカオー)にアグネスタキオンが配合されており、代々高いスピード性能を備えた種牡馬が配合されています。特にサンリヴァルの母アンフィルージュの配合を見ると個人的には去年までの王者キタサンブラックにバランス上よく似た配合に見え、やはり特徴はスピードを活かした先行力にあるのではないかと思います。

ルーラーシップもいまだその傾向はハッキリしていませんが、恐らく大舞台でもそこそこ勝負できるものの、決め手に関してはそれほどすぐれていないという印象を受けます。

距離適性に関してはピッタリでしょうが、後ろでダノンプレミアムという強い先行馬がいるだけにジョッキーがどういう乗り方をするか重要な気がします。ペースと展開次第ですが血統的には勝ち負けする力はあります。

ジャンダルム

父:kitten’s Joy 母の父:サンデーサイレンス

散々このブログで語っていますが、僕のPOG筆頭指名馬です(笑)。

前走は新GⅠホープフルステークスでは仕掛ける位置やマークされる立場だったこともあり二着にありましたが、見どころ十分の内容でした。あの内容でどうやら四番人気に落ち着きそうな気配ですが、個人的には人気しなさすぎ?ではと感じる一頭です。

血統面はすばらしく、母はあの快速馬ビリーヴでありスピードは十分であり、そのビリーヴにアメリカで種付けされたのがアメリカの芝レースでは圧倒的な成績を残す影のリーディング種牡馬とも言えるkitten’s Joy(キトゥンズジョイ)が配合されています。

この種牡馬の傾向としては超大物というよりも優良馬をコンスタントに送り出すタイプであり、はまった時にGⅠを勝利するタイプという印象です。個人的には母系にあるロベルトぽいなと感じてはいるのですが、そう考えるとあくまで芝の中距離で実力をコンスタントに発揮するタイプだと言えます。

こういったタイプは2着3着が多くなるでしょうが、決して底力に欠けるタイプでもないので軽視は禁物です。またビリーヴの仔ということで距離不安も囁かれていますが、父系はSadlers Wellsにもさかのぼるスタミナ内在型の中距離血統です。

ビリーヴ自体もサンデーサイレンスの仔としては若干異端児だっただけに、こういったタイプは折り合いさえつけば十分2400mに対応できるように感じますね。

ダノンプレミアム

父:ディープインパクト 母の父:Intikhab(Roberto系)

朝日杯フューチュリティステークスはミドルペースを先行して最速の33秒台であがるという2歳馬らしからぬ内容に僕も驚きましたが、果たしてディープインパクト待望の牡馬の大物に育つか期待が高まります。

前走の内容はケチのつけようのないほどのものでしたが、個人的には気になる点が一点だけあります。

それがYouTubeで見た新春のジョッキー対談だったんですが、この番組には武豊ジョッキー、M・デムーロ、和田竜二各ジョッキーが出演していました。

この番組の中で来年のクラシックの話になったんですが、朝日杯は当然終わってたんでやっぱりダノンプレミアムが主役かな?と思っていたら、意外と三者とも”現段階では分からない”というような趣旨の発言をしていたんです。

武豊ジョッキーのジャンダルムに関しては”いい馬だ”という表現はしてたんですが、どうも現場サイドではそこまで圧倒的な評価ではないようなんですよね。

もしかしたらどこかしらつけいるポイントがあるのかもしれませんが、それがどこなのかはこれから判明するでしょうし注目して見たいと思います。

血統面に関しては母の父Intikahab(インティカブ)がよく分からないところですが、この種牡馬の活躍馬を調べてみるとエリザベス女王杯で日本馬を二回も子ども扱いしたスノーフェアリーが直仔にいたり、凱旋門賞を勝ったFound(ファウンド)の母の父がこの馬ですね。

コンスタントに活躍馬をだしているわけではないようですが、この二頭が強力なだけにとてつもない底力を秘めている可能性は感じます。

またこのダノンプレミアムがディープ産駒らしからぬ先行策を取れるということからも母系の影響のほうが強く出ていると考えられ、ジャンダルムと同じくロベルトのイメージで見ておくとこの馬の走りっぷりとの整合性が取れます。

更に母系にはDanehillやHabitat系の種牡馬がいるということで爆発的な決め手には欠けるでしょうが、スピード能力の違いをどこまで操作性で管理するのか、今後大きなレースを戦う上では気性面も含めてそこが課題になるでしょう。

トラストケンシン

父:ハーツクライ 母の父:エルコンドルパサー

未勝利戦を勝ちあがり4戦1勝。

叔父に京都新聞杯を勝ったベストメンバーがおり、母系は日本向きのスピードを備えたバランスのいい配合ですが、エルコンドルパサーとサクラユタカオーの配合だと決め手に優れるというよりも、スピードを活かしてレースを運ぶタイプでしょうね。

エルコンドルパサーはどちらかと言えば中距離以上に実績があり、ハーツクライも上位の種牡馬の中ではかなりスタミナのあるタイプなので距離適性はかなり高いと思います。

しかしながらこれまでのレース内容からどうしても今回は格不足なのは否めませんし、成長したにしても皐月賞やダービーというよりも菊花賞向きな感じですね。ピークももうちょっと先でしょう。

ニシノトランザム

父:Orb 母の父:Successful Appeal(In Reality系)

父のオーブはA.P.Indy系のケンタッキーダービー馬でありこの系統にしては底力がある血統構成ですが、母の父がIn Reality系ということからも上級馬は芝をこなせるもののあくまでダート向きの系統という印象です。

こういった系統の場合ダートで圧倒的な成績を収めていれば多少の期待ができますが、すでに底が見えており期待できません。

ヘヴィータンク

父:クロフネ 母の父:アグネスタキオン

久々の未出走馬の重賞への出走となりますが、判断材料は今のところ血統しかありません。

母系はそこそこの活躍馬を出しており最低限の下地はありそうですが、クロフネ×アグネスタキオン×Capote(Seattle Slew系)×Mr Prospector系の配合だとどうしても少しスピードに寄った単調なタイプに感じます。

血統上は後方から雄大に伸びてくるタイプには感じませんし、マイルあたりかそれ以下の距離で先行して以下に踏ん張れるかというタイプに感じ、中山の2000mに適性がありそうにも見えません。ここで好走しても本番でも怪しい感じがしますね。

よっぽど調教で動いていれば別ですがさすがにないでしょう。

リビーリング

父:ヴィクトワールピサ 母の父:Gone West

叔父に皐月賞二着馬のシックスセンス(父サンデーサイレンス)がおり血筋としては悪くありませんが、母系がGone WestにDanehillという配合で出来れば父馬はパンチのあるタイプのほうがよかった印象がありますね。

ヴィクトワールピサそのものは父ネオユニヴァースに少しスピードを加えた感じがしますが、まだ傾向がハッキリとつかみにくい部分があります。恐らくイメージとしては一発激走型の自身と同じタイプが出てくるのでしょうが、それであれば母系にヴァイスリージェント系やDanzigなんかの血がほしかったですね。

2戦1勝で前走は500万以下のセントポーリア賞を2着と底を見せているわけではありませんが、どうしても緩い流れの中を勝ちきれなかったところを見ると、かなりの上積みが必要な気がします。

ワグネリアン

父:ディープインパクト 母の父:キングカメハメハ

現在3戦3勝でかなり評判の高い馬ですね。恐らく前走の東京スポーツ2歳S(GⅢ)の楽勝ぶりが評価されてのことでしょうが、個人的にはまだそこまでの馬かなという印象があります。

このレースを走ったルーカスやシャルルマーニュ、カフジバンガードが好走していればある程度評価はできるんですが、どうしてもいまだスピード不足と思われるルーカスをあまりちぎれなかったのを見ると、そこまで突き抜けているという印象がありません。あくまで素質馬の一頭という感じがします。

血統は祖母がダートの短距離で活躍したブロードアピールであり、母の父はディープインパクト産駒にしては珍しいキングカメハメハですね。

この組み合わせだとデニムアンドルビーがいますが、血統的には少し爆発力に欠ける印象で徐々に取りこぼしていきそうな感じがしますね。ただ今の時期は肉体的にはピークでしょうね。

血統的な評価をふまえた上での将来性

ひととおり各馬を分析してみましたが、将来性も含めた総合的な評価としては

◎ダノンプレミアム
〇ジャンダルム
▲オブセッション
△サンリヴァル
×ワグネリアン、アサクサスポット

という感じになりますね。

ただ現時点での完成度を考えるとワグネリアンが上昇し、オブセッションは割引しないといけない感じがします。

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