春の実力馬が出走 序列の変化は?
10月13日(日)に行われる秋華賞(GⅠ、京都競馬場、芝2000m・内回り)を予想してみたいと思います。
今週は大型台風が迫っているということで、開催すら少し怪しい雰囲気がありますが、とりあえず馬場状態はやや重たくなると見て各馬の血統を中心にチェックしてみます。
今年は昨年のアーモンドアイのような絶対的な本命馬がいないので、少し予想としての面白味があるのですが、出走予定の馬を見ると春に好走した馬が比較的多く見られます。
ただ肝心のオークスを勝ったラブズオンリーユーが出てこない(次走はエリザベス女王杯を予定)ので、小波乱などがありそうな雰囲気にも思えますね。
春先あと一歩で勝てなかった馬たちの逆転はあるのか、傾向などを見ながら面白そうな馬を探してみたいと思います。
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秋華賞の傾向
昨年すでに傾向については触れているので簡単にまとめえときます。( 秋華賞のレース傾向(2018年の秋華賞の予想))
ディープインパクト産駒の人気馬が好走
ディープインパクト産駒と言えば、瞬発力を要求される桜花賞や、東京コースが得意ということでオークスにも相性が良いことは何となく感じている方も多いとは思いますが、この秋華賞でも抜群の成績を誇っています。
昨年も二着と三着はディープインパクト産駒のミッキーチャームとカンタービレが入っていますね。
ヨーロッパ系、スタミナタイプの馬が活躍
そしてもう一つ特徴的なのがヨーロッパ系の血を持つ馬が活躍していることです。これは極端な傾向としているので見逃せません。
たとえば昨年の二着、三着に入ったミッキーチャームの母の父はフランスなどで活躍馬を送り出すダンシリ(Dansili)でカンタービレはヨーロッパの大種牡馬であるガリレオ(Galileo)ということで、桜花賞やオークスでは少し軽さに欠けるかなと思われるような血統の馬がしっかりと上位に来ています。
また過去の上位馬を見ても2017年のディアドラやモズカッチャンの父はイギリスで驚異的な強さを発揮したハービンジャー、2016年の上位三頭も父系もしくは母系にヨーロッパの血脈としてかなり自己主張の強い血が入っており、ポイントはアメリカや日本的な血ではなくヨーロッパ型の血となります。
またハーツクライ産駒などスタミナ系の馬が来ているもの見逃せませんね。
出走予定馬(有力馬)の血統診断と寸評
ダノンファンタジー
父:ディープインパクト 母の父:Not for Sale(カロ系)
走りから感じるスピード感や強さはメンバーの中では頭一つ抜けている感があり、ローズステークスもあっさり勝利し、一番人気が予想されます。
やはり心配されているのは距離でしょうが、僕個人としては最後までもつかは五分五分と見ます。
というのも恐らく阪神のように直線勝負、上り勝負になれば2000mには十分対応可能だと思うのですが、三コーナーからの持久戦の様相となることが多い秋華賞や京都のレースで最後まで粘り切れるかは少し怪しいという印象を受けます。
そのため本命馬としては飛ぶ可能性も少し懸念されますね。
血統はスピード感をかなり感じるため、アメリカのスピード血統のように感じますが、母系はアルゼンチンの系統です。
かなり見慣れない種牡馬が並びますが、母の父カロの血は結構主張してくるので、この強い時は強い勝ち方をするけど、負けるときはコロッと負けるという特徴がどう出るかは注目です。
個人的には京都の2000mは向いているか向いてないかで言えば向いていないと思います。
軸候補ですが少し危ない人気馬ですね。
シェーングランツ
父:ディープインパクト 母の父:Monsun
姉にはオークス馬ソウルスターリング(父フランケル)がいる良血馬ですが、春先は気の難しさを見せスタートが悪かったり、勝負所でズブさを見せました。
姉のソウルスターリングをよりズブくしたような走りをしているので母系が多少強く出ているのかもしれませんね。
母の父モンズーン(Monsun)はフランスで活躍馬を送り出す中長距離血統ですが、昨年のミッキーチャームやカンタービレと同じくディープインパクト×ヨーロッパで実績のある中長距離血統で当然軽視はできません。
あとは春からどの程度内面が成長しているかでしょうね。
血統的ポテンシャルとしては本命級とも言っていいぐらいです。
カレンブーケドール
父:ディープインパクト 母の父:Scat Daddy(ストームキャット系)
オークスの二着馬で上位人気が予想されます。
ただ、上位人気馬の中からどの馬を切るかと考えた場合血統的にはこの馬かな?という感じがします。
母系はチリの系統のようですが、母系の血統構成は分かりやすく完全にアメリカ型です。
スキャットダディ×ゴーンウェスト系×ボールドルーラー系なので完全にイケイケドンドンというタイプなのですが、こういう血はやはりオークスの時のような時計の速い馬場で前に行って止まらないようなレースが一番力を発揮できる条件だと思いますね。
陣営も当初はそれほど力のある馬のように感じていたようですし、上積みがあるようなタイプだろうかと少し疑っています。
コントラチェック
父:ディープインパクト 母の父:Halling(エタン系)
この馬もシェーングランツと同じく母系がヨーロッパの中距離、しかも大レースで通用しそうな血統ということで注目しています。
唯一の凡走となったオークスは最後止まってしまい九着でしたが、敗因はどちらかと言えば自滅に近いので巻き返しはあると見ます。
母の父ホーリングは時折大物を出す血統として活躍していた種牡馬です。エタンの系統はかつて日本でも活躍馬が見られたスピード血統ですが代を経て中長距離型にシフトしてきたスピードを内在する血統ですね。
また母の母の父フェアリーキングはサドラーズウェルズの全弟で、中長距離型の兄に比べてマイルでも活躍馬を送り出した名種牡馬で、こちらはスタミナ内在型のスピード種牡馬ということで、母の父、母の母の父ともに面白い血を持っているなと感じますね。
この母系だと東京や阪神では少しつらいのは明らかですが、京都や中山は逆に面白いと感じさせる配合になっています。
問題は勝ちきるまでの決め手がるか心配ですが、ルメール騎手が乗ってきそうなので、そこも怖い部分です。
若干弱点が見えているシェーングランツに比べるとまだ完全に底を見せていないという点で、こちらのほうを評価します。
クロノジェネシス
父:バゴ 母の父:クロフネ
さて判断が難しいのがこのクロノジェネシスです。
今年の二月に行われたクイーンカップ(GⅢ)では近親であるビーチサンバ以下を子供扱いし、GⅠ級の力かな?と思ったのですが桜花賞とオークスはともに伸び切れず三着に終わっています。姉ノームコア(父ハービンジャー)が今年ヴィクトリアマイル(GⅠ)を勝ちはしたものの、この一族はどちらかと言えば大レースでイマイチ勝ちきれないタイプなので、どうしても突き抜けるイメージが湧きません。
父は凱旋門賞を勝ったバゴということでゴリゴリのヨーロッパ血統です。祖父のナシュワンも名馬として知られます。
母系はスピードや一発はあるけどもまれ弱いヴァイスリージェント系のクロフネにサンデーサイレンス×ミスタープロスペクターという配合でアメリカ型ですが、走りはどうもクロフネぽさがあまり見えないので、父系の血が出ているのかな?とも思ったりしますね。
そうすると他のヨーロッパの血が強い馬に比べるとスピードや一瞬の脚に優れており上位は十分期待できるとも言えます。
ただ、バゴの産駒は日本であまり結果を残せておらずまた三着てパターンも十分に考えられるんですよね。
血統的に気難しさものぞかせる血統なので、道中かかって自滅というパターンもあり得るので、評価の難しい馬です。
個人的には掲示板には載ってくるのではと思うんです、馬券に絡むからはなんとなく微妙な気がします。
ビーチサンバ
父:クロフネ 母の父:サンデーサイレンス
クロノジェネシスの近親というこうとで次はビーチサンバです。ちなみにビーチサンバはクロノジェネシスのお母さんであるクロノロジストと従妹同士という関係であり全く同じ配合です。
ビーチサンバはクロノジェネシスに比べるとヨーロッパの血がありません。
よって血統的から受けるイメージは淡白なスピードタイプという配合に感じますし、実際にこれまでの成績もそれを示すような、相手なりに走るけど勝ちきれない結果が続きます。
恐らくこういうタイプは条件が変わって激走するタイプとも思えず、ヨーロッパ的な血が重視される秋華賞では少し買いにくい馬ですね。
4枠7番と枠順は悪くはありませんが、馬場が湿ってあとはどこまで粘りこめるかでしょうね。勝ちに行くのであれば思い切った競馬をしたほうがいいような感じもします。
エスポワール
父:オルフェーヴル 母の父:シンボリクリスエス
まだ底を見せておらず各所で穴馬と評価されているのがこのエスポワールですが、血統的にも確かに面白い存在です。
父オルフェーヴルは凱旋門賞二年連続二着でヨーロッパの適性は抜群、母系はシンボリクリスエスにトニービン×サドラーズウェルズという配合で、ヨーロッパで走ったほうが伸び伸びと走るんじゃないかとも思わせるほどの血統構成をしています。
血統構成上は秋華賞にピッタリの配合です。
今のところオルフェーヴルは重賞でも結果を残しているので底力的には問題はないと思うのですが、心配はやっぱり気性面ですね。
オルフェーヴルやシンボリクリスエスは気性の激しさで有名ですが、トニービンやサドラーズウェルズも中々の気の強い馬が出るので、このあたりがレースに行って悪いほうに出なければいいなと思います。
母系はフサイチコンコルドやリンカーン、ヴィクトリーなどが近親におり、血統的ポテンシャルに関しても怖い一頭です。
ただ、オルフェーヴル産駒は期待させといてコロっと負けるのでイマイチ信頼しにくい部分はありますね。
8枠17番に決まりましたが、もうちょっとだけ内枠が欲しかったですね。
パッシングスルー
父:ルーラーシップ 母の父:クロフネ
紫苑ステークス(GⅢ)の勝ち馬です。
春先は勝ちきれませんでしたが、ルーラーシップらしい成長力を見せ二連勝で出走を勝ち取りました。
母系はクロフネ×シアトルスルーという配合ですが、父ルーラーシップはキングカメハメハにトニービンという配合でアメリカ型というよりもヨーロッパ型の配合ですね。
ただルーラーシップ産駒は母系の要素比較的表に出してくるのでクロフネ×シアトルスルーという配合は前向きなパワー型配合という感じもして、馬場が湿ってやっと当落線上に乗っかってくるぐらいかな?という印象です。
ルーラーシップ産駒は初条件では切らないほうがいいというデータもあるので、穴狙いなら狙ってもいいとは思いますが、本命筋から行く僕としては買いにくい馬ですね。
8枠16番は少し外過ぎましたね。
フェアリーポルカ
父:ルーラーシップ 母の父:アグネスタキオン
同じくルーラーシップ産駒なのがフェアリーポルカです。
母の父はクロフネからアグネスタキオンに変わり、その先はヌレイエフ、シャーペンアップとヨーロッパのスピード血統が並びます。
秋華賞に挑む血統としてはやはりこちらのほうが合いそうですね。
牝系もトゥザビクトリーを出したフェアリードール一族ということで不気味さが引き立ちます。
この牝系は先行して粘りこむのが持ち味で、決め手勝負には向きませんが、ラスト1000mからの持久力勝負でどこまで粘りこめるかがポイントになりそうですね。
ただ、先行馬多いのがどうでるのか、騎手の腕が問われそうです。
※随時追記していきます。
秋華賞2019予想
どの馬もある程度弱点があり、上位拮抗と見ます。
八番人気ぐらいまでは十分チャンスがあると見ます。
◎ コントラチェック
〇 ダノンファンタジー
▲ サトノダムゼル
△ シェーングランツ
× クロノジェネシス
穴 エスポワール、フェアリーポルカ
※枠順決定により直前変更する可能性があります。