ジャスタウェイ産駒初のGⅠ制覇なるか?
2019年の菊花賞予想を行っていきたいと思います。
皐月賞の頃はサートゥルナーリア(父ロードカナロア)に三冠の声すら上がっていた2016年生まれの世代ですが、日本ダービーはロジャーバローズ(父ディープインパクト)が制したものの、故障によりすでに引退。そのサートゥルナーリア自身はトライアルである神戸新聞杯を圧倒的な内容で制しながらここを回避して、天皇賞秋へ進む(予定)など、状況はまったく変わっています。
そう言えばダービーで二着だったダノンキングリー(父ディープインパクト)も次走はマイルチャンピオンシップを予定するなど春の有力馬がヴェロックス(父ジャスタウェイ)一頭になってしまいました。
これもディープインパクト産駒に対する血統的な理解が進んだ結果なのかもしれませんが、チャンスなのはヴェロックスの父であるジャスタウェイです。
ヴェロックスをはじめとする今世代が昨年にデビューし、順調に勝ち星を重ねている状況ではありますが、実はここまで重賞勝ちがありません。
ジャスタウェイの同じ年に産駒がデビューした種牡馬の中ではランキングは圧倒的に上位(2019年10月16日現在では16位)ではあるものの、同じ年にデビューしたケープブランコに先に重賞を勝たれてしまい(毎日杯のランスオブプラーナ)、社台SSで繋養されている種牡馬としてはいまいち箔がつかない状況です。
今回は重賞勝ちどころかいきなりGⅠを勝つチャンスですが、はたしてそううまくいくのか血統を中心に出走(予定)馬を見ていきたいと思います。
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菊花賞の傾向
馬場状態が良ければスピード血統が活躍
これは近年特に言われていることですが、馬場状態が良馬場という前提ではありますが、菊花賞は以前ほどスタミナが要求されないレースと言われています。
スピード血統・スプリンター血統の馬でも上位に来ているケースが見られます。
例えば2016年の三着馬エアスピネルは血統的にも中距離の馬ですし、2015年などは母の父サクラバクシンオーのキタサンブラックが勝利し、二着馬も本質的にはマイルタイプのリアルスティールが来ています。
またさらにさかのぼると中距離馬のローズキングダムも二着にくるなど、古馬になると長距離のレースに対応できなかったのに、菊花賞ではしっかりと好走している馬が見受けられます。
結局のところ各馬この距離が初めてということもあるでしょうし、ペースが落ち着くといった原因も考えられるでしょう。
馬場状態が悪くなければヨーロッパ系、ロベルトの血を持つ馬が台頭
逆に馬場状態が悪くなってくれば台頭してくるのが従来通り、タフでスタミナに優れた血を持つ馬たちです。
2017年や2013年の上位馬がヨーロッパ系の母系を持つ馬が上位に来ているのはいい例でしょう。
他に注目の血としてロベルトの血を持つ馬がタフな条件になった場合台頭している例が見られます。
馬の格よりも騎手の格が重要
GⅠレースの勝ち馬を見ていくと、個人的には予想が外れてもある程度納得の馬が勝っていたりするものですが、菊花賞は当てはまらないことがあるのが僕が長年このレースを見てきた上での印象です。
菊花賞を勝って超一流馬に登りつめていった馬も何頭かいますが、逆にその後GⅠホースの名が泣くような馬も何頭が出てきており、”はまって”勝つ馬が出てくるのもこのレースの特徴ですね。
そうするとやはり重要なのが騎手です。
過去のレース結果を見ても、勝ち馬どころか掲示板に載った馬の騎手を見てもほとんどがリーディング上位の騎手が並ぶ状況であり、血統的な要素と同様に騎手がやはり重要なレースと言えます。
出走予定馬の血統と寸評
ヴェロックス
父:ジャスタウェイ 母の父:Monsun
決め手に優れた血がなく最後まで突き抜けられるか
皐月賞は二着、日本ダービーは三着、前走の神戸新聞杯もサートゥルナーリアが圧勝したとは言え、瞬発力勝負にしっかりと対応して二着に来ました。実績としては最上位というか一頭だけ抜けている状態で、騎手も川田騎手ということで安心ですね。
血統面に関しては2000m以下のGⅠを三勝したジャスタウェイということで心配する声もあるようですが、僕は本質的に2000m以上向きの種牡馬だと思うので父系からの心配はしていません。
また母系は母がドイツのオークストライアルの勝ち馬で、母の父がドイツやフランスの中長距離で活躍馬を量産するモンズーン(Monsun)で距離面に関する心配は無用です。
唯一の心配なのは決め手に優れたスプリント系の血が薄いことで、イマイチ勝ちれないのはこのあたりが原因だと分析しています。
こういう馬は多少強引な競馬をしたほうがいいような気もするので、逆に大外枠あたりに入ったほうが面白いかもしれません。
→ 7枠13番に決定しましたが、心配なのは慎重になり過ぎると善戦で終わってしまう祖父ハーツクライの血ですね。
カリボール
父:ジャスタウェイ 母の父:サクラバクシンオー
ハーツクライ系×スプリンター血統で注意が必要
もう一頭のジャスタウェイ産駒がカリボールです。
五戦三勝で前走は古馬相手のレース(二勝クラス)にしっかりと勝っているところは経験という面でも不気味ですが、戦績のわりに人気なさ過ぎのような気がしますね。
ハーツクライの血を引く馬は今回三頭(他にヴェロックスとホウオウサーベル)出ているのですが、兄にモンドキャンノ(父キンシャサノキセキ)がいるなど母系から一番スピードを感じるのはこの馬です。ハーツクライ産駒の大物たちはいずれもスピードタイプが多いことを考えるとまだレースで底を見せていない点からも注意は必要だと思います。
ノーザンファームの馬で母系はサクラバクシンオーにカナダの牝系ということで距離不安はありそうなもんですが、父が主張が強いハーツクライの系統ということで気性がきつくなければ距離はそんなに問題にならないと思います。そもそもジャスタウェイ産駒は個人的にはマイルよりも中距離向きだと僕は思います。
2枠3番と悪くない枠に入りましたが、あとは国際派の藤井勘一郎騎手がどう乗るかでしょう。
良馬場なら買い、重以上になったら消しですね。
ホウオウサーベル
父:ハーツクライ 母の父Acatenango
ハーツクライ産駒は母系にスピードの血が欲しい
前走は古馬が出走していた2勝クラスを五馬身差の圧勝でした。
母系はフランスで活躍したドイツ系の良血馬で、ワールドプレミアと似たような母系です。
姉にはオークス三着と活躍したビッシュ(父ディープインパクト)がいますが、ハーツクライは菊花賞ではどうしても過剰人気になるので、逆に少し疑っています。
ハーツクライの一流馬は母の父が大体スピード血統なのですが、この法則に当てはまりませんね。
7枠15番に決定となりましたが、もう少しだけ内が欲しかったですね。
ワールドプレミア
父:ディープインパクト 母の父:Acatenango
昨年のフィエールマンと重なる
セレクトセールで約2億6000万円で取引された話題の大物がしっかりと出走してきました。こういう高額取引馬は期待倒れになることが多いのですが、ここまでしっかりと仕上げてきた陣営は評価すべきでしょうね。
前走はスタートがあまり良くない上に極端な瞬発力勝負となりましたが、課題とされていた追われてからの反応も悪くなく、ロングスパートを決めての三着でした。かなり早い段階から追い出していたのを見ましたが、菊花賞のレース内容を考えるといい予行演習にはなったのではないのでしょうか。
血統面は父がディープインパクトで母系はヴェロックスと同じくドイツの血統です。
母の父アカテナンゴ(Acatenango)はジャパンカップを勝ったランド(Lando)が出ており、このズルムーの系統はドイツで活躍馬を多く送り出しています。
また母系は素晴らしく母がドイツオークス三着の他、叔父マンデュロ(Manduro)はフランスやイギリスでGⅠ三勝するなど一流の競走馬として活躍しています。
血統構成としては昨年の菊花賞を勝利したフィエールマンのようなディープインパクト×ヨーロッパの非イギリス系中距離血統なのは好感が持てます。またスタミナ面だけでなく全兄のワールドエースが皐月賞で二着に来ていたり、マイル重賞を制するなどここ一番で抜け出すだけのスピードがありそうなのも心強いところで、極端な末脚勝負にならない限り血統的な弱点はほぼ見当たりません。
ただ、気になるのはここ二戦続けてヴェロックスのすぐ下の着順だったという点ですね。距離が伸びてはたして逆転の目があるでしょうか。
この馬はヴェロックスとは逆にしっかりと勝負所まで脚をためて抜け出したいところで枠やスタートが鍵となりそうです。
→ 3枠5番に決定しましたが、最近武豊騎手がここ一番で出遅れることがあるのが気になりますね。五分以上にスタートがきることができれば、相手関係なども考えるとあっさり勝つというケースも考えられますね。
サトノルークス
父:ディープインパクト 母の父:Sadler’s Wells
復調気配
世界的な良血馬で春先はそこそこ人気していたサトノルークスでしたが、皐月賞とダービーは大敗してしまいました。
セントライト記念は当然人気を落としていましたが、リオンリオンの二着に踏みとどまり復調の気配が見えます。
ただ戦績だけから紐解くとスピード勝負に弱かっただけという気もしますし、やはり本番は少し馬場が湿ったほうがいいような気はしますね。
血統面は近親に世界的な一流馬が多数おり牝系は申し分ありません。
ただサドラーズウェルズにアイリッシュリバーという配合はいかにも重たく、春のレースがいかにも負けすぎで勝負所でついていけるかな?という心配はあります。
7枠14番は勝ちに行くには少し外過ぎますね。
メイショウテンゲン
父:ディープインパクト 母の父:フレンチデピュティ
重賞戦線で活躍したメイショウベルーガの子ということで春先は期待されたメイショウテンゲンですが、どれだけ成長したか期待されたセントライト記念は11着に敗れてしまいました。
個人的には試金石となるレースとしてかなり注目していたのですが、どうしても負けすぎです。
血統的には母系がフレンチデピュティ×サドラーズウェルズということでスプリント力に優れたタイプでないことは明らかです。父がディープインパクトとは言っても切れ味勝負や時計勝負には苦手な配合です。
あとは距離延長はプラスに働くことは間違いないものの、前走のレースでの収穫のなさや大外8枠18番ではさすがに買えません。
ザダル
父:トーセンラー 母の父:Lemon Drop Kid
母系が少し軽すぎる気が・・・
ディープインパクト直仔のトーセンラーを父に持ち、母系はアメリカのスピード血統で構成されています。
問題はトーセンラーの母系もアメリカのスピード系なので若干スタミナ面には不安を感じます。
1枠1番に入ったことでロスのないコースを取れることになりましたが、母系も少し弱く最後まで踏ん張れるかは疑問ですね。
ナイママ
父:ダノンバラード 母の父:ジャングルポケット
札幌二歳Sで二着に入ったまでは良かったんですが、その後京都新聞杯の四着が目立つ程度で不振なのがナイママです。
父はディープインパクト産駒のダノンバラード、母系はジャングルポケット×ブライアンズタイムということで、どの馬も一度不振に陥ると中々立て直しにくい馬が並んでおり、一変は期待しにくいですね。
現在成績が絶好調なら、菊花賞は距離的に合いそうな馬だったんですが、消しですね。
ニシノデイジー
父:ハービンジャー 母の父:アグネスタキオン
鞍上強化で真の実力が分かるが・・・
前走セントライト記念は重馬場だったとはいえ、二番人気で五着に終わりました。そして話題となったのが西山オーナーの鞍上交代宣言です。
オーナーのブログによると騎手への応援も含めてここまで勝浦騎手を我慢して使っていたようですが、十分勝てるレースを慎重な乗り方に終始したことが我慢できなかったようで、本番はルメール騎手が乗ることがすでに報道されています。
これでいよいよ騎手が悪かったのか、単に馬が弱かったのかが分かるわけですが、正直なところ両方じゃないか?(笑)という気がしますね。
重賞は二勝しているもののあくまで二歳の重賞であり、三歳以降はメイショウテンゲンにさえ敗れているのはやはり気になりますし、GⅠホースになるのであればもうちょっと見どころのあるレースをしても良かったのかもしれません。
日本ダービーで五着だったことは僕も少し意外で評価できますが、血統的には三代母がスプリンターだったニシノフラワーという牝系出身ということで一瞬のスプリント力が武器の馬かもしれません。ハービンジャー産駒ということで中山など小回りのコースがいいのかなと思ていたのですが、牝系の血がでているとなるともしかたしたら東京競馬場のほうが合う馬だったということは成績からも考えられます。
またもう一つ心配な点は成長力という面ですね。ニシノフラワーやその子供たちが夏を越えて爆発的に成長を見せるタイプではないので、二歳の時のように他馬との違いを見せられるかというのは疑問です。
他には、ハービンジャーはイギリスのレースで大活躍しているとは言っても本質的には中距離血統の馬ということで、何となく不安な点だらけです。
そう考えると、勝浦騎手であれば間違いなく消しだったんですが、買える要素はルメール騎手という点だけになります。
→ 1枠2番に決定しました。ハービンジャー産駒に内枠は合っているとは思うのですが、昨年とは違いある程度底が見えた馬にルメール騎手が乗るのであれば買うより消してこそうま味はありそうです。
ただ、やっぱりルメちゃんは消しにくいですね(笑)。
シフルマン
父:ハービンジャー 母の父:サンデーサイレンス
祖母は秋華賞馬ファビラスラフィンということで血統的に気になる一頭です。
前走は逃げてスローになり絶好の展開でしたが勝った馬たちが強すぎたという印象です。
ただ前走は三か月振りのレースということや未勝利戦を勝ちあがった以降は大崩れしてないことを考えるとまだ少し見限るのは早いかな?という感じがしますね。
まだ未知数さや血統的なポテンシャルを考えてみるとニシノデイジーよりは少し面白いかなという気もします。
展開の利も期待して買ってみても面白い一頭です。
ヒシゲッコウ
父:ルーラーシップ 母の父:ファルブラヴ
スミヨン騎乗で人気しそうなものの・・・
誰が乗るか注目されましたが、結局鞍上はスミヨンに決定し、4枠7番に入ることになりました。
プリンシパルSで三着だっただけで四戦三勝、底を見せていないのが魅力です。
血統は父が菊花賞馬キセキを出したルーラーシップで、母系はシンボリルドルフやステルヴィオなども出しているスイートルナ系で不気味で、血統的なデータからは距離は合いますね。
爆発的なスピードの血があるわけではありませんが、良質なスピードの血が随所にちりばめられておりこの馬も不気味ではあります。
ただ、個人的には距離は合うと思うんですが、母系が少し古く、GⅠというよりもGⅢあたりで活躍するような血統という印象です。また、血統面からは気性は決して大人しそうという印象はありませんね。
いかにも菊花賞向きで伏兵としてピックアップされそうな馬なんですが、こういう馬まで押さえておくと絞り切れなくなります。
本質的には中距離馬であり、なんとなく最後は伸び切れず掲示板前後という姿が見えなくもないですね。
4枠7番でスミヨン鞍上で期待できそうな感じもしますが、菊花賞という特殊なレースでテン乗りと、不安な点はたくさんあります。
ヴァンケドミンゴ
父:ルーラーシップ 母の父:アグネスタキオン
良質なスピード型中距離馬が代々配合されている
もう一頭のルーラーシップ産駒がヴァンケドミンゴです。
現在のところ同じルーラーシップ産駒のヒシゲッコウに比べてかなり人気していないようですが、ここ三走の充実ぶりを見ると無視はしにくいですね。
実際のところ前走は古馬と三勝クラスで走り、勝ったプレステイキングと差のない競馬をしているのはもうちょっと評価してもいいと思いますね。
春は比較的出入りの激しい成績でしたが夏を越えて充実してくるルーラーシップ産駒ということを考えるとやはり無下にはできません。
血統面に関してもヒシゲッコウなんかに比べると僕はこちらのほうが目を引きますね。
祖母にオークス馬ウメノファイバーで全兄は皐月賞の二着馬サンリヴァルでバックボーンとしては十分です。
ルーラーシップ×アグネスタキオン×サクラユタカーは爆発的なスピードとは言えませんが、良質なスピードを持った中距離タイプが順番に配合されており、血統バランスという面では全出走馬の中でもかなり目を引く配合ですね。
凡走する可能性も十分あり得ますが、今のところ血統上・戦績上は消してはいけない馬ですね。
5枠9番ですが、できれば前で競馬がしたいですね。
カウディーリョ
父:キングカメハメハ 母の父:サンデーサイレンス
母はオークスの三着馬で重賞戦線で好成績を残したディアデラノビアです。
全姉にディアデラマドレもおり血統的ポテンシャルはありそうですが、成績的には重賞の壁はまだ厚そうという感じがしなくもありません。
血統は牝系がアルゼンチンの血統ですが、配合的には中距離型に感じます。
一流の実力があればすでにその片鱗を見せてはいいと思うのですが、ちょっとインパクトに欠けますね。
レッドジュニアル
父:キングカメハメハ 母の父:マンハッタンカフェ
ここ二走は敗因がしっかりとしている
京都新聞杯の勝ち馬ですが、日本ダービーは八着、前走神戸新聞杯は切れ負けして四着に敗れています。
ここ二戦は決め手で劣っているのが明らかな負け方ですから逆に距離延長はプラスに感じます。
社台ファームの生産馬ですがそこそこの牝系にマンハッタンカフェやスキャンなという若干あくの弱い種牡馬が配されており、いまいちパンチには欠けるかなという印象ですね。
キングカメハメハは母系の特色を出してくるので、こういった極端な距離のレースは若干買いにくいですね。
6枠12番はいいと思いますが、最後突き抜けるだけの脚はあるでしょうか。
メロディーレーン
父:オルフェーヴル 母の父:Motivator
血統は凱旋門賞向きの底力のある中長距離配合も体重が軽すぎる
数年ぶりの牝馬の出走というだけでなく、330㎏台という超軽量で話題となっている馬ですが、正直なところかなり厳しいでしょう。
走りを見る限りそこそこのスピードとスタミナを持ち合わせてはいるようですが、重賞級のメンバーに入って違いを見せられるかというとさすがに無理でしょう。
血統的にはステイゴールド系のオルフェーヴルにサドラーズウェルズ系のモチベーターにシャーリーハイツという配合で、凱旋門賞にかなり合いそうな配合ですが、どうしても牝馬なのと軽すぎるというのはマイナスですね。
4枠8番ですが、最後の直線で何頭かわせるかなぁという感じがします。とりあえず怪我無く無事に周ってくることを祈ります。
タガノディアマンテ
父:オルフェーヴル 母の父:キングカメハメハ
激走する下地はあるものの一勝馬
春先は個人的に少しだけ血統的ポテンシャルに期待していたタガノディアマンテですが、8枠17番に入ってしまいました。外過ぎますね。
兄二頭が重賞の勝ち馬で、さかのぼるとトゥザヴィクトリーがいる社台ファームの名牝系の出身です。
父があのオルフェーヴルで母系はキングカメハメハ×トニービンという一流の血が並んでいるのは好感がもてるんですが、バランス面で言うと少しクセが強い馬が並び過ぎかな?という印象は受けますね。
おそらく母の母の父にトニービンがいるので長距離に対する適性はあるのでしょうが、心配なのはスピードを際立たせるような血が薄いので、ここ一番で違いを生み出せるかというと期待はしにくいですね。
ユニコーンライオン
父:No Nay Never 母の父:High Chaparral
ここまで七戦三勝ですが重賞以外はのレースはしっかりと好走しています。
ただ前走の神戸新聞杯は好メンバーが揃った小頭数の中で切れ負けしての五着、勝ち馬からちょうど1秒離されたわけですが、このうち自分より前にいた三頭が出走してくるとなるとすでに勝負はついたとも言えますね。
血統面に関しては少し面白い配合で父ノーネイネヴァーはアメリカの三冠馬ジャスティファイの父として知られるスキャットダディ産駒でありながらヨーロッパで走った馬で、一流のスプリンターと言える成績を残しています。ユニコーンライオンは初年度産駒となりますが、産駒が高い勝ち上がりを見せて種付け料が跳ね上がっているようです。
父系は完全にアメリカ型であり母系も牝系はアメリカ型なんですが、母の父だけサドラーズウェルズ産駒の超一流馬ハイシャパラル(High Chaparral)が入っています。
かなり特殊な配合には感じますが、この母の父ハイシャパラルがいいアクセントになっている感じもするので、日本競馬だとどうも大舞台に弱い父系の底力を多少は補えているのではと思ったりもしますね。
本質的にはマイル以下でこそ力を発揮するような気がするのですが、距離が600m伸びて一変という血統かというと逆な感じはします。
2枠4番はこの馬にとっていい枠だと思いますが 、内枠をどこまで活かせるでしょうか。
枠が悪くないので、三着枠として買えなくはないんですがちょっと手は伸ばしづらいですね。
ディバインフォース
父:ワークホース 母の父:ゼンノロブロイ
少し地味な血統に見えますが、一応社台グループの一つである追分ファームの生産馬であり、馬主はそこの社長である吉田兄弟の三男吉田晴哉さんです。
詳細は不明なんですが、社台系の生産馬が吉田一族名義だった場合は、何らかの理由で買い手がつかなかったのでは?と勘ぐってしまいますね。実際に吉田晴哉さん名義でまだ超一流馬は現れていません。
血統はキングマンボ産駒ながらずぶい産駒が多いワークホースを父にもち、母系はゼンノロブロイ×アルザオという配合で、全体を通して少しスピード感には欠ける印象の配合です。
中長距離に合いそうなのは間違いないんですが、前走は古馬相手とは言え、馬場に適性がありそうな札幌の二勝クラスで五着に終わっており、さらにスピードが要求される菊花賞で活躍できるかと言うとかなり厳しいとしか言えません。
先行力があるわけではないので買える要素がないですね。
3枠6番。
予想
ざっと見た感じ今のところ本命に指名できる馬がいません。
こういう時はめっちゃ固く収まるか、大荒れなのでどちらでしょうか。
◎ ワールドプレミア
〇 ヴェロックス
▲ ヴァンケドミンゴ
△ シフルマン
× カリボール
穴 ホウオウサーベル、サトノルークス