二歳馬の中央開催初激突
先日(2018年10月6日)東京競馬場で行われたサウジアラビアロイヤルカップ(GⅢ、芝1600m)を振り返ってみたいと思います。
まずレースを振り返る前に、サウジアラビアロイヤルカップと言えば、昨年の勝ち馬はあのダノンプレミアム(父ディープインパクト)でした。このレースを勝ったあとも朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)や弥生賞(GⅡ)も圧倒的な走りで、どこまでの馬に成長するか期待が高まりましたが、皐月賞の回避から風向きが変わり始めて、あの絶対的な感じもどこかへ行ってしまいましたね。
これだから競馬というものは分からないという感じはしますが、逆にこの時期に凡馬そのものだった馬が後にGⅠホースとなったりするケースもあるので、これも一つの醍醐味ですね。
さて、サウジアラビアロイヤルカップですが、以前はいちょうステークスという名称で開催され、非重賞ながらもローカル開催などで勝ち上がってきた馬や秋になって新馬戦を勝ち上がってきた馬がぶつかる最初のレースとして非常に重要なレースでした。
勝った馬の中にはGⅠホースもいれば、そう言えばこんな馬いたなぁという名前も見つかりますが、東京競馬場の芝の状態がいい時期での1600mでの開催。ごまかしの効かないこのレースを振り替えてみたいと思います。
Contents
レース前の予想と見立て
グランアレグリア以外は少し決め手に欠ける
まず一番人気は名伯楽藤沢和雄きゅう舎の期待馬グランアレグリア(父ディープインパクト)でしたが、単勝人気も1倍台前半でした。
僕もこれじゃあ馬券にならないということであら捜しや他馬のチェックをしていたのですが、ライバルと見られていたシャドウエンペラー(ジャスタウェイ)、アマーティー、ドラウプニ(いずれも父ルーラーシップ)ルなどの新馬戦の状態をチェックしたものの、どの馬も少し切れ味に欠けるかなという印象でした。
しいて言えばアマーティーが新馬戦で中々いい走り方をする(上りタイムも33秒3)なと感じていたんですが、同レースを走った他の馬とそこまで脚色が違ったわけではないので、あくまで気になった程度で悪くはないかなというまででしたね。
他の下位人気の馬も最低人気トーラスジェミニ(父キングズベスト)を除いては良くも悪くもなくという印象でした。この馬の前走はアスター賞の5着でしたが、このレースの2着にはドラウプニルだったので、この馬だけは勝負づけが済んでいるとの判断で消しでした。
結局グランアレグリアほどの切れをもっている馬が存在しないとのことで、軸は間違いなく◎(本命)となりました。他の馬に関しては横一線との判断です。
そして問題が馬券だったんですが、当然単勝や馬連ではちっとも面白くないとの判断で勝負は三連単としましたが、一着グランアレグリアは確定としても残り六頭では配当的に面白くない。そこで最終的にもう一頭切らねばということで切ったのが、ブービー人気のドゴール(父サクラプレジデント)でした。
消した理由は特に人気がなかったので逆らわなかった(他の人気馬も消す理由がない)だけなんですが、父サクラプレジデントも少し敬遠した理由にはなりますかね。結局グランアレグリア頭にした軸の上位人気馬六頭での三連単でした。
サウジアラビアロイヤルカップ2018の結果
東京競馬場 芝1600m GⅢ 良馬場
1着 グランアレグリア 1分34秒0(先行抜け出し)
2着 ドゴール
3着 アマーティー
4着 ドラウプニル
5着 シャドウエンペラー
6着 トーラスジェミニ
7着 セグレドスペリオル
8着 サムシングジャスト
レースラップ
13.1-11.8-11.9-11.5-11.6-11.3-11.1-11.7
前半:36秒8 後半34秒1
1000mの通過59秒9
レース内容
レースはトーラスジェミニに外から若干行きたそうな素振りを見せながら引っ張る展開となりましたが、すぐに一番人気グランアレグリアが少し掛かりながら二番手まで上がってきました。実際並走するよう感じでしたね。ほかの馬は特に酷い出遅れなどもなく様子を見ながらというスタートでした。
三コーナー付近ではグランアレグリアも落ち着き各馬隊列を保ったまま直線を迎える形となり、直線各馬は追い出し始めます。ただ、グランアレグリア一頭馬なりで進み、他の馬が来るのを待ってから追い出すという形になりました。
結果的に勢いをつけると一瞬でセーフティーリードを開いて、最後は最下位となったサムシングジャスト以外はどの馬が脚色が同じようになったところがゴールでした。
レースの感想と気になった馬
まずかった馬グランアレグリアですが、一頭だけ力が違うという感じでしたね。
実はあとからnetkeibaでこの馬の情報を見るとすでに僕のお気に入り馬に入っていたんですがいつの間にチェックいれていたんでしょう、まったく記憶がありません(笑)。まぁそれぐらい前々から評判馬だったんでしょうが、噂に違わぬ勝ちっぷりでした。
レースもハイペースとは言いませんが、この時期のレースとしてはそこそこ早く1分切ったなかで、しっかりと伸びてきたことは評価できますね。
ただやっぱり気になるのはスタート直後行きたがったところと、出走馬のレベルの問題です。また、追い出しもギリギリまで引き付けるという余裕のレース内容でしたが、追い出してからさらにギアが上がった感じがそれほどなかったような印象も受けます。
今回は潜在的なスピード性能の違いで楽勝したという感じなんですが、レースのレベルが上がった時に追い比べで競り勝つことができるかというと、まだまだ信用できないかなという印象もうけました。
他の馬に関してはレース前の予想通り最下位となったサムシングジャスト以外は横一線ですね。二着入ったドゴールはサンデーサイレンス系らしい切れを一瞬出せたものの、前が垂れたのが幸いしたという見方もできます。また三着と四着のアマーティーとドラウプニルにはルーラーシップ産駒らしい決め手のなさ(笑)を発揮したとも言えます。ただ五着のシャドウエンペラーを含めて血統的にこれからどんどん成長してくる可能性もあるので、まだまだこのレースだけで見切るのも早計かなという気もしなくはないですね。これはグランアレグリアに対しても同じような印象を受けました。
現時点での完成度の差とも言えますが、二着以下の馬は現時点では重賞だと勝ちきるまでの力はないかなというのが全体的な感想です。
グランアレグリア
父:ディープインパクト 母の父:Tapit(その父Pulpit)
ディープインパクト産駒の中では少数派である先行タイプの馬ですね。ダノンプレミアムと似たようなレースぶりです。
血統的に見ると母の父Tapit(タピット)がどう出るかな?と気になってはいましたが、なんとなくそれっぽいレースぶりで、血統から受ける印象としては調子のいい時はしっかりと強い勝ち方をするようなタイプに見えました。
分かりやすく言うとタピット産駒のラビットランなんか昨年のローズステーククスで物凄く強い勝ち方をしましたが、その後の秋華賞やターゴイスステークスで4着に敗れ勝ちきれないなど微妙なレースが続きました。
そのイメージから考えると、現段階では軽視は出来ないものの、あまり人気しすぎると危ないタイプの馬かなという印象を受けます。