2019年の秋華賞を振り返ってみたいと思います。
今回の秋華賞は前日に超大型の台風19号が関東を直撃し、関西にも影響を及ぼしましたが、関係者の努力により無事開催にこぎつけました。この時期に開催したことに対して賛否両論はあるかと思いますが、それについてはここでコメントすることはあまり意味がないので触れないでおきます。
さて、前日は不良馬場で行われていた京都競馬場ですが当日はやや重まで回復していたようです。
今年は例年以上に距離不安を覚える馬がいるので、どこまで馬場状態が影響を与えるか心配されましたが、レースは春先にあと少しで涙を飲んでいた四番人気のクロノジェネシス(父バゴ)が見事レースを制し、GⅠ初勝利となりました。
春には一つ上の姉であるノームコア(父ハービンジャー)がヴィクトリアマイル(GⅠ)を制しており、姉妹による同一年のGⅠ制覇を達成となりました。
また父であるバゴにとってはビッグウィークの菊花賞以来の二度目のGⅠ制覇にもなりました。
他にも春は一強体制とまで言われて人気を背負っていたダノンファンタジーも出走していましたがレースのほうを振り返ってみたいと思います。
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秋華賞2019の結果
2019年10月13日 GⅠ 京都競馬場 芝2000m(内回り) やや重
着順
1着 クロノジェネシス × 1分59秒9
2着 カレンブーケドール
3着 シゲルピンクダイヤ
4着 シャドウディーヴァ
5着 ビーチサンバ
6着 ローズテソーロ
7着 ブランノワール
8着 ダノンファンタジー(一番人気) 〇
9着 エスポワール 穴
10着 フェアリーポルカ 穴
11着 シェーングランツ △
12着 トゥーフラッシー
13着 サトノダムゼル ▲
14着 シングフォーユー
15着 コントラチェック ◎
16着 フェアリーポルカ 穴
17着 レッドアスモス
取消 メイショウショウブ
ラップタイム
12.3 – 10.7 – 11.6 – 11.8 – 11.9 – 12.7 – 12.5 – 12.0 – 12.3 – 12.1
前半58秒3 - 後半61秒6(+3秒3)
レース内容
各馬いいスタートでしたがハナを主張したのはビーチサンバと外枠のコントラチェックでした。
他にもファノンファンタジーをはじめとする有力馬が前に行く形となりましたが、馬場状態や脚質を考えると比較的想定の範囲内だったものの、問題はやはりペースですね。
ビーチサンバが作り出したペースは前半58秒3というかなり速いペースであり、これは良馬場でも速いペースと言えるので先行馬は軒並みスタミナを奪われたことが考えられます。
さすがに1000mを超えた頃に一旦ペースを落ち着かせていますが、最後の3ハロンは12秒台で流れており、残ったスタミナを振り絞った消耗戦だったことがスタッツから分かります。
最後の100mは各馬脚色が同じになっていたので、各馬にとってかなり厳しいレースだったことでしょう。
勝ったクロノジェネシスや二着のカレンブーケドールは真ん中やや前目の位置取りから四コーナーで進出してきており、結果的にいい位置取りにいたと言えます。
二着のカレンブーケドールは終始クロノジェネシスの真後ろにつける形で追走しましたが、最後は勝負所で差をつけられ地力の差がでたという印象でしたね。
三着のシゲルピンクダイヤや四着のシャドウディーヴァは後方待機が活きた結果でしたが、ペース以外は各馬比較的思惑通りの位置取りが取れたレースだったのではないのでしょうか。
レースを見た感想
まず予想ですが、久しぶりの
大ハズシでした(汗)
ここまで上位馬に印をつけていなかったのは確か一昨年のヴィクトリアマイル以来のような気がしますが、いつもは外れるにしても納得の馬が来たりするもんですが、今回はなんとなく頭の外にあった馬が来たという感じで、自分的に予想手法のアップデートを行っている最中です。大反省しています。
まぁ理由としては前後半で3秒も遅くなるという前傾ラップも理由の一つですが、それでも上位に来たのが例年の傾向を打ち破って非ヨーロッパ型の馬が占めたのは意外でしたね。
藤沢きゅう舎の中長距離タイプということを頭に入れておくべきだった
そう考えると、もしかして今年の牝馬はレベルが低いのかな?という気もしなくはないのですが、コントラチェックやシェーングランツという藤沢和雄きゅう舎の二頭が思いのほか大敗したのは印象的でした。
いずれも休み明けでプラス体重でしたが、藤沢きゅう舎はこういうモッサリしたヨーロッパの中長距離タイプの牝馬はソウルスターリングの例もあるようにあまり育成がうまくないのかもしれませんね。このあたりは今後も頭の片隅に置いておきたいと思います。
今回は完全にルメール&武豊騎手騎乗というのにも騙されました。
一番人気だったダノンファンタジーは、これについては敗因は完全に馬場や距離と言えるでしょう。条件替わりで巻き返しはあるでしょう。
春の実績馬が上位に来た
上位馬ですが、メンツを見ると結果的には春の実績馬が人気を落としながら上位に来たという感じですね。
レース前は新興勢力であるエスポワールやサトノダムゼル、成長に期待されたコントラチェックやシェーングランツが人気を分け合っていましたが、なんてことはない春にしっかり走っていた馬を買えば、取れた馬券だったとも言えますね。
これだから競馬は難しいですね。
底が見えたディープインパクト産駒は買ってはいけない
教訓としてはディープインパクト産駒の最先着がカレンブーケドールの二着だったのですが、今回のディープ産駒のオークスと秋華賞の着順を見比べると、カレンブーケドール、ダノンファンタジー、シェーングランツ、コントラチェックの順という風に同じ並びになっているので、底が見えたディープインパクト産駒を過剰評価してはいけない、この鉄則をしっかりと守るべきでした。
機械的な判断をするのであれば、買ってよかったのはカレンブーケドールとサトノダムゼルだけだったという結論となります。
有力馬の寸評
クロノジェネシス (一着)
今回の勝ち馬ですが、予想段階で指摘していたとおり、やっぱり力がある馬ですね。心配なのは血統上徐々に尻すぼみになっていくところですが、調子がよく牝馬限定レースなど自己条件に出ているうちは買いですね。今回は多少展開がハマったという感じも少しあるので過剰評価も禁物かと思います。
カレンブーケドール (二着)
母系がアメリカ系の血統ということで完全に軽視してしまいましたが、これでオークスと秋華賞を続けて二着。改めて戦績を見直すと馬券をはずしたのもデイリー杯の四着のみなので力はあるんでしょうね。
ただ相手なりに走るんでしょうか、勝ちきれない馬という感じがします。牡馬相手はやはり割引はいるでしょうし、紫苑ステークスは一体なんだったんでしょうか。
シゲルピンクダイヤ (三着)
十番人気での三着ということで巻き返してきました。ただやっぱり今回は展開がハマった感が強く、ローズステークスの四着というのが本来の姿でしょう。
個人的にはダイワメジャー産駒ということで完全に切ってしまいました。
ダノンファンタジー (七着)
春先の天才少女ぶりもなんだかさび付いてきたような感じがします。
結局この馬も他のディープインパクト産駒同様夏を超えて本来の姿を見せ始めたということでしょうか。同じタイプでの比較で言えば何となくラッキーライラックのほうが強い気がしてきました。