スワーヴリチャード対サトノダイヤモンド
一昨年の有馬記念は直接対決でキタサンブラックを破るなど、ついにディープインパクト産駒の牡馬から超大物が出るのかと期待されたサトノダイヤモンドですが、昨年のフランス遠征では二戦ともいいところなく敗れ(フォア賞4着、凱旋門賞15着)、2017年は我慢の年でした。
明けて2018年となった今回の金鯱賞(GⅡ、中京競馬場、芝2000m)、サトノダイヤモンド復活のレースとなるのか期待されるところですが、立ちはだかるのは明け4歳、間違いなく今年の古馬戦線の主役の一頭になってくるスワーヴリチャードです。
果たして今回の新旧対決はどちらが勝ったのか振り返ってみたいと思います。
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レース前の予想
力関係ではスワーヴリチャードとサトノダイヤモンドの二頭が間違いなく別格に抜けており、他ヤマカツエースからデニムアンドルビーなどが横一線で並んでいると見ていましたが、サトノダイヤモンドは休養明けやまだ本調子ではないということで評価を下げました。
◎スワーヴリチャード(9)
〇ヤマカツエース(1)
▲サトノダイヤモンド(5)
△メートルダール(2)
×ダッシングブレイズ(6)、ブレスジャーニー(3)
注デニムアンドルビー(7)
金鯱賞2018のレース結果
中京競馬場 芝2000m やや重
1着 スワーヴリチャード 2分1秒6
2着 サトノノブレス
3着 サトノダイヤモンド
4着 ヤマカツエース
5着 ダッシングブレイズ
6着 ブレスジャーニー
7着 デニムアンドルビー
8着 メートルダール
9着 アクションスター
レースラップ
13.3-11.9-13.1-12.9ー11.8-12.4-12.0-11.4-11.2-11.6
前半1000m:1分3秒0 後半1000m:58秒6
レース内容と感想
逃げ馬不在の中サトノダイヤモンドの対同馬として実績のあるサトノノブレスがレースを引っ張る形となり、これにダッシングブレイズ、スワーヴリチャードが続き、その直後にサトノダイヤモンドやヤマカツエースなど有力どころが控え、最後方をアクションスターが進む形となりました。
戦前の予想からするとダッシングブレイズが思ったより前に行った以外はほぼ想定通りでしたね。ヤマカツエースは前に行くこともできたでしょうが、控えました。
レースは予想通りスローでしたが馬場がやや重たかったとは言え、1分3秒0は後半と4秒4も差があることを考えるとこのクラスのレースとしては超がつくスローペースでした。
結果的に逃げたサトノノブレスが展開などに助けられ逃げ粘る形になり、その直後を進んだスワーヴリチャードはやや行きたそうにしていたものの、直線あっさり抜け出しての勝利でした。
これだけ力のある馬に超スローペースで先行を許せば、他の馬はどうしようもありませんでしたね。
サトノダイヤモンドも中団からよく伸びてきましたが3着どまりでしたが、他の有力どころはメートルダールが思いのほか凡走したことを除けば力通りの結果でしたね。
各馬寸評
スワーヴリチャード
道中かなり行きたそうにしていましたが、13秒台まで落ち込んだラップが2回もあれば仕方のないところでしょう。
それ以外は盤石のレース運びで拍子抜けするぐらいの完勝でした。ギアチェンジもスムーズなこの馬にこのような競馬をされてはどうしようもないでしょう。
この馬の場合左回りが上手いのは間違いないとは思いますが、個人的には世間で言われるほど右回りが下手だとは思いません。
どうしても有馬記念でよれたり、皐月賞でも掲示板を外したという過去はありますが、いずれも最終コーナー前から仕掛けるかなり地力が必要な展開だったのが原因だったと考えられます。
この馬の長所は勝負所での一瞬のスピードであり、今回のようなレースが理想でしょうね。大外ぶん回しというタイプではないでしょう。
サトノダイヤモンド
凱旋門賞以来5か月ぶりの実践となりましたが、僚馬サトノノブレスをかわし切れずの3着でした。
これを復調したと考えるか、良化途上と考えるかは微妙なところですが、僕の感想は
”この馬はもしかしたら思ったほど強くない?”
ということですね。
久々の実践と考えると合格点ですし、陣営もそれほど無理をさせたくなかったとは思うので十分想定の範囲内の結果でしょうが、勝負所でちょっと置いていかれたのは地力のなさのような感じがします。
個人的にはディープインパクト産駒の牡馬として初めて有馬記念を勝った馬なので、ジェンティルドンナ以来の超大物になり得るかな?とは感じていたんですが、そこまでの素質馬であれば今回のような条件も跳ね返してほしかったところですね。
今回のレースから次走は間違いなく巻き返してくるでしょうが、ギアチェンジの遅さなどを考えるとやはり理想はロングスパートができるような展開だと思います。
そういった点では天皇賞・春なんかが大目標になるでしょうが、今回のレース内容からはキタサンブラックのような絶対的な存在まではいかず、今回戦ったスワーヴリチャードやシュヴァルグラン、レイデオロなどと同等程度のように映りました。
サトノノブレス
8歳にして2着に粘りましたが、完全にこの馬を舐めてました。スミマセン。
ただ、レース展開を考えるとかなりのサービスレースでしたね。逃げたこの馬が34秒2で上がれたということは相当楽な展開だったのは間違いなく、他の有力馬たちの完全なミスでしょう。
また、後で気付きましたがこの馬中京競馬場の相性が滅茶苦茶いいですね。これで金鯱賞2着二回、3着二回となりますし、狙えなくはなかったですね。
ただ今後は同競馬場のレースで過剰人気しそうなので切りですね。今回のように楽はさせてもらえないでしょう。
ヤマカツエース
昨年、一昨年の優勝馬も伸びきれず4着でした。
位置取りとしてはスワーブリチャードに近い位置にいたので完全に力負けですが、+12キロということを割り引いても瞬発力などという点ではGⅠ馬の器ではないですね。
今回のレースはあくまで叩きのレースだったとしても個人的には勝つためのレースをしてほしかったところですね。
スワーヴリチャードをなんとかできるとすれば前にも行けそうなこの馬だと考えていただけに無策過ぎました。
後ろから追いかけて勝てるわけないでしょうしね。
ダッシングブレイズ
このブログではよく取り上げるkitten’s Joy産駒なので気になって見ていたんですが、今回の出走馬の有力どころの中では唯一積極的な競馬でした。結果はどうあれファンとしては評価できます。
勝ったスワーヴリチャードと同じような位置からの5着ということですが、今回のような上りの競馬、後傾ラップのレースだとやはり血統的な瞬発力不足は明らかです。
元々エンジンのかかりは遅いとは感じてはいたんですが、力量的にはやはりGⅢクラスという感じもしますし、レース内容に色々注文がありそう(中距離で平均ラップがベスト)なタイプに見えました。