マイル路線の有力馬の現在の立ち位置を知る上で重要なレース
土曜日(2018年10月20日)に東京競馬場で行われた富士ステークス(GⅢ)を振り返ってみたいと思います。
今回は昨年のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)の勝ち馬であるペルシアンナイトやその時の二着馬であり重賞三勝、掲示板を一度も外したことがないエアスピネルが出てくるので、僕としては非常に楽しみなレースでした。
両馬の他にも僕一押し(POGの指名馬なだけ)のジャンダルムや、ヴィクトリアマイルの三着馬レッドアヴァンセなども登録してきたのでGⅠ級のメンバ―といっても遜色はなかった感じでしたよね。
反省点や今後の注目馬も含めて反省会(笑)を行います。
すべては11月のマイルチャンピオンシップ(GⅠ)のためです。
Contents
事前予想
事前の僕の予想ではエアスピネル、ペルシアンナイトが抜けていて、他の馬はどこまで迫れるかというのが見立てでした。
ただエアスピネルは詰めが甘い、ペルシアンナイトは血統的・実績的に東京コースが苦手、ジャンダルムは高速馬場で未知数というのが戦前での評価であり不安点ではありました。
◎ エアスピネル
〇 ペルシアンナイト
▲ ジャンダルム
△ レッドアヴァンセ
× クルーガー
注 マルターズアポジー
富士ステークス(GⅢ)の結果
1着 ロジクライ 1分31秒7
2着 ワントゥワン
3着 レッドアヴァンセ △
4着 エアスピネル ◎
5着 ペルシアンナイト 〇
7着 ジャンダルム ▲
9着 クルーガー×
14着 マルターズアポジー 注
レースラップ
12.4 – 10.9 – 11.3 – 11.3 – 11.5 – 11.0 – 11.6 – 11.7
前半3F:34秒6 後半3F:34秒3(勝ち馬33秒9)
レース内容
レースは戦前の予想どおりマルターズアポジーが単騎で逃げ、それをロジクライやウインブライト、ウインガニオン、クルーガーなどが追いかけるという展開でした。
逃げたマルターズアポジーの1000mの通過は57秒4、二番手を追走したロジクライの57秒8のタイムは少し速く感じますが、前半と後半3Fを比べると後半のほうが速く、ラップタイムに変化もないので結果的には平均的なペースだったことが分かります。
結果的に二番手追走したロジクライが粘りこみ一着、二着には追い込んできたワントゥワンが入り、あとは先行もしくは中団待機した有力馬が伸びてくるという結果でした。少し力の劣る先行馬は最後馬群に沈んだという形となりました。
富士ステークス2018の感想
まず、率直な感想としては相変わらず時計が速いし、前が止まらないなというのが印象でした。だから負け惜しみではないのですが、あれだけのラップで前に行った馬に粘られたのでしょうがないというのも正直なところです。
また、マイルのGⅢで簡単に1分31秒台が出てしまうというのは馬が強くなったのが、馬場が固すぎるのか、馬への負担を考えると若干心配な問題とはかんじましたね。
内容を見ていくと、勝ったのはロジクライでしたが、正直なところ力はエアスピネル、ペルシアンナイト両頭からは一段落ちるとは感じていたものの、ジョッキーの判断なんでしょうか思ったより前にいってそのまま残ってしまいました。タイムがタイムなだけにフロックではないものの、後ろの馬も58秒台で入って33秒台前半で上がってきていることを考えると、相当ばてにくい馬場で、展開の利を受けたように感じます。
主力どころではエアスピネル、ペルシアンナイトは後ろにつけていたのでは間に合わないと見て比較的前目ではありましたが、それでも届かなかったですね。この馬たちの1000mの通過も58秒台と通常であれば比較的速めの入りですし、勝ちパターンに持ち込みやすい通過タイムだったと思います。個人的にはさらに前目につけるのは少しギャンブル的要素も出てくるので、しょうがなかったかなという感じもします。(エアスピネルに関しては新境地を開拓するためにもっと前目に行くという実験をしてもよかったのかもしれません)
あと僕がこのレースが試金石と見ていたジャンダルムに関しては完全に馬場が合わないという感じでしたね。33秒台の脚が必要となるレース・展開だと血統的にも厳しいというのがはっきりしました。
あと展開に関しては特に出遅れた感じもなかったのですが、なぜか後ろから行きましたね。武豊騎手なので何か思惑があったのかもしれませんが、今回のレースを経験したことでまた違った乗り方をしてくることは十分予想されます。
他には2着に来たワントゥワンですが、後ろ目の馬では唯一伸びてきました。これで三戦連続の重賞2着ですし、上位勢相手でも力が通用することが分かったのは収穫でした。
気になった馬と今後の注目馬
ロジクライ
個人的には今回二頭が強いと思っていたので馬券対象から外していたんですが、ルメールが乗っていましたし気になっていた一頭で、一番来てほしくない馬でした(笑)。
僕はレースの予想をまず馬の格、そして次に血統的補整などをかけていくスタイルなんですが、今回はこの馬の見切りが速かったかなと思います。
ただ、今回レースを勝ったといってもまだ全幅の信頼を置いているわけではなく、今回のような条件であれば買えるという程度なんですが、同じハーツクライ産駒ということもありジャスタウェイというパターンも考えられ軽視もできません。
あとこういった強い馬が集まった東京コースで二、三番手からハーツクライ産駒が抜けてくるのは妙にしっくりくるのは気のせいでしょうが。いつも決まるわけではないのですが、ハーツクライの東京コース先行ちょい差しは伝家の宝刀ですよね。
エアスピネル
今回は武豊騎手がジャンダルムに乗っていたこともあり、福永騎手がテン乗りでした。以前から武豊騎手も仕掛け所の難しい馬と言っていたように、力はあるものの馬券的に信頼はしずらいですね。
ペルシアンナイト
もうなんというかお約束の東京コースの凡走でしたね。
このメンバーであればもう少し形になると思っていたんですが、やっぱりそこまで時計勝負への適性はないようです。ただそれでも五着に来たのはさすがで、次もデムーロが乗ってくれば買いです。
ジャンダルム
やっぱりマイルが合うよなと思いつつ、東京コースはまったく合っていないとは思っていたんですが、予感は的中しました。
今回直線でもがいている姿をみて妙に納得してしまいましたが、血統的(父キトゥンズジョイ)にはやっぱりもう少し馬場が荒れたぐらいのほうがいいと思います。
ただ、今回の結果で後方待機して伸びる馬でないこともはっきりしましたし、ローカルの中距離とかのほうがいいんでしょうかね。それか一回香港でもいいので海外で走らせてみたい血統ではあります。
ワントゥワン
この高速馬場で後ろから伸びてくるのは驚きました。
ディープインパクト産駒らしい鋭い伸びでしたが、戦績を調べてみるとスタッツ的にはデビュー以来上りタイムですべてトップ3以内に入っています。
ディープインパクト産駒の走りそうで走らないパターンである、超スローからの切れのある末脚ではなく、平均ラップからの鋭い切れ味(58秒8で入って33秒2で上がっている)なので評価していいと思いますね。
血統的背景も十分でサトノアラジンぐらいにはなるかもしれません。