先日の土曜日(2017年11月11日)第52回デイリー杯2歳ステークス(GⅡ、京都競馬場、芝1600m)に関する記事です。
前回の記事ではこのレースに出走する予定のジャンダルムの父Kitten’s Joyの血統について考察しましたが、果たして結果はどうなったのでしょうか。
デイリー杯2歳ステークス2017レース結果と全着順
着 順 |
枠 番 |
馬 番 |
馬名 性齢⁄馬体重⁄B |
タイム (着差) |
通過順位 上3Fタイム |
騎手 | 人気 (オッズ) |
調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | 3 | ジャンダルム 牡2/484(+4)/ |
1.36.3 | 05-05 34.4 |
A.アッゼニ 55.0 |
5 (7.3) |
池江 泰寿 |
2 | 8 | 8 | カツジ 牡2/476(+4)/ |
1.36.5 1 1/4馬身 |
02-02 35.0 |
松山 弘平 55.0 |
4 (5.4) |
池添 兼雄 |
3 | 5 | 5 | ケイアイノーテック 牡2/472(+22)/ |
1.36.9 2 1/2馬身 |
04-0335.1 | 川田 将雅55.0 | 3(5.2) | 平田 修 |
4 | 2 | 2 | フロンティア 牡2/450(+6)/ |
1.36.9 アタマ |
03-0335.2 | 岩田 康誠55.0 | 1(2.4) | 中内田 充正 |
5 | 8 | 9 | ナムラアッパレ牡2/466(0)/ | 1.37.32 1/2馬身 | 05-0535.4 | 国分 優作55.0 | 9(277.9) | 目野 哲也 |
6 | 1 | 1 | ロードイヒラニ牡2/464(+2)/ | 1.37.51 1/4馬身 | 08-0735.3 | A.シュタルケ55.0 | 6(36.2) | 千田 輝彦 |
7 | 7 | 7 | カクリョウ牡2/476(+6)/ | 1.37.5クビ | 01-0136.5 | 岩崎 翼55.0 | 8(221.2) | 加藤 敬二 |
8 | 6 | 6 | ヒシコスマー牡2/476(-4)/ | 1.38.88馬身 | 05-0736.8 | 浜中 俊55.0 | 7(38.8) | 清水 久詞 |
中止 | 4 | 4 | メガリージョン牡2/470(0)/ | 09-00– | M.デムーロ55.0 | 2(4.7) | 野中 賢二 |
(Sportsnaviより)
レース内容と感想
レースは良馬場で行われましたが、先々週の雨の影響がまだ残っているのか、このレースを含めてすべて時計がかかっており、芝の状態はかなり悪かったようです。そのため勝ちタイムも1分36秒1と平凡なものでしたがこれはしょうがないでしょう。
レース内容を見ると前半の4ハロンの通過が48秒7、後半は結局47秒4で上がった計算になるので、前半スローの後傾ラップになりました。勝ったジャンダルムは6着のロードイヒラニとともにスタートがよくなかったのですが、4コーナーは少ししかけるだけで先頭集団に並びかけていけてるので、かなり手ごたえがよかったのだと推測できます。
ラップを見ると2ハロン目以外で11秒台に入ったのが最後の2ハロン(11秒6-11秒3)だけなので、完全に直線だけのレースになっています。そのためこのレースでは各馬の決め手ぐらいしか収穫がありませんが、勝ったジャンダルムと2着のカツジについては直線で他の馬を月はなす形になったのでかなりの見どころを感じます。
逆に好位にいた1番人気フロンティア以外は勝負どころで置いていたところを見ると、若干決め手には欠けるといった印象だったので、これからの変わり身の可能性は残されていますが、もうちょっと機動性がほしいところですね。
好走馬・気になった馬寸評
ジャンダルム
父:Kitten’s Joy 母の父:サンデーサイレンス
前回の記事で取り上げていたのでかなりチェックしていた馬なんですが、かなりいい内容での勝利でした。時計がかかるレースだったので、パンパンの良馬場になった時にどういったレースをするのかまだ未知数の所がありますが、今回のレース内容だとおそらく2000mまでは安心して見れそうですね。
レースセンスや決め手もそこそこ持っていそうですが、爆発的な末脚という感じではなさそうなので、今後はスタートをせめてイーブンにきれるようになってもらいたいものですね。
あとこの馬が5番人気だったことに驚いたのですが、実は前回のこの馬の血統を調べた時に走ると見込んで、実はウマニティというサイトのPOGで指名して見事ゲット(入札制なんです)していました。そういう関係で個人的には今後はかなり注目して見る馬になりそうです(笑)。
カツジ
父:ディープインパクト 母の父:ホワイトマズル
まだ1勝馬の身だったのでそれほど注目はしていなかったんですが、唯一ジャンダルムに肉薄したので力はあるのでしょう。ただ直線途中で振り切られたことを考えると、上に行くとやはり少し決め手不足にはなるでしょうね。ただ、先行した中では一頭だけ違う脚を使ったのでかなり力はあると思います。
血統をチェックすると、母メリッサは北九州記念(GⅢ、1200m)を勝つなど短距離で活躍しているものの、ホワイトマズル×トニービンという配合でスピードタイプというよりも、かなりスタミナを内在していると言えます。このあたりはリファール~ダンシングブレーヴの性質によくあるパターンなので、父ディープインパクトが掛け合わされることにより長距離までこなせる可能性は十分にありますね。
逆に難点を言えば母系にNureyevやStorm Cat、Danzigなど重賞の活躍馬によく入っている血がないことですね。こういったタイプは時計勝負にあまり強くないので、上のクラスで勝つには少し条件の必要なタイプなのかもしれませんね。小気味良いスピードはおそらくお母さんから引き継いでいると思うので、母系のイメージで見ておいたほうがいい馬なのかもしれません。
一回2000mあたりでどういったレースをするのか見てみたいですね。
フロンティア
父:ダイワメジャー 母の父:トニービン
前走新潟2歳ステークスは上がり3ハロン32秒9の末脚(勝ちタイムは1分34秒6)ということで注目を集め1番人気でしたが、直線に入った瞬間に置いて行かれました。先行したせいもあるのかもしれませんが、すこしギアチェンジに時間のかかるタイプなのかもしれませんね。
血統は父ダイワメジャーは仕上がりが速く2歳戦や短距離で活躍していますね。妹のダイワスカーレットが距離が伸びても活躍しているのでスタミナ内在型のスピードタイプですが、持ち味は先行力といった馬が多いのでフロンティアも父ダイワメジャーの性質を引き継いでいるのでしょう。
母系を見ると祖母ゴールデンサッシュはあのサッカーボーイの全妹で名種牡馬ステイゴールド(父サンデーサイレンス)のお母さんで、日本でも有数の活気のある母系と言えます。この系統はかなり気性の激しい馬が多く、またそういった馬が活躍していますね。
この馬もカツジと同様母系にトレンドのスピードの血がありません。母の父トニービンも昔は決め手の鋭い東京コースの鬼として知られましたが、最近は底力のあるスタミナタイプに見られているようで、配合としてはスタミナよりに感じます。父ダイワメジャーがどこまでスピードを補完できているのかは分かりませんが、イメージとしてはステイゴールド産駒に近い見方をしておいくと馬券は買いやすいのかもしれませんね。
血統的にまだまだ馬が変わってくる可能性がありますが、まだ見限るのには早く要観察といったところでしょう。古馬になって本格化というのもあり得ますね。