凱旋門賞の血統傾向

投稿者: | 2019年9月19日

凱旋門

日本馬はヨーロッパの馬場で通用するか

先日アイルランドで行われた愛チャンピオンステークス(GⅠ、芝10ハロン、Irish Champion Stakes)は日本からディアドラが参戦し四着(八頭立て)でしたが、ゴール前では一番の脚を使っていたということもあり、負けて強しの印象でした。

前走、イギリスで行われたナッソーステークス(GⅠ)を勝利していたディアドラでしたが、ヨーロッパの一流馬相手でも十分勝負になることが分かり、馬券を買う側としても収穫は大きかったような気がします。

さて、2019年は例年以上に日本馬の海外挑戦が目立ちます。

ドバイや香港は例年通り、何頭かの馬たちが挑戦し結果を残していますが、今年の夏・秋はディアドラだけでなく、シュヴァルグランやキセキ、フィエールマン、ブラストワンピースなどがヨーロッパに乗り込みヨーロッパの一流馬に挑戦しようとしています。

故障で引退してしまいましたが、今年の日本ダービー馬であるロジャーバローズも当初は凱旋門賞への挑戦を宣言していました。

そこで今回はキセキなどが挑戦を予定している凱旋門賞の血統傾向について調べてみたいと思います。

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過去の凱旋門賞の結果

(2018年) エネイブル

一着 Enable(エネイブル) 父:Nathaniel(Galileo~Sadler’s Wells系) 母の父:Sadler’s Wells:一番人気
二着 Sea of Glass(シーオブグラス) 父:Sea The Stars(Cape Cross~Danzig系) 母の父:エルナンド(Nijinsky系):二番人気
三着 Cloth Of Stars(クロスオブスターズ) 父:Sea The Stars 母の父:Kingmambo(Mr Prospector系):十番人気

シーオブグラスと同率で二番人気のフランス調教馬であるヴォルトガイスト(父Galileo)は四着。

(2017年) エネイブル

一着 Enable(エネイブル) 父:Nathaniel 母の父:Sadler’s Wells:一番人気
二着 Cloth Of Stars(クロスオブスターズ) 父:Sea The Stars 母の父:Kingmambo:八番人気
三着 Ulysses(ユリシーズ) 父:Galileo(Sadler’s Wells系) 母の父:Kingmambo:三番人気

二番人気ウインター(父Galileo)は九着。

ちなみにクロスオブスターズとユリシーズは同い年でいとこ同士です。

(2016年) ファウンド

一着 Found(ファウンド) 父:Galileo 母の父:Intikhab(Roberto系):五番人気
二着 Highland Reel(ハイランドリール) 父:Galileo 母の父:Danehill(Danzig系):九番人気
三着 Order of St George(オーダーオブセントジョージ) 父:Galileo 母の父:Gone West(Mr Prospector系):七番人気

一番人気ポストボンド(父Dubawi)は五着。

(2015年) ゴールデンホーン

一着 Golden Horn(ゴールデンホーン) 父:Cape Cross(Danzig系) 母の父:Dobai Destination(Kingmambo~Mr Prospector系):三番人気
二着 Flintshire(フリントシャー) 父:Dansili(Danzig系) 母の父:Sadler’s Wells:五番人気
三着 New Bay(ニューベイ) 父:Dubawi(Seeking the Gold~Mr Prospector系) 母の父:Zamindar(Gone West~Mr Prospector系):二番人気

一番人気トレヴ(父Motivator)は四着。

フリントシャーはエネイブルのいとこにあたります。

(2014年) トレヴ

一着 Treve(トレヴ) 父:Motivator(Sadler’s Wells系) 母の父:Anabaa(Danzig系):七番人気
二着 Flintshire(フリントシャー) 父:Dansili 母の父:Sadler’s Wells:十一番人気
三着 Taghrooda(タグルーダ) 父:Cape Cross 母の父:Sadler’s Wells:一番人気

二番人気アヴニールセルタン(父Le Harre)は十一着。

(2013年) トレヴ

一着 Treve(トレヴ) 父:Motivator(Sadler’s Wells系) 母の父:Anabaa(Danzig系):二番人気
二着 オルフェーヴル 父:ステイゴールド 母の父:メジロマックイーン:一番人気
三着 Intello(アンテロ) 父:Galileo 母の父:Danehill:四番人気

三番人気キズナ(父ディープインパクト)は四着。

(2012年) ソレミア

一着 Solemia(ソレミア) 父:Poliglote(Sadler’s Wells系) 母の父:Val de l’Orne(ブランフォード系):十二番人気
二着 オルフェーヴル 父:ステイゴールド 母の父:メジロマックイーン:一番人気
三着 Masterstroke(マスターストローク) 父:Monsun(ブランフォード系) 母の父:ラムタラ(Nijinsky系):六番人気

二番人気キャメロット(父Montjue)は九着。

(2011年) デインドリーム

一着 Danedream(デインドリーム) 父:Lomitas(Ninisky系) 母の父:Danehill:十一番人気
二着 Shareta(シャレータ) 父:Sinddar(Chief’s Crown~Danzig系) 母の父:Barathea(Sadler’s Wells系):十五番人気
三着 Snow Fairy(スノーフェアリー) 父:Intikhab 母の父:Charnwood Forest(In Reality系):八番人気

一番人気サラフィナ(父Refuse to Bend)は七着。

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過去の結果から見えてくる血統傾向

ガリレオ直仔は勝ちきれない

イギリスやアイルランドのレースでは底力を発揮して、圧倒的な強さを誇るガリレオ産駒ですが、実は直仔に限定すると2016年のゴールデンホーンしか勝っていません。

他のダービーや主要GⅠレースでの強さを考えると苦手とも言える感じなのですが、2016年は三着まで独占したとは言っても、他の年ではやはり目立ちませんね。

ただこれは直仔に限定した話で、最強馬エネイブルの父ナサニエルはガリレオ産駒となります。

ドバウィ産駒は不振

現在ガリレオやシーザスターズなどとともにヨーロッパで存在感を放つのがドバウィですが、凱旋門賞では結果を残せていないようです。

2015年に三着に入ったニューベイがいいるぐらいで、ガリレオが三着まで独占した2016年はドバウィ産駒が四頭出走して、人気して飛んでいるので、この馬たちのおかげという見方もできます。

2016年はポストポンドが一番人気で五着、ニューベイが四番人気で七着、レフトハンドが六番人気で十二着、ヴェデヴァニが十六番人気で十着といった具合です。

ガリレオ直仔以上に信頼はできませんね。

Dubawi産駒の近年の凱旋門賞での着順

2018年 出走なし
2017年 Zarak(ザラック)10着(六番人気)、Plumatic(プリュマティック)13着(十八番人気)
2016年 Postpond(ポストポンド)5着(一番人気)、New Bay(ニューベイ)7着(四番人気)、Left Hand(レフトハンド)12着(六番人気)、Vedevani(ヴェデヴァニ)10着(十六番人気)
2015年 New Bay(ニューベイ)3着(二番人気)、Erupt(イラプト)5着(八番人気)
2014年 Al Kazeem(アルカジーム)10着(十八番人気)
2013年 Al Kazeem(アルカジーム)6着(七番人気)、

キングマンボはミスタープロスペクター系で一番信頼できる

近年の凱旋門賞の血統だけを辿っていくと父系、母系ともにほぼノーザンダンサー系が占めていますが、目につくのがキングマンボの血です。

サドラーズウェルズ系やデインヒル系との配合で結果を残しており、ヨーロッパのクラシックディスタンス血統にキングマンボの血が入っていると十分買えますね。

日本から遠征して二着に入ったエルコンドルパサーもキングマンボ×サドラーズウェルズという配合ですし、当時は距離不安もありましたが、今考えると血統的には走って当然だったということになります。

フランスの在来血統にも注意

近年のヨーロッパのレースはガリレオをはじめとするサドラーズウェルズ系やシーザスターズなどデンヒル系の馬ばかりが勝っていますが、凱旋門賞はやはりフランスのレースなだけあって時折フランスで育まれた血統の馬が好走しています。

馴染みのない血統だからと言って軽視は禁物ですね。

イギリス・アイルランド色の強くない馬が好走

近年の一流馬や出走馬を見ているとほとんどの馬にサドラーズウェルズの血が入っているので、サドラーズウェルズの血が重要というのはナンセンスな話になります。

そこで、どういった馬が好走するのかも中々これといった特徴も絞りにくいのですが、昔から上位馬に共通しているのはどの馬もゴリゴリのイギリス血統ではない点です。

エネイブルは例外中の例外としても、例えば2016年のガリレオ祭りの時の上位馬の母の父はインティカブ、デンヒル、ゴーンウエストとアメリカやオーストラリア、日本などでも通用するような血が入っているのが特徴です。

シーザスターズやケープクロスなどの父系も最近イギリスやアイルランドの活躍が目立ちますが、凱旋門賞での好走馬はやはり母の父にキングマンボがいるなどやはりハイブリッド型の配合となっています。

気になるシャーリーハイツの血を持つ馬の活躍

中々共通点を見出しにくい凱旋門賞ですが、五代血統表を見ていると目につくのが母の母の父Shirley Heights(シャーリーハイツ)というパターンです。

シャーリーハイツと言えば90年代にミルリーフ系種牡馬としてヨーロッパで活躍馬を出しましたが、最近は母系でさえも存在を失いつつあります。

ただここにきてこの血を引く馬が活躍しているのはたまたまなんでしょうか。

母の母の父にシャーリーハイツをもつ凱旋門賞上位馬

  • エネイブル 凱旋門賞二連覇中
  • クロスオブスターズ 2018年三着、2017年二着
  • ユリシーズ 2017年三着
  • フリントシャー 2015年二着、2014年二着

2014年の三着馬ダグルーダと2011年の二着馬シャレータは母の母の祖父がシャーリーハイツです。2012年の凱旋門賞馬ソレミアも母の父がシャーリーハイツです。

ついでにいうと2013年、2014年に二連覇を達成したトレヴは母の母の父がシャーリーハイツの祖父である父ネバーベンドとなっています。

牝馬が強い

ここからは血統以外の傾向に触れてみたいと思います。

まず、ご存知の方も多いと思いますが、近年は牝馬の活躍が目立ちます。

2010年以前は圧倒的に牡馬優勢だったこのレースも、2011年から状況は一変、2015年のゴールデンホーンを除くと、ここ八年でのべ七頭が凱旋門賞を制しています。

若干人気していない牝馬が勝ってはいるものの、不調から突然激走しているわけではなく、ヴェルメイユ賞あたりで最低勝ち負けしているぐらいの馬を狙うぐらいの感じでいいようです。

フォワ賞の結果は参考にならない

日本馬も前哨戦に選ぶことの多いフォア賞ですが、海外調教馬もここを勝ったからと言って結果に直結しているわけではないようです。

ここを叩いてという馬もいるようですし、まったく結果は参考になりませんね。

2017年の三着馬、2016年の二着馬クロスオブスターズも本番では三着と二着にきており、一着馬より上位に来ていますし、ナカヤマフェスタもここを二着してからの本番二着でした。

まぁ、ここで勝負にならないようであれば、本番では勝ち負けも怪しいといったところで、キセキにとってはあまりいいデータではないですね。

フォワ賞の勝ち馬と凱旋門賞での成績

  • 2018年 ヴォルトガイスト → 4着(二番人気)
  • 2017年 チンギスシークレット → 6着(六番人気)
  • 2016年 シルヴァーウェーブ → 13着(八番人気)
  • 2015年 ポストボンド → この年は出走せず ※翌年は5着
  • 2014年 ルーラーオブザワールド → 9着(九番人気)
  • 2013年 オルフェーヴル → 2着(一番人気)
  • 2012年 オルフェーヴル → 2着(一番人気)
  • 2011年 サラフィナ → 7着(一番人気)
  • 2010年 ダンカン → 15着(十一番人気)
  • 2009年 スパニッシュムーン → 出走せず

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