タワーオブロンドン:スプリンターズステークス2019出走予定馬の能力分析

投稿者: | 2019年9月27日

タワーオブロンドン

早熟かと思いきや古馬になり円熟味を増す

今回は、今週のスプリンターズステークスに出走予定で、ダノンスマッシュ(父ロードカナロア)とともに人気しそうなタワーオブロンドン(父Raven’s Pass:レイヴンズパス)について取り上げてみたいと思います。

まずタワーオブロンドンと言えば2015年生まれの競走馬で名門藤沢和雄きゅう舎所属となります。

二歳時はダノンプレミアムが評判通りに強さを見せつけましたが、京王杯などの安定した走りからこれに次ぐ存在と見られ、朝日杯ヒューチュリティステークス(GⅠ)も二番人気でした(結果は三着)。

三歳初戦のアーリントンカップをしっかりと勝ったことからNHKマイルカップ(GⅠ)は一番人気で迎えたものの、結果はまさかの十二着に敗れます。

秋になり休み明けのキャピタルSは二着に敗れましたが、叩いてさぁこれからと思われた東京新聞杯でまさかの五着。

父がイルーシヴクオリティ(Elusive Quality)産駒のレイヴンズパスだったことから、僕も

“やっぱり早熟だったか・・・”

と思ったんですが、古馬になってからはGⅠレースは走っていないものの京王杯スプリングCやセントウルSなど、格の高いGⅡを二勝しており力の違いを見せています。

特にセントウルSでは直線だけで三馬身差をつけるなど圧巻の内容でした。

正直なところ早熟と思ってごめんなさいでは済まないほどのレースでしたが、今回はいよいよ鞍上のルメール騎手も距離がピッタリという1200mのスプリンターズステークス(GⅠ)に出走するということで詳しくこの馬について分析してみたいと思います。

(画像引用:Wikipedia「タワーオブロンドン」より)

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血統

2015年生まれ ダーレー・ジャパン・ファーム生産

Raven’s Pass
2005 栗毛

父の父

Elusive Quality
1993 鹿毛

Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Touch of Greatness Heros Honor
Ivory Wand
父の母

Ascutney
1994 黒鹿毛

Lord at War General
Luna de Miel
Right Word Verbatim
Oratorio

*スノーパイン
Snow Pine
2010 芦毛

母の父

Dalakhani
2000 芦毛

Darshaan Shirley Heights
Delsy
Daltawa Miswaki
Damana
母の母

*シンコウエルメス
1993 鹿毛

Sadler’s Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Doff the Derby Master Derby
Margarethen

父はこのサイトでも取り上げたレイヴンズパス(Raven’s Passとなり、本馬は持ち込み馬(海外で種付けされた牝馬が日本で産んだ)となります。

アイルランドで繋養されている種牡馬となりますが、現役時代はヨーロッパのGⅠ馬でありながらアメリカのBCクラシックを制した超一流馬であるものの、産駒は今のところ大物感に欠けておりGⅠを制した馬フランスのロイヤルマリーン(Royal Marine)一頭にとどまります。全体的に二歳戦や三歳戦で強い馬が多いようです。

母系も超一流です。

祖母シンコウエルメスは日本で走り故障のため一戦したのみでしたが、本馬の兄ジェネラス(Generous)は英愛ダービーの他キングジョージなどを制した超一流馬であり、近親にもトリリオン、トリプティックという超一流の母娘がいます。他にもヨーロッパで活躍馬を送り出しているトップクラスの名牝系です。

シンコウエルメスの孫からは皐月賞馬ディーマジェスティが出ており、つまりはタワーオブロンドンの従兄弟にあたります。

母の父ダラカニ(Dalakhani)はアイルランド生産馬ではあるもののフランスで走り、凱旋門賞をはじめGⅠ四勝。2003年にはヨーロッパの年度代表馬となっています。

シャーリーハイツ(Shirley Height)産駒のダルシャーン×ミスワキという配合が示すとおり、産駒は中長距離で強さを見せる馬を送り出していますね。

さらに遡るとサドラーズウェルズやマスターダービーなどが配合されており、母系はヨーロッパ、とくに凱旋門賞のようなレースで強そうな配合になっています。

ヨーロッパに適合したアメリカ型のスピード父系とヨーロッパのクラシックディスタンス型の配合ということでかなりバランスはいいように感じます。

この母系だと日本ではスピード不足になりそうなものですが、タワーオブロンドンが時計勝負に強いことなどを考えるとかなり父系の血が強いのではないかと思いますね。

戦績

13戦6勝(6-3-2-2) ※2019年9月26日時点

距離別

1200m・・・3戦1勝(1-1-1-0) セントウルS(GⅡ)
1400m・・・3戦3勝(3-0-0-0) 京王杯スプリングC(GⅡ)、京王杯2歳S(GⅡ)
1500m・・・2戦1勝(1-1-0-0)
1600m・・・5戦1勝(1-1-1-2) アーリントンC(GⅢ)

競馬場別

札幌・・・3戦1勝(1-2-0-0)
函館・・・1勝0勝(0-1-0-0)
東京・・・5戦2勝(2-0-1-2)
阪神・・・4戦3勝(3-0-1-0)

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過去のレース分析

セントウルステークス(GⅡ)2019 一着

条件:2019年9月8日、阪神、芝1200m、良、13頭5枠7番 ※中一週
タイム:1.06.7(33.5-33.2) 1着
レースラップ:11.9 – 10.3 – 10.810.8 – 11.3 – 11.6(33.0-33.7)

まずは直近のレースからです。

このレースは直線だけで三馬身ちぎるという圧巻のレースぶりでしたが、このレースはマテラスカイが33秒0で逃げるというレース展開でした。

タワーオブロンドンは七番手を無理なく追走(前半33秒5で)する形でしたが、上位馬の中ではこの馬だけが後半のほうが速いタイムを記録しています。

また、レースのラップを見ると最後の1ハロンは全体からすると失速しているラップになっているため、全体的に最後はどの馬も止まったレースだったと言えます。

つまりは最後は引き離したというよりも、他の馬が止まったため差が開いていったので、レース内容をそれほど評価するのは禁物かもしれません。

このレースではファンタジストが二着に入っていますが、33秒2で入っての1分7秒2(後半34秒0:全体で三番目の上り)というタイムを記録しており、これまでのレース内容と変えて結果を残したということで気になる一頭です。

キーランドカップ(GⅢ)2019 二着

条件:2019年8月25日、札幌、芝1200m、やや重、16頭4枠7番 ※中九週
タイム:1.09.3(34.4-34.9) 2着
レースラップ:11.9 – 10.3 – 11.0 – 11.7 – 11.8 – 12.5(33.2-36.0)

このレースは今回対戦することになるダノンスマッシュに敗れています。

ポイントは馬場状態を考えると非常にペースが速かった点ですが、六、七番手につけていたダノンスマッシュでさえ前半33秒9後半35秒3というように前後半でプラス1秒4という先行馬にとってはきつい極端なレースでした。

二着になったタワーオブロンドンは後半が前半に比べてプラス0秒5ということでかなりスムーズにレースを運べていることが分かります。

この馬のように前後半でラップ差が1秒0以下の差だったのは四着のライトオンキュー(34秒3-35秒1)ぐらいでした。

函館スプリンターズステークス(GⅢ)2019 三着

条件:2019年6月16日、函館、芝1200m、やや重、7頭8枠13番(このレースは禁止薬物問題により五頭が競争除外) ※中五週
タイム:1.08.6(35.3-33.5) 3着
レースラップ:12.3 – 11.0 – 11.1 – 11.3 – 11.0 – 11.7(34.4-34.0)

この週は禁止薬物接種問題にからみ史上まれにみる数の馬が除外となった時でした。このレースも五頭が出走除外になりわずか七頭で行われました。

距離を考えるとややスローペースという入りでしたが、結局道中の位置取りどおりでほぼ着順が固まっています。

道中五番手を走ったタワーオブロンドンが若干順位を上げたぐらいでした。ラップとしても緩んだ場所のないフラットなレースでしたが本来そういったレースを得意とするタワーオブロンドンにとって他の馬がそういった走りをさせると違いを見せるのが難しいのかもしれませんね。

他の出走馬も前後半のラップ差がほぼ1秒以内に収まっています。

東京新聞杯(GⅢ)2019 五着

条件:2019年2月3日、東京、芝1600m、良、15頭3枠5番 ※中九週
タイム:1.32.3(58.1-34.2) 5着
レースラップ:12.3 – 10.9 – 11.3 – 11.2 – 11.5 – 11.3 – 11.5 – 11.9(57.2-34.7)

この馬はタワーオブロンドンが馬券圏内をはずしたレースのうちの一つですが、注目は上りタイムが他の上位馬に比べてかかっている点ですね。

本来鋭い差し脚を武器にしている同馬からすると不本意な結果であり、ルメール騎手は太目残りを指摘しています。

このレースは後方待機馬が軒並み上位に来ており、勝ったインディチャンプは勝ちタイム1分31秒9で33秒5の上りでした。1000mのは入りは58秒4とタワーオブロンドンとそれほど変わらず、逆に伸びなさすぎと感じますね。

ラップ的にも息の入れる場所があまりありませんでしたし、このあたりの結果から距離不安なども見えてきます。

NHKマイルカップ(GⅠ)2018 十二着

条件:2018年5月6日、東京、芝1600m、良、18頭4枠7番 ※中三週
タイム:1.33.8(58.7-35.1) 12着
レースラップ:12.1 – 11.1 – 11.211.9 – 11.7 – 11.3 – 11.5 – 12.0(58.0-34.8)

最後にタワーオブロンドン最大の敗戦となったNHKマイルカップですが、このレースは後方からレースを進めたものの伸びずの十二着でした。

同じような位置にいたレッドヴェイロンが三着、さらに後ろにいたケイアイノーテックが勝っており後方待機馬有利の展開でこの結果は、今考えても負けすぎですね。

ケイアイノーテックが59秒1で入って33秒7の上り、結果1分32秒8だったのですが、内容としてはタワーオブロンドンとそれほど変わらず、このレースも東京新聞杯と同様に伸びなさすぎですね。

このレースは途中少しペースが緩んでの結果であり、少し言い訳のしにくいレースでした。

スプリンターズステークス2019に向けての展望

速い時計が出る馬場が望まれる

前走のセントウルSと春の京王杯スプリングCはかなりの好時計での勝利でしたから、間違いなく時計勝負は歓迎の馬でしょう。

逆にやや重の馬場となったキーランドカップや函館スプリングSなどは相手関係やセントウルSでの走りを見る限りもっと楽に勝たないといけないレースだったと言え、馬場状態があまりよくないようであれば少し疑いたくないますね。

スタミナ面に問題がある

昔の馬は割と距離不安などをささやかれる馬も多かったのですが、最近はスローペースのレースが増えたり、高速馬場が手伝ってか比較的そういう馬が減ってきました。

ただ、このタワーオブロンドンの過去のレースを分析する限りマイル戦での凡走があまりにも極端すぎます。比較的何でもない相手にも先着を許していますね。

まるで別の馬のようなレースをしていることからもマイルが長いのが明らかで、タイプ的には生粋のスプリンターなのでしょう。

道中我慢できるところなどからもサクラバクシンオーに少し近いような気がします。

極端なレースは避けたい

個人的にこの馬はかなり強い部類に入ると見ているのですが、当然まだかつての電撃王サクラバクシンオーほどの凄みは感じません。

理想は33秒5で入って33秒5で上がってくるようなフラットなレースがベストでしょうから、ある程度前半は流れてくれたほうがいいでしょうし、流れが遅くなると比較的のんびりしてそうなので、それにお付き合いしてしまい、馬場状態が悪いと前に残られてしまうという可能性を残します。

あとは相手関係次第でしょうが、爆発的な末脚をもつという感じでもないので道中ある程度動く必要のある馬でもあり、馬群に包まれた時は不安は残します。このあたりはルメール騎手ですからあまり心配はなさそうですが、やはりこの馬のポイントはスムーズなレースというのが鍵になってきそうです。

そう考えるとパドックなどでおかしな動きをしている場合は少し注意しておいたほうがいいかもしれません。

あくまで現状はストレスなく回ってくるという条件付きだと走り抜けられる”良家のボンボン”という印象ですが、ここを勝って貫禄を身につけられるか注目が集まります。

今回のメンバーでは実力的に一番強いと見ているのですが、ここを取りこぼすようだと今後GⅠは勝てないでしょう。

良馬場で時計が出ているような馬場なら軸として信用、雨が降るようだと三着、四着もあり得るような気がしますね。

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